第七十四話 たかがと言い切るん!?
モカ 職業『忍者』
経験値 19億9494万3529
年齢 10
レベル 594
スキルポイント 594
HP 999999(1137820)
ⅯP 999999(1137820)
力 999999(1134850)
耐久力 999999(1134850)
魔力 999999(1134850)
魔耐力 999999(1134850)
知性 999999(1134850)
速さ 999999(1134850)
運 800002
攻撃力 98299998
防御力 98219998
魔法攻撃 2799998
魔防力
装備 闘鬼の究極鎧(攻撃力9500万 防御力9500万)
取り出しの指輪 瞬装の小手 10倍強化顕妙連
スキル
限界突破Lv2 ステータス隠ぺい
千里眼 存在把握 瞬間移動 自在疾走 認識不可能 完全分析
強手裏剣 爆水の術 火炎の術 轟雷の術
大威徳明王撃 不動明王撃 金剛夜叉明王撃。
甲賀の薬草の知識 分析 錬成 影渡り 五感強化 投擲玉
鬼族の覇者
超HP強化 Lv4 超ⅯP強化 Lv4
超力強化 Lv4 超耐久力強化 Lv4
超魔力強化 Lv4 超魔耐力強化 Lv4
超知性強化 Lv4 超速さ強化 Lv4
超斬撃強化 Lv4
超拳撃強化 Lv4 超蹴撃強化 Lv4
ちなみに『ステータス隠ぺい』とは限界突破Lv2のおまけスキル。
ステータスの好きな場所を鑑定できなく出来る。
だから普段はステータスを見えなくしておいて、敵を油断させといて。
「ふふふ、コレが俺の真の力よ」
と言って敵を絶望に叩き込む、といった楽しみ方をする為のスキル。
……なくても困るコトは無いと思うけど。
これがダンジョン「鬼が島」を」クリアしたモカのステータスだ。
え? ステータス表示が前よりシンプルになってる?
だって、SS級になると強化ステータスが凄い数になるでしょ?
ゴチャゴチャして分かり難いでしょ?
だから、SS級以上になったら、実際の数値だけ表示されるんだ。
そう俺がプログラムした。
で、もしも詳しく知りたかったら、表示された数値を更に鑑定したらいい。
例えばモカの攻撃力の98299998を鑑定すると。
999999(力)+999999(速さ)
+90万(鬼族の覇者)+40万(超拳撃強化Lv4)
+9500万(闘鬼の究極鎧)
と表示される。
他にも、例えばスキル「鬼神」の追加表示「真・鬼王降し」を鑑定すると。
=毎秒1000ⅯPと引き換えに攻撃力&防御力を+5千万
と、その能力が分かるようになってる。
だから気になる人は、鑑定してみてね。
って、モカの強化は終わった。
今度は俺が強くならないと。
でもボスキャラの大嶽丸は、モカが倒してしまった。
他にも沢山のモンスターを倒してしまった。
そして全てのモノが再配置されるのは、次の日の朝。
だから俺はモカを連れて、温羅の街に戻り、一泊し。
次の日の朝、再び鬼が島へと戻ってきた。
もちろん、今度は俺が強くなる為に。
同時に、モカにもっと効率よく強くなる攻略を見せる為に。
というワケで、サクッと犬・猿・雉の指輪を手に入れ鬼が島に渡る。
よし、まずは第1ステージの攻略してみせるか。
といっても、殆どモカに説明したとおり。
千里眼と存在把握を駆使して、敵を倒していけば良い。
でも、倒し方に一工夫。
俺は最初に発見した金鬼の背後に回り込むと。
「そりゃ」
打ち抜かれると痛みで崩れ落ちる急所=腎臓に拳を叩き込んだ。
当然。
「ぐはっ!」
あまりの痛みに、金鬼は膝から地面に崩れ落ちた。
そこを狙って、今度は。
「あたたたたたたたあたたたたたたた!」
某世紀末救世主の真似をして、無数の拳を打ち込んだ。
しかし手加減しているので、金鬼は直ぐに倒れたりしない。
なので、いろいろな急所に拳を打ち込む。
肋骨の1番弱い所=肝臓、鳩尾、心臓、鎖骨、後頭部、喉……。
そして最後に、首の骨の弱い部分=椎間板に、垂直に打撃を打ち込み。
「かはっ」
金鬼に止めを刺した。
つまり1撃で倒せるのに、わざわざ沢山の打撃を叩き込んだワケだ。
それを不思議に思ったのだろう。
金鬼を倒した俺に、モカが聞いてくる。
「ロックにぃなら急所1発で仕留めるコトも出来たやろ? せやのに何でワザワザあないな倒し方したん?」
うん、ちゃんと気が付いたね、偉いぞモカ。
なら俺のちゃんと答えよう。
「それはな。レベル差が大きいほどスキルを簡単し習得できるからだ。俺のスキルを鑑定してみたら分かる。強化のスキルをな」
「拳撃強化? って、上位拳撃強化Lv9だった筈のロックにぃのスキルが、超拳撃強化Lv3になっとる! ナンでや!? 鬼が島をクリアしたウチの超拳撃強化のレベルでさえ、4しかあらへんのに!」
目を丸くして驚くモカに、俺は微笑んでみせる。
「例えばレベルが同じ相手を1000回攻撃したら拳撃強化のレベルが上がるとしよう。でもレベルが上の相手を攻撃した場合は500回でレベルがアップし、レベルが10上の相手だったら300回、レベルが30上なら100回、レベルが100上なら20回で拳撃強化はレベルアップするんだ」
「……金鬼のレベルは、確か2000やった。ちゅうコトは……」
ゴクリと喉を鳴らすモカに、俺は頷く。
「そうだ。そこまでレベルが違ったから、1発殴ったダケで上位拳撃強化Lv9は超拳撃強化Lv1に上がったんだ。そして次の1撃で超拳撃強化Lv2に、その後の2撃で超拳撃強化Lv3になったというワケさ。だから上手くやったら戦闘1回で、2つも3つも強化のレベルを上げれるんだ」
「せやったんか~~、失敗してもたァ」
頭を抱えるモカに、俺は追い打ちをかける。
「そして急所を何回か攻撃すると知性強化スキルもレベルアップしやすい。頭を使って戦った、と評価されるからだろうな」
「そうなん? って、ホンマや! ロックにぃの上位知性強化Lv9スキルが超知性強化Lv2になっとる! あ! 力や速さ強化スキルもや!」
「攻撃力は力と速さの合計がベースだからな。攻撃しただけで上がったんだ。ってコトで戦い方を工夫すると、色々なスキルが手に入ったり、レベルを上げたりできるんだ」
「せやったら、最初から言うてくれたらエエのに……ウチ、ごっつう損してもうたやん……」
唇を尖らせるモカの頭に、俺はポンと手を乗せる。
「大事なコトをモカに気付いてもらう為さ。失敗したな! と思わないと、身に付かないだろ?」
「でも、ホンマやったらもっと強くなれたと思うと……」
涙目になるモカの頭を、俺は撫でる。
「大丈夫。まだ、たかがSS級ダンジョンをクリアしたダケ。今回の教訓を生かしたら、幾らでも取り返せるさ」
「たかが!? SS級を、たかがと言い切るん!? はぁ~~、ホンマ、ロックにぃには驚かされるわ」
溜め息をつくモカに、俺は言い切る。
「そうだ。SS級なんか『たかが』だ。モカが望むなら、これからもっともっと強くしてやるぞ」
「へへ。ウチ、凄い人と一緒におるんやな。よっしゃ、ロックにぃ! ウチは死ぬまでロックにぃと一緒に生きていくさかい、しっかり導いてや!」
なんかドキッとするコトをサラッと言ったな。
ついでに言うと、ちょっと言葉としてヘンだけど。
でも、そう言ってもらえて、凄く嬉しい。
この気持ちはナンだろ?
う~~ん……。
ま、いっか。
急いで結論を出す必要なんかない。
とりあえずダンジョン「鬼が島」をクリアするコトにしよう。
そして俺も、桁違いの強さを手に入れるか。
2023 オオネ サクヤⒸ