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   第三十五話  簡単だね!





 高位堕天使が百鬼夜行を一蹴してから3日後の朝。

 俺は冒険者ギルドで、グラッグさんから特別報酬を受け取っていた。


「今回は助かった。もしもロックが戦ってくれなかったら、ぬらりひょんを倒すコトなんか出来なかっただろう。もちろん剛腕鬼もな。つまりオマエは京の都を救ってくれた事になる。なので現金払いは無理だが、ロックの冒険者カードに10億ゴルド、チャージしておいた。ギルドマスターとしての最大限の礼だ」


 このグラッグさんの声を聞きつけて、冒険者の目が俺に集まる。


「へええ、あんな子供が10億ゴルドかよ。もっと早く京の都に来てたらオレも一儲け出来てたのにな、クソ」


 なんて言ってる冒険者もいるな。


 だからグラッグさん、声、大きすぎです。

 と抗議の1つもしたくなるが、それよりコレを聞いておかないと。


「でもイイんですか、こんな大金をもらって」


 岩石ムカデが街並みを破壊したのは、俺の所為だったと言われても仕方ない。

 そんな俺に10億ゴルドも支払ってイイんだろうか?


「構わん、構わん。もしロックがいなかったら、京の都の被害は、こんなモンじゃなかったんだから。逆にこれっぽっちしか渡せなくて申し訳ないくらいだ。そうだろ、エリちゃん?」

「エリちゃん言わないでください」


 エリさんは、そう言いながらも、俺に優しい笑みを向けてくれる。


「ロックさん、ギルドマスターの言う通りです。遠慮なく受け取ってください」


 エリさんがそういうなら、大丈夫なんだろう。


「分かりました。ありがとうございます」


 頭を下げる俺に、グラッグさんが聞いてくる。


「ところでロックは、これからどうするんだ?」

「そうですね。百鬼夜行を見て、思い知りました。ボクはまだまだ弱いと。だからもっと強くなる為のイベントをクリアしたいと思います」

「おいおい、もっと強くなるって、そのステータスで、まだ満足してないのかよ」


 グラッグさんがそう言うのも無理ないかな。 

 だって今の俺の基礎ステータスは。


 Hp  5630(1530+2100+2千)

 ⅯP  6630(1530+2100+3千)

 力   4775(1275+1500+2千)

 耐久力 4775(1275+1500+2千)

 魔力  5775(1275+1500+3千)

 魔耐力 5775(1275+1500+3千)

 知性  5775(1275+1500+3千)

 速さ  4775(1275+1500+2千)

 運      5

 装備   10倍強化妖刀村雨(攻撃力22万)

      10倍強化龍の戦衣(防御力12000)

      取り出しの指輪

 攻撃力  233650

(4775+4775+2100『斬撃強化Lv7』

+22万『10倍強化妖刀村雨』+2千)

 防御力  49550

(4775+4775+40000『10倍強化龍燐の小手』)

 魔法攻撃 11550

 魔防力  11550


 となっているのだから。

 このステータスは。


 HP強化Lv7(HP+2100)ⅯP強化Lv7(ⅯP+2100)

 力強化Lv5(力+1500)耐久力強化Lv5(耐久力+1500)

 魔力強化Lv5(魔力+1500)魔耐力強化Lv5(魔耐力+1500)

 知性強化Lv5(知性+1500)速さ強化Lv5(速さ+1500)

 斬撃強化L7(攻撃力+2100)

 拳撃強化Lv5(攻撃力+2500)蹴撃強化Lv8(攻撃力+12000)

 伊賀の体術

(HP+2千 力+2千 耐久力+2千 速度+2千 攻撃力+2千)

 錬製(ⅯP+3千 魔力+3 魔耐力+3千 知性+3千)


 これら強化スキルのお陰だ。

 ま、攻撃力が飛び抜けて高いのは10倍強化妖刀村雨のお陰だけど。

 とはいえ。


「でもグラッグさん。たとえ今の俺のステータスでも、百鬼夜行と戦ってたらゲームオーバーだった。そうでしょ? 攻撃力は高いけど、他のステータスが追いついてないから」

「ま、まあ、そうだが」

「だから、もっと強くなります。百鬼夜行レベルの敵なんてゴロゴロいるのがファイナルクエストなんですから。ま、他にも気になるコトもありますし」

「ゴロゴロいるだと? そんな情報も持ってるのか。やっぱロック、オマエも十分チートだな。しかし、そういうコトなら応援されてもらおう。ガンバレよ」

「はい」


 俺はグラッグさんに頷くと、モカに目を向ける。


「モカも一緒に強くなろうな」

「うん!」


 とってもイイ返事だけど、話の内容は殆ど分かってないんだろうな。


 ま、イイか。

 モカも職業は忍者なんだから、一緒に強くなっていける。

 というワケで、俺は冒険者ギルドを後にすると金の小鳥亭に戻り。

 必要な準備を整え、強化イベントへと出発したのだった。






 今回の強化イベント。

 物凄い力が手に入るが、時間はそれほどかからない。

 たぶん、日が暮れる前に戻ってこれる。


 だからグラッグさんには、何も言ってない。

 前回みたいに半年も留守にするワケじゃないから。

 ま、何も無ければ、だけど。

 じゃあ、さっそく向かうかな。

 忍者イベントの最後を飾る、超強化イベントに。


 というコトで。

 モカを連れて、京の都の近く大江山に建立された寺に向かうコトにした。

 モカの足でも30分で到着する距離だ。

 それに慌てる必要もないので。


「ねえ、モカも強くなれるの?」


 俺は、はしゃぐモカとの会話を楽しむ事にする。


「そうだよ。安全に、しかも物凄く強くなれるぞ」

「やったー! でも、何もしないで強くなれるの?」


 モカが首を傾げる。


 うん、今更だけど物凄く可愛らしい。

 なんか兄としての喜びを感じる。

 いや、前世の年齢を加えると、父としての喜びかな?

 俺は結婚したコトないから、娘がどんなモンか分からない。

 でも娘と一緒に歩く、ってのは、こんな感じなのかな。

 心がポカポカする。


 おっと、ちゃんとモカの質問には答えてあげないと。


「いや、何もしないワケじゃないかな。俺が『触って』と言ったら、大きな岩に触って欲しい。それがモカの役目だ」

「それだけでイイの?」


 また首を傾げるモカに、俺はほほ笑む。


「ああ。それだけだよ」

「簡単だね!」

「ああ、簡単だ」


 なんて話していると、いつの間にか大江山の寺に到着してた。


 歴史を感じさせる、大きな寺だ。

 さてと。

 サクッとイベントをクリアして、更なる力を手に入れるか。









2023 オオネ サクヤⒸ

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