世紀の大犯罪の終わり
神鹿狼奈はとある高層ビルの屋上にいた。
「これからはもっとド派手に彼が守ろうとしたものを、壊さないといけないね。彼が命を持って守ったのだもん」
そうして、携帯を取り出す。
「まだ警察には言ってない最後の爆弾、これでインターポール本部を爆破する」
そうして携帯を操作した時だった。
ダンッ!!
神鹿狼奈の右手から出血、そして神鹿狼奈は膝から崩れ落ちる。
「なに?」
「神鹿狼奈、降服しろ!!」
後ろのドアからブランシェと大勢の捜査官が入って来た。
「なんで此処に?」
「まあそれはあいつに聞いてくれ」
「え?」
神鹿狼奈のイヤホンから声が聞こえてくる。
『やーやー、神鹿狼奈さん?』
『その声、河上心太!!』
『僕はどこでしょうか?』
神鹿狼奈はあちこちに見回して此処より高いもう一つのビルに目が行った。
『あそこから狙撃したのか?』
『そうだよ』
『馬鹿な、此処から500mは離れてる』
『でも俺にはこの目がある』
『だとしても、君は死んだはずでは?』
『それこそが今回の作戦の肝だ』
『まさか、自分を死んだことにして』
『そう、良い作戦でしょ?まあ色々怪我してるけどまあなんとかなったよ』
『そうか、ならここで捕まるのも悪くないかもね』
『そうでしょ、脱獄とかすんなよ』
『それはどうかな?』
神鹿狼奈は捜査官に取り押さえられた。
そうして俺は松葉杖で体中が痛いがその足でモーガンに会いに行った。
「よくやったね、河上君」
「まあ、あの作戦も博打だったしなんとか上手く行ったな」
「そうだね、最初に言われた時は何馬鹿なことをと思ったが本当にこれで良かったのか?」
「まあ、これからは大人しく過ごしますよ」
「そうか、偽名を使うことも出来るが」
「いや、俺はこのままで」
「分かった」
そうして俺はSOの部屋に行った。
扉の前に立つと皆重ぐるしい、雰囲気を作っていた。
それを断ち切るかのように俺は勢いよく、扉を開いた。
「折角、神鹿狼奈を捕まえたのになんでそんな辛気臭い顔してんだよ」
「え?」
皆が一斉にそう言った。
「お前、生きてるのか?」
「勝手に殺さないでくださいよ、ほらちゃんと足あるでしょ?」
「じゃああのテレビは?」rる
「誤報だよ、元々モーガンと俺しか知らなかったし」
「おい」
京野さんが俺に胸元の掴んで離さない。
「いくらなでも俺達には話しても良かったんじゃないのか?」
「まあ、敵をだますには先ずは味方からって言うでしょ?」
「全く、此処はどうなっているんだ」
イーサンもそれをなだめるように、京野さんを引きはがした。
「あんたさ!!」
沙雪さんが大声を出した。
「どこまでが作戦だったわけ?」
「まあ、爆弾が爆発するのは予想外、でもその後に運ばれた病院でモーガンが来た時に、俺が死んだことにしたら、SOに必ず神鹿狼奈が連絡すると思ってね、それで皆俺が死んだことにすればあいつも流石に騙せると思ったんだ」
「本当に勝手なんだから」
「それでその後何処にいたんだ?」
「此処の地下」
「え?」
「此処の地下は外から一切メールとかを受け付けない、特殊な防疫があってそれで治療しながら外の状況を見てた」
「そう」
「うん、まあそう言うこと」
「じゃあ俺はこの辺で」
「河上さん?」
「ん?」
「痩せました?」
蓮君が心配そうに言ってくれた。
「まあ食事は制限されてたからね」
「そうですか」
「うん、それじゃ」
俺は部屋を出て屋上に向かった。
煙草を取り出して、火をつける。
「やっぱり此処にいた」
振り返ると沙雪さんが居た。
「どうかしました?」
「本当は怒ってる」
「え?」
「だって今度こそ一人になるって思ってたから」
「すいません」
「今度飲みに付き合ってもらうから」
「えー、沙雪さん長いじゃないですか」
「罰ね」
「はいはい」
そう言って俺は神鹿狼奈を捕まえた。




