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短編集  作者: 時田総司(いぶさん)


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17/20

『衣食住?』

平穏な日――。日差しは少しだけ西に傾きかけている頃、俺達は会話を交わしていた。


「『衣食住』ってさ」


「?」


「何か順番、ちょっとおかしくね?」


「ヒトが生活する上で必要なモンだったっけ?」


「そうそう、『衣』とか言っても、昔はろくな服なんて無かったのに、それでも生きてこれた」


「確かに」


「次の『食』は要るな、確実にこれは保留」


「そうか、食べないと生きていけないもんな」


「最後の『住』これは、寝床かな」


「あー、寝ないと生きてけないわー」


「……あ、生きていく上で最も大事な順番にしたら、『住、食、衣』じゃね?」


「何で? 真っ先に食べなくてもいいの?」


「腹壊してたら最悪、寝て直すしかないだろ?」


「あー、なるほどね」


「だから、生きていく上で最も大事な順番にしたら、『住、食、衣』だ! でも何で衣食住とかいう言葉を使うんだ?」


「何でだろーね」




「……」


「……」




「あ、もしかして……」


「?」


「人と親しくなっていく中で、得られる情報の順番になってね?」


「あ……」


「まず出会う。衣類を見る。仲良くなったら食事をして、相手の好みを知る」


「おお!」


「最後にもっと親密になって、住居に行く。そしてその人の生活を知る」


「おお! それだ。天才!」


「ははっ、今日は冴えてるかもな」




家に帰ってその持論を親父に話してみた。


「衣食住ってあるじゃん。あれ、生きていく上で最も大事な順番にしたら、『住、食、衣』だと思うんだけど。――」


友人に話したことをそのまま、親父に話してみた。すると親父はこう返してきた。


「それは違うぞ」




「!?」




「まず衣服の衣、寒いじゃろ? 寒いと『食』の食べ物を取りに行けれんじゃろ? 服を着る。次、あったかくなる。食べ物を取りに行く。最後の『住』寝る」


そう口にした親父は自室に帰っていった。






「ニートのことかよ!!!?」





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― 新着の感想 ―
[良い点] 話がわかりやすい。 [一言] そういう視点で衣食住を考えたこと無かったです。 順番かあ。目から鱗ッス!
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