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   第百二十八話レンコンの化けモン





 レンコンの化けモン。

 そうモカが表現したのは。

 

  Ⅿ134ミニガン。

 全長     900 mm

 重量      18 kg(本体のみ 総重量は約50kg)

 発射速度 6000発 /分

 使用弾丸 7・62×51mm NATO弾


 某ゾンビサバイバルゲームのボーナス武器だ。

 ボーナス武器だけあって、装弾数は無限。

 現実にはあり得ないけど……イイじゃん、某ゲームでもそうなんだから!


 え、ここはリアルなんだろ、って?

 ……じゃあ古代文明の超科学力の産物だから、というコトで宜しく。

 というコトで俺はミニガンを手に入れた。


 一方モカはというと。


   カールグスタフ(84mm無反動砲)

 全長    1130 mm

 重量    16・1 kg

 使用砲弾 ADⅯ401フレシェット弾(有効射程 100m)

 装弾数  無限


 某ゲームで無限ロケットランチャーと呼ばれる武器を手に入れた。


 うん、これもお約束の武器だな。

 無限ロケットランチャーと無限マシンガン系武器。

 この2つで散々苦労した敵をなぎ倒す快感が忘れられなくてプログラムした。

 装弾数無限なんて現実じゃありえないけど……(以下略)


 おっと、そんなコト、モカが知ってるワケないよな。

 ってコトで、モカにカールグスタフのコトを説明すると。


「じゃあ上の廊下に戻るぞ」


 俺はモカと共に壁に扉が並ぶ廊下へと引き換えした。

 そして壁に並ぶ扉の1つの前に立ち。


「いいかモカ。俺が扉を開けたら、カールグスタフをぶっ放すんだ」

「任しとき!」


 モカがカールグスタフを構えると同時に。


 バン!


 扉を一気に開けた。


 扉の先は奥行50メートル近い、石造りの部屋。

 壁には囚人を拘束する為の鉄の枷が並んでいる。

 という不気味な部屋で蠢いているのは。


「刀?」


 モカが呟いたように刀……じゃなくて太刀魚の魚人ゾンビ。

 でもモカが行ったコトは半分正解。

 太刀魚の名前通り、体は刀そのもの。

 その刀の攻撃力を持つ体で切り付けてくる厄介なゾンビだ。


 しかも太刀魚の魚人ゾンビの数は100。

 つまり100の斬撃が襲い掛かってくるワケだ。

 100匹のリビングソードと戦ってる状態ともいえる。

 その太刀魚の魚人ゾンビの群れに向けて。


 ドッカァン!


 俺が言っておいた通り、モカがカールグスタフをぶっ放した。


 カールグスタフが某ゲームの無限ロケットランチャーだったとしたら。

 大爆発を起こすものの、数匹を倒しただけで終わっただろう。


 でも、このカールグスタフの使用砲弾はADⅯ401フレシェット弾。

 1100発の鉄の矢を発射する広範囲攻撃砲弾だ。

 有効射程は100メートルしかないが、今の状況では十分有効。

 というか、狭い空間に撃ち込まれた1100の鉄の矢は。


 ズガガガガガガガガガガガガガガガ!


 殆どの太刀魚ゾンビに命中して床に叩き落した。

 中には頭を撃ち抜かれて倒せたモノもいるが、その数は30ほど。

 残り70匹は、直ぐに体を再生して襲い掛かってくる。

 だろうけど、その前に。


 ブォォォォォォォォォォォォォォォ!


 俺はミニガンで太刀魚ゾンビを薙ぎ払った。

 別に頭を狙う必要はない。

 6000発/分もの速度でばら撒かれた弾が勝手に頭を撃ち抜いてくれる。

 遥かに多くの弾が太刀魚ゾンビの体に命中してるけど。


 というコトで、あっという間に太刀魚ゾンビを全滅させたトコで。


「さ、アレが目的のモノだ」


 俺は部屋の1番奥にある棚に置かれた宝箱を指さした。

 その中身は。


「やったで! 『神威魔防力強化』ゲットや!」


 モカが叫んだように『神威魔防力強化』のスクロールだ。

 そしてモカを共に『神威魔防力強化』を取得すると次の扉の前に立つが


「いつでもエエで」


 カールグスタフを構えるモカを、俺は止める。


「いや、倒す前に、今手に入れた『神威魔防力強化』をレベルアップさせる」

「ほえ? どうやって?」

「今度の敵は魔法攻撃をしてくるんだ。それをワザと食らえばイイ」

「……ちょっとイヤやけど、しゃあないか。魔防力が爆上がりするんやさかい」


 モカは覚悟を決めた顔になると。


「ならコレは邪魔やな」


 カールグスタフをマジックバックに収納した。


「で、ウチからでエエの?」


 そう尋ねてくるモカに俺は頷く。


「ああ、モカが最初に『神威魔防力強化』をカンストさせるんだ。そして俺が『神威魔防力強化』をカンストさせたら合図するから、そしたらカールグスタフをぶっ放してくれ」

「了解や」


 モカはそう言うと。


 バン!


 扉を開いて、中に飛び込んだ。

 その直後。


「ロックにぃ~~、コレはないで……」


 モカは俺に、泣きそうな顔を向けてきた。

 その理由はきっと、敵が人魚のゾンビだからだろうな。


 人魚とは知っての通り、上半身が魚で上半身が人という姿。

 すなわち人間ゾンビの下半身に、腐った魚の尾がくっついてる。

 しかも人間部分の腐り方も絶妙。

 最高にグロい状態のゾンビ100匹が今回の敵だ。

 これが襲い掛かってきたらトラウマもんの光景だろうけど、幸いなコトに。


 ビシュ! バシュ! シュィン!


 人魚ゾンビは水の攻撃魔法を放ってくるのみ。

 その水の刃や槍、衝撃や圧力などにモカはひたすら耐えていたが。


「ロックにぃ。ウチ、カンストしたで!」


 そう叫ぶと、慌てて俺の後ろに隠れた。

 そこまでゾンビを嫌がらなくても、とも思うけど、今はそれどころじゃない。


 ビシュ! ビシュ! バシュ! バシュ!


 撃ち込まれる魔法攻撃を防御するコトに集中しないと。

 と、ガッチリ防御を固めて耐えるコト10分後。

 俺の『神威魔防力強化』はレベル99に達した。


 というコトで俺はモカに合図を送る。

 と同時にモカは。


「待っとたで!」


 そう叫ぶと、カールグスタフを発射。

 人魚ゾンビ100匹を穴だらけにした。

 そして生き残りは、俺がミニガンで掃射。

 こうして人魚ゾンビを全滅させるとモカは宝箱に駆け寄り。


「今度の中身は『神威魔力強化』のスクロールや!」


 嬉しそうな声を上げた。









2023 オオネ サクヤⒸ

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