迫真第三章 犬森ユウキの闘争
次の日、教室で犬森はヒナノを今村の魔の手から救うべく人目もはばからず行動を起こしていた。
犬森「おい、今村ぁ、おめぇヒナノに交際を強要してるだろぉ」
今村「なんでする必要があるんですか(困惑)」
犬森「黙れアスペ!!」
暴走した犬森は今村にとびかかった。そんな犬森を周りが止めようとするが…
ドスッッッ
犬森「ぐほ、クソッ、みぞおちかよ」
今村「は〜、つっかえ〜、で、こいつ誰?」
ヒナノ「この人一昨日からずっと私のこと舐め回すように見てくるの!やっちゃえ今村、神の鉄槌ボイスパーカッションよ!」
犬森「なんだフォ?なんだフォ?神の鉄槌でなんだフォ?ワイ何も悪いことしてないフォ!ワイは唯ヒナノが今村に交際を強要されてるって…」
ヒナノ「そんなことないけど…」
犬森「フォッ!?」
今村「俺達はちゃんと付き合ってるよ」
犬森「…フォーーーーーー」
犬森は膝から崩れ落ちた。
ザワザワ…ガラガラガラッ
先生Z「おーい席につけ、授業するゾ〜」
先生が教室に入ってきてざわついていた教室に静寂が訪れ何事もなかったのように授業が始まる。
犬森(どうすればいいんだフォ。どうすればヒナノと付き合えるんだフォ…)
犬森は授業には耳を傾けず思考を巡らせていた…。そして、
犬森「フォーーーーーーーーーー」
(思いついたンゴ。ヒナノをワイに惚れさせればええんや!幸いワイは今村より顔もいいし将来性もある。ワイの魅力でヒナノをメロメロにするフォーーーーーー、ニチャァ)
先生Z「うるさいゾ〜、ソコ」
犬森(でも明日が最終日だフォー。ワイの魅力を伝える為には…!!そうだ!ポエムをかいてヒナノに渡すナリフォー)
犬森は決意を抱いた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
犬森「フォゥ、コレでいいフォ、随分時間がかかってしまったから急がねばフォ。とりあえず教室に行ってみるンゴフォー」
途中から授業をサボりポエムを書いていた犬森は足早に教室に向かうが…
犬森「なんでだフォ?ヒナノがいないフォ!!というか誰もいないフォ!」
?「君、こんなところでどうしたんだい?」
話しかけてきたのは恐らく警備員のおじさんだ。
犬森「どうしたもこうしたもないフォ!ワイのヒナノがいないんだフォ」
おじさん「ヒナノ?誰でもいいけどここにいるのは君と僕だけだねぇ」
犬森「フォッ!?」
おじさん「そりゃそうだよ。もう夜の9時だよ」
犬森「フォッ?」
窓の外はもう暗い。犬森はポエムひとつ書くのにあまりに多くの時間をかけすぎたのだ。
おじさん「だから、そのヒナノって人はもういないと思うよ」
犬森「で、でもおかしいンゴフォ。ワイがポエムを渡すんだからヒナノがいて当たり前だフォ!」
おじさん「?」
犬森「だ、か、ら、ワイがヒナノにポエムを渡したいと思ってるんだからヒナノはここにいるべきだフォ!」
おじさん「ちょっと何言ってるかわから「もういいンゴフォ(憤怒)」」
犬森は呆気に取られているおじさんを置き去りにして走り出した。
犬森(まったくなんなんだフォ。何もかもうまくいかないンゴフォ。こうなったら家に凸るしかないンゴフォ。幸いまだ匂いが残っているからソレを辿っていくフォーーーー)
しかし…
犬森(だめだフォ。流石に時間が経ち過ぎているンゴフォ…)
こうして家凸を断念した犬森。残された時間は明日の午前中だけとなったのである。
フォーーーーーーーーーーーー