『告白』
12月――、
二人の男子が、期待と不安を胸にこそこそと会話をしていた。
「俺はクリスマスに告るぞ!」
「俺もそうしようか」
「告るんなら、直接言うな」
「せめて電話で、自分の声で告るよな」
「そう……じゃな」
そして数日経ち――、
二人はクリスマスを迎えた。
「『ちょっと用事があるから、今から電話、大丈夫?』と」
メールを送っている様だ。
「『いいよ』よし!」
「プルルルル、プルルルル、ガチャ」
「もしもし?」
「もしもし」
「用事っていうのは……ゴクリ」
「?」
「ずっと、好きでした!」
「! ……」
「……?」
「……」
「(文脈、めちゃくちゃだったかー?)あの? へ、返事は?」
「……ゴメン。友達としか思っていないから……」
「! 分かった。聞いてくれて、ありがとう」
「ブツン、ツー、ツー、ツー」
「……ふー」
夜空を見上げた。
(フラれたけど、人生で初めて告白したぞー!)
彼は、結果はともかく、自分の気持ちを伝えられたコトに、感激していたらしい。
しかし――、
「おはよう」
「! お、おはよう……」
フラれた相手が、同じクラスに居たため、重苦しい気持ちを数カ月味わうことになる。
「どうだった?」
「OKだったぜ! そっちは?」
「フラれた」
「そうか……」
「電話で、自分の声で告白できたのが満足だな。今気まずいけど……。そっちは学校のどっかで直接言えたんか?」
「ハハッそれが……」
「?」
「ビビッてメールにした」
「!?(このヤロウ!!)」
告白は、直接や電話じゃなくても成功するコトも多い。
ただしイケメンに限る。