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   第百三十四話 この城のマスターとして登録します






 竜宮城へのダンジョントライ。

 それを決めたのは、ヤマタノオロチを確認するコトになったからだ。

 もちろん限界突破Lv3によりステータスがカットされてるのも理由の1つ。


 でもそれ以上に、ヤマタノオロチの強さが分からない。

 だから攻撃力と防御力をアップさせる為に竜宮城にトライした。

 そして神威ステータス強化とチート武器を手に入れた今、竜宮城に用はない。


 と、竜宮城をクリアした誰もが思うだろう。

 でも実は「ある重要なもの」が手に入る。

 その「ある重要なもの」を入手する為、俺は図書室の本棚に向かうと。

『天空の城に至る道』という本を手に取った。


「で、ロックにぃ。ナニが始まるん?」


 モカの質問に笑みで応えると、俺は『天空の城に至る道』を開く。

 すると。


「我が問いかけに答えよ」


 本から魔神が出現、そう尋ねてきた。


 ちなみにこの魔神は「アラジンと魔法のランプ」に出て来る魔神がモデルだ。

 著作権に引っ掛からない程度にアレンジしてるけど。

 なんて言ってる間に、第一問。


「日本の首都の正式名称を答えよ」

「東京」


 俺がそう答えると。


「汝は第一の鍵を手に入れた」


 魔神は赤い鍵を俺に手渡し、消えていった。


 次に『天空の城を望みし山』という本を探し出して開くと。


「アメリカ合衆国の首都の正式名称を答えよ」


 魔神が出現して、また質問してくる。


「ワシントン」


 そう答えると。


「汝は第二の鍵を手に入れた」


 魔神はオレンジ色の鍵を俺に手渡して消え去る。


 そしてドイツ、イギリス、フランス、イタリアの首都を答え。


「タイの首都の正式名称を答えよ」


 7体目の魔神が、そう尋ねてきた。

 この問いに。


「バンコク」


 そう答えたら失敗。

 この図書室の蔵書70万冊全てが魔神に姿を変えて襲い掛かってくる。


 え? タイの首都はバンコクじゃないのか、って?

 キーワードは「正式名称は?」だ。

 つまりバンコクは正式名称じゃない。

 タイの首都の正式名称は、言い終わるまで30分もかかる長い物語。

 タイじゃあCDにもなってる。


 もちろん正式名称だからタイ語じゃないとアウト。

 おそらく正確に言える日本人はいないだろう。

 そう考えて、この質問をプログラムした。

 誰もが「バンコク」と答えるだろうと黒い笑みを浮かべながら。


 そして前にも行ったが、俺の記憶力も天才的。

 30分もかかる物語を語り終えると。


「汝は最後の鍵を手に入れた」


 魔神は紫の鍵を俺に手渡して、消え去った。

 こうして7本の鍵を手に入れた俺は、貸出手続きカウンターに座り。


「第一の鍵、第二の鍵、第三の……」


 手に入れた順番通りに、カウンターの引き出しの鍵穴に鍵を差し込む。

 そして最後の鍵を差し込んだトコで。


 パァッ!


 図書室の床に魔法陣が輝いた。


「ロックにぃ。これって転移の魔法陣とちゃうん?」

「その通りだ」


 俺はモカの質問に頷くと。


「さ、行こう」


 モカの手を取って、魔法陣の中心に移動。


「リテ・ラトバリタ……」(以下、自主規制)


 某天空の城の名作アニメに出て来る呪文を口にした。


 次の瞬間。

 はい、誰もが想像する通り、俺とモカは天空の城に立っていた。


 空に浮く、小さな島(直径1000メートルあるけど)。

 その島の上にそびえ立つ巨大な城と城壁。

 そして城を突き破って生い茂る巨木。

 日本人が想像する『天空の城』そのものだ。


 でも転生者じゃないモカは、あの名作アニメを見ていないから。 


「ひょっとしたらココ、空を漂うとる島の1つかいな……凄い……遥か下で海がキラキラ輝いとる……町もビックリするほど小さいで……」


 眼下に広がる大地を見下ろしながら、感動していた。


 ああ、この光景も天空の城のアニメそっくりだ。

 まあ、そう俺がプログラムしたから当然なんだけど、今はリアル。

 プログラムした俺ですら、感動して涙が出そうなほど壮大な眺めだ。


 というコトで、俺とモカが絶景を心に刻んだ後。


「で、ロックにぃ。ホンマに感動的な光景なんやけど、この光景をウチに見せるために、ココに来たん?」


 そうモカが言い出したトコで。


「いや、本当の目的はあそこに行くコトだ」


 俺は城の最上階を指さした。


 そして自然豊かな庭を横切って城に到達。

 信じられない精度でくみ上げられた石造りの城の最上階を目指す。

 そして到着した最上階。


 某天空の城のアニメ通り、木の根と木の若木が生い茂っている。

 そんな部屋の中央にあるコンソールが目的のモノ。

 天空の城の全てのコントローラーだ。


 見た目はパソコンのキーボードと同じ模様が並んだ石のテーブル。

 高さは1メートルほどで、ピッカピカに磨き上げられている。

 このキーボードを操作する、と誰もが思うだろう。


 でも、それも罠。

 キーボードに触ると宇宙空間に強制転移されてしまう。

 正解は。


「リテ・ラトバリタ・ウル……」


 つまり「我を助けよ。光よ甦れ」という意味の例の言葉を口にするコト。

 するとキーボードを突き破って輝く球体が浮き上がるから。


「全機能を掌握したい」


 輝く球体にこう言う。

 後は。


【了解しました。この城のマスターとして登録します。宜しいですか?】


 そう聞いてくる球体に。


「ああ、頼む」


 こう答えるだけ。


【では貴方を、この城をマスターとして認定します。以後マスター以外の者は城を操作できません】

「おっと、そのコトなんだけど、モカを、この城のサブマスターとして登録して欲しいんだ」

【了解しました……サブマスター、登録完了です】

「ありがとう」


 というコトで俺とモカは天空の城を自由に操作できる様になったのだった。

 しかも。


【スキル『天空神の加護』を入手しました。スキル『鬼神』は『天空心の加護』に統合されました】


 俺は超強力強化スキル『天空心の加護』も入手したのだった。



 天空神の加護

 HP・ⅯP・攻撃力・防御力・魔法攻撃・魔防力 + 5兆

 力・耐久力・魔力・魔耐力・知性・速さ・運   + 4兆

(ただし鬼神降臨は失われました)


 あ、モカも。


 天空神の小加護

 HP・ⅯP・攻撃力・防御力・魔法攻撃・魔防力 + 2・5兆

 力・耐久力・魔力・魔耐力・知性・速さ・運   +   2兆

(ただし鬼神降臨は失われました)


 のスキルを手に入れたみたいだ。









2023 オオネ サクヤⒸ

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