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   第十話  冒険者登録しておくか?





 ダンジョンでレベルアップし、ステータスをカンストさせる。

 そんな生活を続け、俺は10歳になった。

 ちなみにこれが今のステータスだ。


 ロック(転生者) 経験値 1274

 職業    隠れ里の民

 年齢      10

 レベル     13

 スキルポイント 13

 Hp    1890(390+1500)

 ⅯP    1890(390+1500)

 力      1225(325+900)

 耐久力    1225(325+900)

 魔力     1225(325+900)

 魔耐力    1225(325+900)

 知性     1225(325+900)

 速さ     1225(325+900)

 運         5

 装備   ミスリルダガー(攻撃力600)

      レザーアーマー(防御力2お0)

 攻撃力 11450(1225+1225+9000『蹴撃強化Lv6』)

 防御力  2650(1225+1225+200『レザーアーマー』)

 魔法攻撃 2450(1225+1225)

 魔防力  2450(1225+1225)

 職業    里山の民

 所持スキル 鑑定 マジックバック

 HP強化Lv5(HP+1500)ⅯP強化Lv5(ⅯP+1500)

 力強化Lv3(力+900)耐久力強化Lv3(耐久力+900)

 魔力強化Lv3(魔力+900)魔防力強化Lv3(魔防力+900)

 知性強化Lv3(知性+900)速さ強化Lv3(速さ+900)

 斬撃強化L5(攻撃力+1500)

 拳撃強化Lv5(攻撃力+2500)蹴撃強化Lv6(攻撃力+9000)

 暗視 気配察知 空間把握 空間転移 空間機動

 気配遮断 無音 視認障害 急所探知


 攻撃力が飛び抜けて高いのは蹴撃強化Lv6のお陰だ。

 正拳突きの倍、蹴りの練習をやって手に入れた。


 俺はまだ10歳だけど、それでも最低限の準備は整った。

 これで『里山の民』強化イベントを始められるぞ。

 というのも1年前のコト。


「そういや父さん。ボク達が住んでる、ここってドコなの?」


 この俺の質問に、父さんがこう答えたからだ。


「ああ、ジパングの山奥さ。ここから1番近い、京の都まで徒歩で10日ってトコかな」


 俺の職業『里山の民』の強化イベントは沢山ある。

 その強化イベントが幾つもある場所。

 それがジパングだ。


「え!? ここってジパングだったの!?」


 目を丸くする俺に父さんがニカッと笑う。


「ああ。お前を育てるのはどんな場所がいいかな、と考えた時『やっぱ日本らしい場所がいいな』って話になってな。だからここ=ジパングでお前を育てることにしたんだ。そして街中より自然が豊かな場所がいいな、ってコトで、この森の中に家を建てたんだ。お前がもう少し大きくなったら京の都に連れてってやろう。ファイナルクエストの面影を残しつつも、新しい街になってるから面白いぞ」


 この父さんの言葉に、俺は心の中でガッツポーズをとった

『里山の民』は最強の職業だが、そのままでは役に立たない。

 幾つもの隠しイベントをクリアして、初めてチート職業となる。

 その為に、訪れないといけない場所の1つがジパングだった。


 でもジパングに辿り着くにはレベル60の強さが必要となる。

 だからジパング攻略は諦めていた。

 別のイベントからクリアして、レベルを上げて挑もうと思ってた。


 でも、ここがジパングなら、そこまでレベルを上げる必要はない。

 最短距離で強くなれる!


 しかもジパングのイベントに必須のスキル。

 それが洞窟型ダンジョンで手に入れたシーフとアサシンのスキルだ。

 こんなラッキーな事があるだろうか。

 ひょっとしたら、この世界の神が応援してくれてるんだろうか。

 早く最強になれ、と。


 って、ソレは無いな。

 興奮し過ぎました、ゴメンナサイ。


 ……話を元に戻そう。

 だから俺は、この1年でレベルを13まで上げた。

 ステータスもカンストさせ、ステータス強化スキルをアップさせた。

 イベントをスタートさせるのに必要なスキルも手に入れた。

 これで準備は完了。

 だから。


「父さん。前に言ってた京の都に連れて行ってよ」


 俺は父さんに、そう頼むコトにした。


「いいぞ。ロックも10歳になった事だし、家族で京の都に言ってみるか」


 というコトで。

 俺は父さんと母さんと共に、京の都に向かうコトになったのだった。

『里山の民』強化イベント、【隠れ里】が発生するスタート地点に。






「へえ、ここが京の都かぁ」


 俺は京の都を見回す。

 うん、基本的な街並みは俺がプログラムした通り。

 つまり時代劇に出て来る京都の街並みだ。

 平安京とか平城京をモデルにしたから、都は正方形。

 その町を縦横に走る道が区分けしている。


 しかし転生者によるものだろう。

 現代日本の色々な料理の店が、幾つも並んでいた。

 そして、料理店よりもっと目立つのが。

 格闘技、剣術、魔法、シーフ、騎士、狩人など様々な職業の訓練場だ。


「あれはファイナルクエストにはなかったな」


 俺の呟きに父さんが笑う。


「転生者はこの世界に生まれた人間より早く強くなるし、知識も遥かに豊富なのは分かるよな? でも、どんなに優秀な冒険者も年老いていく。そして冒険者を引退した者の中には、自分の知識や技を誰かに受け継いでもらいたいと、訓練場を開設する者もいるってワケだ」


 この父さんの言葉を母さんが引き継ぐ。


「ロックが、この世界に生まれた人間だったらどうする? 転生者が訓練してくれるなら、訓練してもらいたいでしょ? そういった冒険者志望の若者は、冒険者ギルドに登録する前に、訓練場で鍛えてもらうのが普通なのよ。ま、前世の学校みたいなものね」


 なるほど。

 レベルアップしながら、手探りでスキルを取得するのも選択肢の1つだろう。

 でも効率よく強くなれるように指導してもらえるなら、それが1番だ。

 なにしろ、この世界はゲームじゃない。

 失敗は死に直結するリアルなんだから。

 と納得する俺の肩に、父さんがポンと手を置く。


「でもロックは既に冒険者としてやっていける強さを身に付けてるから、すぐにでも冒険者登録が可能だ。どうする、冒険者登録しておくか? まだ早いかもしれないが、冒険者カードを持ってると、何かと便利だぞ」


 真剣な顔で聞いてくる父さんに、俺は直ぐに頷き返す。


「うん、登録したい」

「よし、ならさっそく冒険者ギルドに向おう」


 父さんはそう言うと、大通りをズンズン歩いていく。


「うん、冒険者ギルドはファイナルクエストそのままみたいだね」


 俺は1キロ先に見えるギルドの建物を見て、そう呟く。

 3階建ての頑丈そうな建物で、1階は受付カウンター兼酒場。

 2階は会議室、各部署の部屋、職員の待機場所などで、3階がギルド長室。

 地下は訓練施設と倉庫で、裏手にはモンスターの素材などを管理する施設。

 俺がプログラムした通りみたいだ。

 

 そして父さんと母さんが、冒険者ギルドの入り口を潜ると。

 

 ザワッ!


 冒険者ギルド内が一瞬騒めき、そして次の瞬間。


 シィン。


 息をするのも苦しいほどの沈黙がギルドを支配した。

 父さんと母さんは、その静まり返った1階を、普通の顔で歩くと。


「息子の冒険者登録を頼む」

「お願いね」


 カウンター越しに、そう受付の女の人に告げた。

 この受付の人は、俺がプログラムしたNPCとは違うんだろうな。

 でもプログラムに負けないくらい綺麗な人だな。


 でも、なんか顔色が悪いような? 

 なんて思っていたら。


「ギルドマスターァァァァ!」


 顔色を変えて、階段を駆け上がったしまった。



  



2023 オオネ サクヤⒸ

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