表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
短編集  作者: 時田総司(いぶさん)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/20

『強さ』

公園――。二人の子供たちがキャッキャと追いかけっこをして遊んでいる。それを遠目に二人の夫婦が立ち尽くしていた。女性の方が口を開く。


「大人ってさぁ、弱い生き物なんだなって最近よく思うんだ」


「?」


「高校三年生まではぜんっぜん泣いたコトなんてなかったのに、その年の部活の引退試合で、ボロ泣きした。もう、二度と皆と一緒にプレイ出来ないのかってなると、涙が溢れだしてきて――、それからもっと歳をとると涙袋がもっともっと大きくなっていって――、涙腺が緩くなっていって――、泣き虫になっていって――」


「そうやって大人は弱くなっていくんだよ」


「! ――」




遠くでは子供たちが声を出してはしゃいでいた。


「まてー!」


「やー!」




「そして子供から教わっていく――。子供の強さを――、人の強さを――」


「そう……だね……」




遠くの子供の一人が、足を滑らせて転んだ。




「あっ!」


「おっ!」




女性が駆け寄った。


「ゆー君、大丈夫?」


ヒザこぞうから血が滲んでいた。


「あっ、血が……」


「大丈夫!」


再び子供は走り出した。


男性が近寄ってきた。そして口を開く。


「なっ、強いだろ?」


「……」



「こらー! まてー!」


目前では子供たちが追いかけっこをしている。




「……うん!」




女性は笑顔で答えた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ