表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の家に狐が居候している  作者: 夘月
妖しき事件簿
29/154

突然の申し出

「ということでだ。二人の意見を聞きたいと思っている」

「私の?」

「そうだ」

「……私も?」

「おぉそうだ」


 翌日の放課後。凛のアドバイスを聞いてか、堂口はまた別の人物に話を聞こうということになり、そのお相手はと言うと――――


「でも……明莉ちゃんの参考になるかなー……」

「うん。同感」



 橋本と谷内であった。この二人はクラス内でも男子からの評価は高く、注目するやつも多い。

 ならば以前、中学時代とかにでも恋愛経験とかあるんだろうと言う堂口の考えによりだ。


 まぁそう思うのは個人の勝手だから別にいいんだが……



「なんで俺まで同席しなきゃならないんだ?」

「そりゃーお前。最初に私の話を聞いてくれたんだからさー。そのへんは責任持ってってやつで……」

「それとこれとは話が別だと思うぞー」


 俺は強制参加させられてしまったわけだ。もちろん昨日の放課後、一緒に食堂にて話を聞いていた凛も同席することに。


 黒羽はというと、堂口に関わるよりも前に逃げていった。俺もそうしたいところだ。



「あとは任せるとして。俺は帰る」

「頼むから一緒にいてくれー!」

「ここは言わば乙女の園。しかもこれから話すことがことだ。男である俺がいるのは由々しき事態であると判断し、俺は帰る」

「んなもん私は気にしないからさー! 頼むよー」

「俺は気になるんだよ……」



 根拠もない堂口の頼みだが、向こうが一切引下がる様子をみせそうには無い。ブレザーの袖を掴んだまま離してくれそうにはないので、もう今逃げるのは諦めることにしよう。


 ということでしゃあなしで席につき、隙を見て逃げる作戦に変更……と思ったが、隣に鎮座している堂口は変わらず袖を掴んだままだった。


 本人はさり気なーい感じでやっているんだろうが、悪いがバレバレだからな。しかしこれでは逃げられんな。


 無理に振り払う訳にも行かんし、そうしたらしたでまた喚くのではないかと思う。少しでも堂口には大人しくしてもらいたいので、俺もそうすることにしようか。



「しかし急な相談だねぇー。彼氏欲しいだなんて」

「そりゃあうら若き乙女なら誰もがそう思うだろうよー」


「でもなんで最初に相談した相手が男の架谷くんだったの?」

「橋本。それは俺も堂口の奴に聞きてぇ事だ」

「そ、そうなんだ……」


 さすがの橋本もたじろぐ始末であった。



「でもってまずは桐華から聞きたい!どうなんだ!」

「まぁー……確かに誰か男の子に告白された経験とかは何度かはあるけれど……」

「あるのか?! それで今は誰かと付き合っていたりはするのか?」


 五人で囲んだ机にグイッと体を乗り上げていく堂口。せめて座ったまま話くらい聴けんのか。



「ううん。付き合いとかって感じじゃなくて、お友達からーみたいなのが多くてね。でも中学の時点で関係切れちゃったのがほとんどだったから、その時に自然と解消されちゃったね」

「おいおい……」

「光ヶ峰に入ってからは、そういうのは無いかな」

「んじゃあ……神奈の場合はどうなんだ?」

「私は……」


 自分の顎に人差し指を当てながら、昔のことについて思い出していた。そしてしばらくして谷内からの返答がくる。


「中学の時、何度か告白されたことはあったし、一回だけ付き合ってた男子も……いた事にはいた」

「マジか! あでも過去形ってことは……」

「振った」



 聞こえてくる言葉は淡々としているが、顔を見ると少しばかりか嫌そうな顔をしていた。


「第一印象とかですぐさま断ったのもある。少しだけ付き合ってた人も、付き合って直ぐに女たらしだってわかったから振った」

「お、おう……」

「ほうほう……」



 二人の話を聞いて、堂口は自分なりに考えをまとめているようだ。しばらくしてから机を軽くトンっと叩いてから言った。


「さてと。貴重な話を聞かせてくれてありがとう。そして私は二人に謝らなければならない」

「何がだ」

「明莉さんが謝ることは何も無いと思いますが……」


 堂口が謝らなければならない理由。それは――――


「スマンがなんせ……私の参考にならない!」

「……いやいやどういうこった」

「この二人の場合、いつの間にか男の方から寄ってくるようなんもんだから、私の今回の悩みを解決する上でどう捉えたらいいのかがわからねぇぇー!!」

「「……」」

「「……」」



 無言ではあったが、それを聞いていた俺と凛も。それに当てはまる橋本と谷内も。同じ顔をしていたに違いない。


 今回ばかりは彼女に同意したい。確かにこの二人はルックスいいし、性格もいい。第一印象で選ぶとしたら、まず不快に思う男子などいないであろう。


 故に注目が集まる。意図せずとも、自然に男子から声をかけられるような機会は多くなるということだ。



「さてと……ならどうしたらいいものか……」

「部活動の見学とかは? 運動部のマネージャーとか。文化部でも場所によっては。ってのもあるから」

「確かにマネージャーとかなら、男子と関わる機会は多そうだな」



 真っ先に思うところはそこだろう。男子の運動部に女子のマネージャーが来るともなれば、異性の関わりというのは発生するだろう。



「あー私もう部活入ってんだ。陸上部」

「そっかー。転部とか掛け持ちってわけにも行かないしね」


「でも陸上部だったらまだ可能性ありそう」

「確かにそうですね…。男女合わさってますから……」

「いやいやー。ほっとんどねぇーぞ。練習中以外で男子と話す機会なんざ」



 橋本の案は却下となった。既にこうでは仕方の無いことか。



「親睦会の時に色々とやってみるとかは?」

「それもあるかー! 当日のイベントなんかも、今考えてるところだから」

「それはそれで難しそうだなー。クラスには私のことがしれてるわけだし」

「なんの為の親睦会だ……それにこれから知るようなこともあるだろ」



「よし。ならばこうだ」



 堂口は威勢よく立ち上がると、何故だか俺の方をみている。




「私と付き合ってみないか架谷」

「……?」



 ナニヲイイダスンダコノヒト?

ド直球。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ