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   第百六十六話  じゃあ、地獄の門を開けます





「今まで貴方の力に気が付かぬ己の愚かさを悔いております。しかし貴方様に無礼を働いたのは、このワシ1人。直江兼続殿に落ち度はございませぬ。どうか、ワシの首1つでお許し願いたい」


 俺は、そう懇願する本多忠勝の手を取って立たせる。


「そんな必要はないですよ。天下統一を果たした伊達家に仕える武将の1人だ、己の武に誇りを持ってて当然のコトです。とはいえ」


 そこで俺は直江兼続に目を向けた。


「直江さんが俺に敬意を表してくれたんだから、その直江さんの目が正しいコトを証明しておかないとな。きっと他にも直江さんが俺に低姿勢なのを不審に思ってる兵がいるだろうし」


 直江さん、の単語に伊達軍3000人がピクリと震えたが。


「ステータスオープン」

(う~~~ん、ステータス全部表示したら凄い量になって、逆に見難いから、できるだけ単純に……HP・ⅯP・攻撃力・防御力だけ表示するか。全員が見えるように、出来るだけ大きく)


 という事で俺が。


 ロック

 HP         9000兆

 ⅯP         9000兆

 攻撃力      4京1000兆

 防御力      4京1000兆


 というステータスを表示すると。


 ザッ!!!!!!!!!!!!


 伊達軍3000名が、一斉に地面に膝をついた。

 直江兼続と本多忠勝も一緒に。


「HP9000兆?」

「ⅯP9000兆?」

「そんな数値、有り得るのか?」

「攻撃力4京超えだと?」

「1撃で4000億人殺せるって事か?」

「防御力まで4京を超えてるぞ」

「そんな防御力、どうやったら傷付けられるんだ?」

「天下統一どころか、世界を支配できる戦闘力だぞ」


 兵士達のヒソヒソ声が聞こえる中。


「個人情報を公開して頂き、ありがとうございます」


 直江兼続が深く頭を垂れ。


「己の見る目の無さを、心の底から恥じ入ります」


 本多忠勝に至っては、地面に頭を擦り付けていた。


 が、伊達軍の驚きは、これで終わらない。


「ほならウチもステータスオープン」


   モカ

 HP     4000兆

 ⅯP     4000兆

 攻撃力  1京2900兆

 防御力  1京2900兆


 と、モカもステータスを表示すると。


「あんな華奢な女の子が……」

「HPもⅯPも4000兆……」

「しかも攻撃力、防御力共に1京2900兆だと……」

「我らなど蟻以下ではないか……」

「人とは、この領域に辿り着けるものなのか……」


 伊達軍はザワザワと騒めき。


「なんかワタシまで見せなきゃいけない空気ですね。ま、いいです。ステータスオープン」


 そしてヒカルちゃんが。


 ヤマタノオロチ(転生者 ロックの従魔)

 Lv     9000兆

 HP   1京

 ⅯP   1京

 攻撃力  2京5000兆

 防御力  2京5000兆


 というステータスを公開すると。


『えええええええええええええええ!!!!!!!』

「ヤマタノオロチ!?」

「神龍の王じゃないか!」

「伝説の怪物だぞ!」

「バカ! 失礼な言い方するな!」

「怒らせたら生きてた痕跡すらこの世に残らないぞ!」

「スミマセンスミマセンスミマセン、怒りを御鎮め下さいィィィィ!」


 なんか伊達軍が大混乱に陥った。

 だけど。


「え~~と、とりあえず俺の話を聞いてもらえるかな?」


 俺がそう言うと、ピタリと騒ぎは収まった。


 というか、ビクビクした目で俺を見るのはやめて欲しい。

 う~~ん、ステータスオープンは刺激が強すぎたかも。

 ま、いっか。


「ダンジョン『パンデモニウム』にトライする準備は出来てるんですか」


 俺は静まり返った中、直江兼続にそう聞いてみる。

 準備が出来てないなら、明日まで待つツモリだったけど。


「もちろんです。300人の転生者がいますので、必要物資は彼らのマジックバックに収納していますから」


 そっか。なら、このまま『パンデモニウム』に突入するか。

 俺はマジックバックに、常に半年分の食べ物と飲み物を収納してるから。

 というコトで。


「なら、今から地獄の門を開けます。いきなり悪魔が飛び出してくるかもしれないから、準備してください」


 俺は直江兼続に、そう声をかけた。

 そして。


「総員、戦闘配置!」

「陣形整えろ!」

「各隊、配置完了!」


 伊達軍はあっという間に戦闘準備を終え。


「いつでも行けます」


 直江兼続は、俺にそう報告した。

 伊達軍に目をやるが、闘志あふれた顔をしている。

 緊張している者はいても、脅えている者はいない。

 さすが天下統一を果たした兵士達だ。

 なら、さっさといくか。


「じゃあ、地獄の門を開けます」


 俺はそう宣言すると地獄の門に手をかける。

 なかなか重量感の門だ。

 高さ100メートルの門だけあって、普通の人間じゃ開けられないだろう。


 でも俺の力ステータスは7500兆。

 というか、本気を出す必要すらない。

 門に手を当てて、ちょっと力を入れると。


 ゴゴゴゴゴゴゴ。


 門は重々しい音を立てて、内側へと開いていった。

 さっきの悪魔程度なら瞬殺できる。

 でも、もっと強い悪魔が出現するかもしれない。

 だから俺は、何か出てきたら即攻撃するつもりで身構えたけど。

 ……身構えてから数分。

 門から出て来るモノはなかった。


 ちぇ、ちょっと緊張して損したぜ。

 ま、いいか。

 俺も詳しくは知らないダンジョン『パンデモニウム』。

 一体どんな場所なんだろ?

 

 俺はちょっとドキドキしながら『パンデモニウム』に足を踏み入れた。











2023 オオネ サクヤⒸ

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