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   第百九十四話  頼む、間に合ってくれ!





 俺の最高速度のパンチは。


 バチィ―ン!


 行則のケツにヒット。


「あいた――!」


 拳に生やした剣は行則のケツに刺さった。

 と同時に俺は、突きと同じ速度で拳を引き戻し。


「急いで舐めるんだ!」


 モカとヒカルちゃんに、拳に生やした剣を差し出した。


「了解や!」

「はい!」


 指に血を付けて舐めるモカとヒカルちゃんと同様、俺も血を舐める。

 直後、俺の基礎ステータスは6000京アップ。

 だから俺のステータスは。


 HP     6010京1000兆

 ⅯP     6010京1000兆

 攻撃力 1該2079京9000兆(基礎攻撃力 1該2019京9000兆)

 防御力 1該2079京9000兆(基礎防御力 1該2019京9000兆)

 

 となり、俺の攻撃力はフェンリルの防御力を超えた。

 と同時に、俺がナニをしたか分かったのだろう。


「オッサン! 後は頼んだで!」


 行則が俺の背後に逃げ込んだ。


 そんな行則を追って、フェンリルが襲い掛かってくるが。


「任せろ!」


 俺はそう答えると。


 ガキィッ!


 フェンリルの攻撃をガッチリと受け止めた。


 うん、今のステータスなら、もうフェンリルなんか敵じゃない。

 サクッと倒してしまうとするか。

 いや、その前にフェンリルの血を手に入れて、更に戦闘力を強化しよう。


 というコトで俺は、押さえつけているフェンリルに剣を突き刺し。


「キャイン!」


 悲鳴を上げるフェンリルを無視して、その血を舐める。

 結果、俺のステータスは。


 HP  1該5810京1000兆

 ⅯP  1該5810京1000兆

 攻撃力 3該1679京9000兆(基礎攻撃力 3該1619京9000兆)

 防御力 3該1879京9000兆(基礎防御力 3該1619京9000兆)


 と、更に超アップ。

 こうなったらフェンリルなど、もう子犬にしか見えない。


 勿論フェンリルも、俺の戦闘力が爆上がりしたコトに気付いてるんだろう。

 脅えた目を俺に向けて、固まっている。

 そしてモカとヒカルちゃんも。


「ウチもステータス、アップさせたる!」

「頂きます!」

「キャイン!」


 フリーズしてるフェンリルに剣を刺して血をゲット。

 ステータスをアップさせた。


 よし、これでもうフェンリルに用はない。

 今度こそサクッと倒してしまうか。

 と俺が拳から生やした剣を伸ばしたトコで。


「このまま終わってたまるか!」


 フェンリルはそう叫び、目に再び闘志が蘇った。


 ってコイツ、喋れたのか。

 唸ってばかりだから、言葉を話せないのかと思ったぜ。

 まあ転生者なんだから、喋れて当然だけど。


 でも今更ナニする気なんだろ?

 俺の攻撃力がアップした今、フェンリルには絶望しかないというのに。

 なんて油断はしない。

 フェンリルは鑑定で、今の俺のステータスを視ている筈。

 その俺の戦闘力を知った上で、まだ何か仕掛けようとしているのだ。

 絶対に油断して良い状況じゃない。


 というコトで俺は1度、フェンリルから距離を取って身構える。


 さて、ナニをする気なんだ?

 と、フェンリルの様子を伺う俺の目の前で。


「ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!」


 フェンリルは天を震わせるほどの咆哮を轟かせた。

 と同時に、フェンリルの体が一気に膨れ上がる。

 そして10階建てのビルほどの大きさまで大きくなると。


「余りにも強力過ぎるから今まで使うのを躊躇っていたが、もうそんな事を言ってる場合じゃなさそうなんでな。コイツを使わせてもらうぞ!」


 そう叫ぶと、顎をグワッと開いた。

 と同時に、悪い予感が俺の全身を駆け巡る。


 確かさっきフェンリルは、こう言ってた。

 強力過ぎて、使うのを躊躇ってた、と。

 攻撃力9800京のフェンリルが使うのを躊躇う?

 それってかなりヤバいんじゃ?

 こりゃ、さっさと攻撃した方がいいかも。


 というコトで、俺は万斬自在を放とうとしたが。


「……あれは?」


 フェンリルの口の中にはギラリと輝く、1本の槍に気付いて攻撃を止めた。

 常時発動中の鑑定によると、フェンリルのⅯPは凄い勢いで減ってる。

 多分だけど、その槍に魔力を込めてるんだろう。

 とんでもない力が、その槍に凝縮していってる。


 なるほど。

 きっとあの槍が、フェンリルの言う「強力過ぎる武器」なんだろうな。

 よし、フェンリルを倒した後、回収しよう。

 そして融合練成で、無限の鎧を更に強力にするんだ。

 ステータスに武具の性能が追いついてなかったから、丁度いいぜ。


 まあ、それはイイとして。

 フェンリルが槍を持ってるなんて設定、俺はプログラムした覚えはないぞ。

 なんで槍なんか持ってるんだろ?

 この262年で、どこかで手に入れたんだろうか?


 いや、まてよ。

 フェンリルは北欧神話の主神オーディンを飲み込んだんだっけ。


 というコトは……ヤバい!!!!


 俺は一気に体が冷たくなるのを感じながら。


「ぬん!」


 全速で万斬自在を放った。


 頼む、間に合ってくれ!

 という俺の祈りが天に通じたのかは分からないけど。


 ザシュシュシュシュシュシュシュ!


 俺が放った10000の斬撃は、フェンリルをみじん切りにしたのだった。


 と言ったら簡単にかけてように思うかもしれない。

 しかし実際は紙一重。

 フェンリルが槍に魔力を込め終わる方が早かったとしたら。

 死んでたのは俺の方だったかもしれない。


 なぜなら、フェンリルが持ってた槍の名はグングニル。

 北欧神話の主神オーディンの愛槍だ。

 その能力は超強力。

 狙った的を外すコトは無く、しかも敵を貫いたら自動的に戻って来る。

 こんな槍を放たれてたら、急所を貫かれていても不思議じゃない。

 本当、マジで危ないトコだったぜ。


 でも結果オーライ。

 これで神の武器、グングニルが手に入ったぜ。










2023 オオネ サクヤⒸ

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