独りぼっち
河上は教室に入るとすぐに異変に気付いた。
何か変だなと思いつつ、席に座る。
そして皆の視線が一人の生徒に向かっていることに気づいた。
あの子か。
そうして、昼休み俺は特段仲が良い友達がいるわけではないので空き教室で昼ご飯を食べようと空き教室に入ると噂の女子高校生がいた。
「あ…」
俺を見て女子高校生は気まずそうに顔をそむけた。
何も言わないと言うことは此処で食べても良いのだろうか。
俺は椅子に座ってパンの袋を開けようとしたら。
「此処で食べるの?」
「悪い?」
「私は一人が良いんだけど」
「知るか、いつも俺は此処で食ってる」
「先に居たのは私」
何だこいつはと思い俺は教室から出た。
「おい、心太」
教室を出ると颯太がいた。
「金崎?」
「今此処の教室に居た人だよ」
「ああ、なんか性格の悪い奴だったよ」
「今ざわついてるの知らないのか?」
「ん、まあ周り見ればなにかあったか大体は分かるけど」
「なんかさ、色々と問題になってるらしくてさ」
「なに?」
話を聞こうとしたら後ろから腕を引っ張られた。
「河上君」
腕を引いたのは安藤だった。
「今度はなんだ」
「良いから着いて来て」
そう言われて連れて行かれたのは旧校舎の空いてる教室だった。
「此処なら誰もいないでしょう」
「こんなところまで来させてなんだ?」
「ちょっと話したいことがあって」
安藤は静かに口を開いた。
「金崎さんについてなんだけど」
「なんだ?」
「なんか色々とざわつかせてるみたいでさ」
「それで?」
「パパ活してるとか…」
「それでどうしろと?」
「本題はこっち、金崎さんの父親が殺人の容疑をかけられてそれで今まで友達だった人も近づかなくなってそれで一人になっちゃったらしくて」
「それと俺は関係ない」
「酷いな~、少しはなんとかしたあげようとか思わないの?」
「俺は関係ないだろ、大体安藤はなんでそんなこと気にするんだよ」
「前に痴漢に遭った時に気遣ってくれて」
「それだけ?」
「うん」
「はー、お人よしだな」
「悪い?」
「まあ良いよ、俺も暇だし色々調べてみるよ」
「本当?」
「うん」
そして俺は真実を集めた。
そうして集められた真実は衝撃的なものだった。
俺は正直、暇つぶし程度のものだったがこれがのちに国家レベルの真実になることになる。




