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   第三十八話  何を望む?





 伊賀流は忍術・戦闘力に秀でている。

 甲賀流は薬草の扱い(回復と毒薬)と、諜報活動に秀でている。

 それらに対し風魔は、体に鬼を宿して超人的な戦闘力を得る特殊な忍者。

 俺はそういう設定でプログラムした。


 その鬼の力を手に入れる為のイベントが「風魔小太郎の力を手に入れろ」だ。

 このイベントを安全にクリアする為に、最初にやるべき事がある。


 ここで必須となるのが甲賀のイベントで手に入れたスキル。

『甲賀の薬草の知識』でしか作り出せないモノ=神便鬼毒酒だ。

 この神便鬼毒酒を、五芒星を描くように配置された岩にかけていく。

 鬼の1部が封印された5つの岩全てに、神便鬼毒酒を駆け終わったら。


 トクトクトク。


 風魔小太郎の名を刻んだ、中央の岩にも神便鬼毒酒をかけて、準備完了。


「さあモカ。この岩に触るんだ」

「ホ、ホントに大丈夫?」


 怯えた目で聞いてくるモカに、俺は笑顔で頷く。


「大丈夫だ。鬼が出てきてもモカに襲い掛かったりしないから」

「そ、それなら」


 モカは何度か手を出したり引っ込めたりするが。


「えい」


 可愛らしく気合を入れると、岩にペチッと手を当てた。

 そしてモカが大急ぎで俺に隠れて数秒後。

 岩が割れて酒呑童子の首が現れる。

 よし、ここでキーワードだ。


「臨・兵・闘・者・皆・陣・裂・在・前」


 さっきの男は、これを言わなかったから、いきなり襲われたんだよな。


「ほう九字を知っておるのか。ならば話を聞いてやるか。何を望む?」


 そう聞いてくる酒呑童子の首に。


「風魔の神髄を習得したい」


 こう答えると。


「ならば我に、習得するだけの力と知恵があるか、示すが良い」


 酒呑童子の首が、こう答え。


 バガン × 5


 5つの岩が割れて、鬼のパーツが出現。


 バチンバチンバチンバチンバチン!


 音を立てて合体、身長5メートルの酒呑童子となった。


「どこからでもかかって来るが良い」


 酒呑童子が、こう言ってからがイベント本番。

 力と知恵を示す戦い開始だ。


 ところで、さっきの酒呑童子のステータスは、こうだった。


 レベル      999

 HP      800万

 力         8万

 防御        8万

 速さ        8万


 俺が勝てるステータスじゃない。


 でも、さっき俺が岩にかけて回った神便鬼毒酒。

 これは、人には無害で、鬼には毒となるキーアイテムだ。

 この神便鬼毒酒により、酒呑童子のステータスは。


 HP      8万

 力      800

 防御     800

 速さ     800


 に、低下している。


 そして重要なのは、スキル『伊賀の体術』によるステータスアップ。

(HP+2千 力+2千 耐久力+2千 速度+2千 攻撃力+2千)


 つまり『伊賀の体術』によって得られる攻撃力と。

『甲賀の薬草の知識』によって得られる神便鬼毒酒。

 これさえあれば、レベル1でも酒呑童子を倒せるワケだ。


 というか、伊賀と甲賀のイベントクリアが条件となる強化イベント。

 それが風魔のイベントだ。


 ちなみに、このイベントは互いに肉体のみで戦うコトが条件。

 武器を使ったら、そこでイベント失敗だ。

 ほら、その証拠に酒呑童子は素手で身構えている。

 さてと、そろそろ始めるか。


 そして今、ステータスは俺の方が上。

 だから。


 ドン!


 俺の拳は、酒呑童子に大ダメージを与え。


 ブオン!


 酒呑童子の攻撃は、俺に当たらず空振りする。

 そして、たまに酒呑童子の攻撃が俺に当たっても。


 こん!


 俺の防御力ならダメージを受けない。


 ま、こうなるコトは分かってたけどね。

 でも、このまま倒してしまったらイベント失敗。

 力を手に入れる為には、しばらく戦った後で。


「力と知恵、十分に示す事が出来たでしょうか」


 酒呑童子に、こう聞かないといけない。

 この手順を間違う事なく達成すると。


「うむ。伊賀の力と甲賀の知識、確かに確認したぞ。よし、風魔の神髄である『風魔小太郎の力』を授けてやろう」


 酒呑童子はそう言って、鬼の力を与えてくれるワケだ。


 よし! 『風魔小太郎の力』ゲット!

 と同時に聞き練れた声が特別説明を始める。


《「風魔小太郎の力」によってスキル『究極の忍者』を手に入れました。全ての忍者スキルは『究極の忍者』に統合されました。加えて各種強化スキルが『究極の忍者』に統合。これによりHPとⅯPに7万、攻撃力と防御力に7万、全てのステータスに6万、プラスされます》


 そう、これが伊賀、甲賀、風魔をクリアしたら手に入るチート能力だ。


 でも普通の冒険者のステータスの上限は9999。

 力+6万のスキルを得ても、力のステータスは9999以上にはならない。

 つまり、このままでは『究極の忍者』の効果は無駄になってしまう。


 しかし。


 パンパラパパパンパラパパラパパラパパパラパパラパパパ~~~~~~!


 レベルアップの時よりの長いファンファーレが鳴り響き。


《『風魔小太郎の力』を手に入れた事により、スキル『限界突破』を手に入れました》


 アナウンスがそう告げたように、俺は限界突破した。

 だからスキル『究極の忍者』の効果が完ぺきに発動。

 その結果、俺のステータスは。


 Hp  71530(1530+7万)

 ⅯP  71530(1530+7万)

 力   61275(1275+6万)

 耐久力 61275(1275+6万)

 魔力  61275(1275+6万)

 魔耐力 61275(1275+6万)

 知性  61275(1275+6万)

 速さ  61275(1275+6万)

 運   60005(   5+6万)

 装備   10倍強化ヤマセミロング(攻撃力22000)

      10倍強化龍の戦衣(防御力12000)

      取り出しの指輪

 攻撃力  412550

(61275+61275+7万+220000『10倍強化妖刀村雨』)

 防御力  177400

(61275+7万+4万『10倍強化龍燐の小手』)

 魔法攻撃 122550(61275+61275)

 魔防力  122550(61275+61275)


 と、大幅にアップしたのだった。

 ちなみに、このイベントはレベルが50以上ないと発生しない。

 百鬼夜行の時、レベルが49だったのは、本当に残念だった。











2023 オオネ サクヤⒸ

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