2話
恐怖による支配を行うギャング。
平和を守るために戦う管理局。
二つの組織が対峙した時、勝負を決める方法はただ一つ。
──『ラクロス』である。
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アミマルタウン最大規模のラクロススタジアム。そこではギャングと管理局、二つの組織が火花を散らしていた。
「待っていたぞ管理局!」
ギャングの一人、トリアルが不敵に笑う。
「ギャングども! お前たちの悪だくみもここまでだぜ!」
ギャングに対するは正義の守護者。ラクロス管理局のメンバーたち。
一人はうさぎの耳を持つ獣人の少女──モチ助。
そしてモチ助の後ろに佇む少女はナミリ。
彼女たちにはあと二人の仲間がいた。しかし二人はギャングたちの近くで命を失っている。
「くっ、よくもオレの仲間を殺りやがったなッ!!」
モチ助の叫びには仲間を失った悲しみが込められていた。瞳にはうっすらと涙を浮かべている。
「知ったことではないな」
それに対してトリアルの言葉は非情。まるでモチ助の仲間たちの死に無関係のようである。
「仇は討つぜ。必ずお前らをラクロス監獄にぶちこんでやる!」
「ふんっ。我々ギャングに逆らうとどうなるか、その身をもって知るがいい」
「……熱くなってるところ悪いけど。あの子たちの死因は、なんか天井から落ちたてきたことじゃないの?」
管理局メンバーのもう一人、ナミリが何かを訴える。だがその言葉はモチ助には届いていない。
「この街を支配するためには、貴様ら管理局が邪魔なのだ。ここで消えてもらうぞ」
「消えるのはお前たちだぜ、ギャングども!」
「「いざ、ラクロスバトルッ!!」」
勝者は栄光を掴み、敗者は消え去る。
ギャングと管理局、二つの組織による戦いが始まる。
■
~ ラクロスの解説 ~
ラクロスとは、足の代わりに網の付いた棒──『クロス』を使う、サッカーに近い競技である。
この世界においては娯楽や社交の場、戦争など幅広い場面でラクロスが行われる。
当然それらの用途によって、様々なルールが生み出された。
今回採用されたルールは『簡易ラクロス』。
『簡易ラクロス』 は四対四の少人数で行うラクロスである。
ちなみオフサイドなど、面倒なルールは排除されている。
しかし、その実態は魔法や特殊能力が飛び交う武力衝突である。
※作中ではこの『簡易ラクロス』がかなりの頻度で採用されます。
~ 解説終わり ~
■
「四人チームの試合。こっちは二人死体なんだけど……」
通用口からコートへの移動中にナミリが愚痴る。
「勝利条件は二点先取でかまわんな? くだらん戦いを長く続けるつもりはない」
「おう、問題ないぜ」
そんなナミリを無視して、ルールの細かい取り決めが進んでいた。
「……少しは聞きなさいよ」
「大丈夫だッ!! オレが三人分戦うぜ!」
「あなたのこと、信頼はしてるけど……」
ナミリが不安を抱える中、ラクロスによる戦いが始まる。
「面白かった!」
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「今後どうなるのっ……!」
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