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   第百三十六話 人間が辿り着けるステータスじゃないぞ






 限界突破Lv4を手に入れた俺を鑑定したら、こう表示される。


 ロック Lv 6384

 HP    5兆 996億19万1520

 ⅯP    5兆 996億19万1520

 攻撃力  18兆2932億31万9200

 防御力  17兆6922億31万9200

 魔法攻撃 13兆1922億31万9200

 魔防力  13兆1922億31万9200

   装備

 英雄神の千斬太刀(攻撃力 5兆5千億 特殊能力 万斬自在)

 神の護り刀   (攻撃力 4兆2千億 特殊能力 殲滅結界)

 神秘の七支神刀 (攻撃力 4兆1千億 特殊能力 神秘の泉)

 究極無敗の鎧  (攻撃力・防御力 4兆5千億)

 瞬装無双の神小手(攻撃力・防御力 5兆)



 限界突破Lv4を手にいれたら、鑑定で表示されるのはコレだけになる。

 ここまでシンプルは表示になるワケはスキル効果などが多すぎるからだ。


 でも、もっと詳しく知りたいなら2重鑑定すればいい。

 ステータスの構成も、スキルの効果も詳細に表示される。

 ただし、そんなコトが出来るのは対象者から許可された時だけ。

 無許可で鑑定を発動したら、宣戦布告と同意味。

 もしも相手の方が強かったら瞬殺される。


 そして無許可で鑑定した相手を殺しても罪には問われない。

 だから呑気に2重鑑定してる暇なんかある筈がないんだ。


 え? じゃあ人を殺しても、鑑定されたとウソついたらイイ?

 それは無理だよ。

『虚偽感知』の魔法があるから、直ぐにバレる。

 そして堕天使を派遣されてゲームオーバーだ。


 あ、ちなみにモカを鑑定したら、こう表示される。


 モカ

 Lv     6413

 HP     2兆5991億2019万2390

 ⅯP     2兆5991億2019万2390

 攻撃力    9兆2922億4012万 650

 防御力    8兆6982億4012万 650

 魔法攻撃   6兆6982億4012万 650

 魔防力    6兆6982億4012万 650


  装備

 剣神の千斬刀(攻撃力 2兆1千億 特殊能力 千斬自在)

 武神の護身刀(攻撃力 1兆6千億 特殊能力 護りの斬撃結界)

 生命の神脇差(攻撃力 1兆4千億 特殊能力 生命の泉)

 闘鬼神の鎧 (攻撃力・防御力 2兆)

 瞬装の神小手(攻撃力・防御力 1兆6千億)

 

 

 という俺とモカのステータスを鑑定した冒険者達が囁き出す。


「18兆超えってナンだよ、この攻撃力は……」

「億に届いたヤツさえ、聞いた事ないぞ……」

「人間が辿り着けるステータスじゃないぞ……」

「倒せないモンスターなんて存在しないんじゃないか?」

「ひょっとしたら神に迫る強さかも」

「エラいモンを見たぜ」

「逆に人に言っても信じてもらえないだろうな」

「ああ。大ウソつきと呼ばれるのがオチだ」

「ふう。今見たコトは他言しない方が身のためか」

「それがいい。人のステータスをベラベラ喋るのは冒険者の仁義に反する」


 そう話しをまとめたグラッグさんに、全員が頷く。


『ああ。他言しない』


 グラッグさんは、声を揃える冒険者達に頷いてから、俺とモカに視線を戻すと。


「ロック。モカ。こんな短期間で、よくぞそこまで強くなったモンだ。心の底から感心するぞ」


 満足そうな笑みを浮かべた。

 でも、直ぐに真剣な表情になると。


「ロック。モカ。お前達は、その超絶的な力を何に使うつもりだ? これから何を基準に、その力を振るうんだ?」


 硬い声で聞いてきた。


 グラッグさんは、ギルドマスターという地位にある。

 それを前提にすると、俺達の動向を警戒してる様に聞こえるかもしれない。


 でもグラッグさんの目にあるのは、純粋な心配。

 俺とモカが、人を超越した力の使い方を誤らないか、という親心だ。

 だから俺はグラッグさんに、本心を素直に伝える。


「俺が胸を張って正しいと言い切れるコトに、力を使いますよ」

「そうか。己の心に一点も恥じるコトが無いなら、ロックとモカがどんな決断をしたとしてもオレは支持するからな」


 孫を見守るジイジの顔で頷くグラッグさんに、俺は付け加える。


「まあ今はヤマタノオロチ調査に全力を尽くしますけど」

「ああ、宜しく頼む。そのステータスなら、ヤマタノオロチ調査も何の心配も無しに依頼できるからな」


 グラッグさんは漢くさい笑みを浮かべると、右手を差し出してきた。


「じゃあロック。ヤマタノオロチ調査、頑張ってくれ」


 俺は、その手を握り返すと。


「はい。任せて下さい」


 精一杯の誠意を込めて、そう答えた。

 そんな俺の横では。


「ウチも全力でガンバルで!」


 モカがフンスと鼻を鳴らしている。

 そんなモカに。


「そうか、頼りにしてるぞ」


 グラッグさんが、孫を心配する祖父の顔を向けた。


「でもモカ。無理はするなよ。ヤバいと思ったら、ロックに丸投げするんだぞ」


 ってグラッグさん、ナニ言ってるんです?

 モカのステータス視ましたよね?

 今のモカがヤバいと思う敵なんている筈ないでしょ?

 まさかグラッグさんが、ここまで爺バカになるなんて……。


 と思ってたら。


「うむ。やれるダケやったら、後はロックに任せたら良い。逃げる事は恥ではない」


 ムサシさんまで、まさかの爺バカ発言。

 ああ、もうこのジジイ達は……と言いたいけど。

 グラッグさんもムサシさんも、モカが5歳の時から見守ってくれてる。

 もうモカを、本当の孫娘のように思ってくれてるのだろう。


 そう思うと、自然と俺は笑みを浮かべてしまう。

 グラッグさんとムサシさんは、もう俺とモカの家族だと思うから。

 だから俺は、大事な2人の家族に、こう伝える。


「じゃあグラッグさん、ムサシさん。ヤマタノオロチ調査に向かいます。もちろんモカの安全を最優先に考えながら」


 そしたらグラッグさんとムサシさんは、俺の肩に手をまわすと。


「もちろんロックも安全第一でな」

「無事に帰って来る。これが依頼達成より最優先だぞ。忘れるな」


 そう小声で言ってきた。


 そっか、俺に対しても爺バカなんだ。

 ナンか涙が出そうなほど心が温かくなったのを隠して俺は。


「行ってきます」


 それだけ言葉を絞り出すと、ギルドを後にしたのだった。









2023 オオネ サクヤⒸ

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