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俺の家に狐が居候している  作者: 夘月
妖しき事件簿
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騒がしい日々は続く

「こいつはこっちか?」

「そうそう。そこに置いておいて」

「はいよ」


 日曜の夕方五時頃。本日はかねてよりの親睦会当日。幹事である俺と橋本は一足先に会場へと入り、セッティングを進めていた。

 他にも有志で何名かに協力してもらいながら準備を進めていく。


「ありがとうねー凛ちゃん。手伝ってもらって」

「お気になさらずに。私も桐華さんや祐真さんのお手伝いをしたいと思いましたから」

「ほんとーに良い奴だよなー凛は。一緒にいる架谷はさぞ幸せものだろうよー」

「おいそこー。口動かす前に手ぇ動かせー」

「なんか私には冷たい?!」

「どんまい明莉」

「何が違うってんだよ……」


 凛の他、橋本の友人の堂口と谷内も手伝いに。そして俺の友人である拓弥と虎太郎もいる。


「しっかし。大してそこまで作業があるわけじゃないからこんなに人数要らなかったんだけどな」

「何を言うんだよ架谷! 人でなんて多い方が多いに決まってるだろうが! なぁ奥村!」

「そうだよ! それにお前、いくら幹事だからって言って、抜け駆けは許さんからな!」

「……お前ら、船頭多くして船山に登るって言葉知ってるか?」


 後半について聞かれると作業どころでも無くなりそうなんで、人が多い云々についてのみを聞く。

 本来の意味とは違ってしまうが、あまり人がいても仕事が捗りにくくなることには変わらない。



 しばらく作業していて五時半を過ぎている。早いやつならそろそろやってくる時間だろう。


「私達、外に出て案内してくるね」

「集金と整理は任せるわ」


「はいはーい。いってらー」

「任せとけー」



 会場内から架谷と橋本が出ていったところで、残った五人で会話していた。拓弥の一言から始まり、話題は架谷について。


「女子の方に聞きたいことがあるんすけど」

「どうかしましたか」

「何だ?」

「何でしょうか」

「最近何やかんやと何かにつけては架谷の奴と関わること多いじゃないですか。その辺聞きたいんですよ」


 架谷の友人組としては、彼の動向が気になっている。自分らの知らないところでフラグがたとうとしていたんだから。


「なんか私には冷たい。この前相談乗ってくれたのに……」

「それは相談する相手を間違えてたから」

「一体架谷の奴に何を相談してたんすか……」

「大したもんでもねぇよ」

「明莉さん。恋人が欲しいと、最初は祐真さんのとこに駆け込んだようで……」

「とうとう凛にまで裏切られたー‼」



「確かに相手が悪いな」

「あいつもまだ恋愛経験なんてないっての。いくらこの短期間で女子の友人出来たって言ってもな」

「だけどだけど! 対応が辛辣なんだよー! 面倒くさそうに話聞くし、いざ告ってみたら『もうちょい考えて物を言え』ってバッサリ切られたし! なんなんだよ」

「あの時は……言うタイミングもあったのでは……」

「強引すぎるから架谷も困る」

「ぐぬぬ……」


 そしたら今度。堂口は今週あった話を持ち出してくる。


「今の神奈には言われたくないからな。この前なんて図書室で仕事してる架谷に何やら詰め寄っていたでは無いかー」

「!?」

「あ、あれは別に……大したことじゃない……から……」

「何があったんだ。この短期間で祐真の奴に?!」

「ある意味異常だ……」

「でも一番気になるのは」

「やっぱりねぇ……」

「あぁ……」

「……」


「え?わ、私ですか?」


 四人の視線の向く先は、揃って凛の方に。



「なんたったねぇー。同居してるんだからねー」

「祐真の奴と一番近くにいるからなー」

「ちょうどいい機会だ。この際じっくりたっぷり聞こうじゃねぇか」

「あわわ……」

「逃がさねぇぞー今日はー」




「あのー、架谷に案内されたんすけど、俺らどうしたら……」

「よーっす!」


 五人で話しているところに津川らの男子グループが入店。


「あ、はい! では先に支払いの方からお願いします」

「それが終わったら案内しますんで!」

「さぁさこっちへ!」


 流石にクラスメイトが入ってきたともなれば、おちおちと話をしている余裕も無くなる。橋本らが出る前に打ち合わせをした通りに分担して作業にあたる。




「今日はお疲れ様」

「どうも」


 六時から始まった親睦会も、二時間ほどで終了。ゲーム大会や、ノリで出てきた男子が一発芸を披露したりと、大盛況であった。


 食事中に俺と凛のことについて聞かれた時は流石に焦った。最初はいつものメンツだけだったのに、どういう訳かクラスメイトのほとんどが集まってきたんだもの。

 何も話さないというのは今後の反感を買いかねない。なのでやばい領域に踏み込まない程度には話すことに。もちろんその辺は凛とこっそり相談しながら。


「私は楽しかったかな。色々やって、こうして楽しいことが出来たんだから」

「そりゃあ良かったな。てかいいのか? 堂口らに二次会誘われてるじゃなかったのか?」

「そろそろ行くつもり。良かったら架谷くんもどう?」

「行かねぇよ。カラオケ女子会なんだろうが。男の俺が行った所で気まずいわ」

「ごめんごめん」


 女子会云々以前に疲れてるんだ。今日はとっとと帰らせてくれ。が本望。



「それじゃあ私はそろそろ行くね。改めまして、今日はお疲れ様でした」

「あぁ。気ぃつけてな」


 そのまま解散。凛は先の話の二次会に参加するとの事なんで、帰り道は俺一人か。


 帰り道で思うことがあった。

 親睦会はこれで終了。元々それ関連で橋本と話すことになったのだ。明日からは少しでも落ち着いた日になると思っていたところに。



 LINEの着信が入る。


【橋本桐華】お疲れ様でした

【橋本桐華】明日からも沢山お話ししようね!


「……」


 その一言の下には、猫のキャラが敬礼してるスタンプが。



「これは……穏やかに済みそうにはないな……」



 そして今思い出したが、拓弥が言っていた。なんでも俺の事探してるっていう二年の女子が居るとかって話で。

 ちょっと一人になって考えてみたが、なんとなーく思い出してきた……ような……



 まさかとは思うが……夢咲さん?

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