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俺の家に狐が居候している  作者: 夘月
妖しき事件簿
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相談というより愚痴。

「なぁー架谷。相談があるんだが」

「……なんの風の吹き回しだ」


 放課後になり、久々に図書室でまったりとした時間を一人過ごそうと思っていたのに、教室を出ようとした時にブレザーの裾を掴まれ、誰かに止められた。



 女子の声だったから、拓弥か虎太郎ではないというのは確定。なる誰だと思ってふりかえってみれば、若干背伸びしている堂口がいた。



「いいじゃねーかよー。たまにはこうして女友達の話を聞いてくれてもさー」

「あんたと仲良くなった覚えはないんだがなー」

「友達の友達とかだったらもうすでに友達だろう!頼むから話くらい聞いてくれよー」

「……」



 これはてこを使っても動かないと言うやつか。ちょっとやそっとじゃあこいつは引き下がらないか。

 仕方ない。



「わかったわかった。ひとまず話くらいは聞いてやるから離せ」

「ホントか!」

「その後の対応については、話の中身次第だ」

「おっしゃー!」



 全くこいつという奴は。




「それでなんだ」


 場所を食堂に変えて、隅の方のテーブルに向かい合わせで座った。堂口は自販機で買ってきたパックのコーヒー牛乳をストローで飲みながら、相談に当たった経緯を話した。



「さてと架谷。何かと世話になってきたんでな。信頼を持ってちょいと頼みたいことがある」

「そんな世話した覚えもされた覚えもないが……なんだって言うんだ?」



 コーヒー牛乳を一口飲んでから、堂口は俺にこう言った。




「彼氏が欲しい」

「……はい?」

「確かに言っただろ。彼氏が欲しいと」

「……」



 ひとまず相談内容がシンプルなことだけはわかった。質問返してもいいか。


 どうしろと?



 大変申し訳ございませんが、当窓口では、そのような質問へのご対応はしておりません。ということで。




「そうかい。それじゃあ」

「待ってくれー頼むからもうちょい話聞いてくれよー!」



 リュック背負って立ち去ろうとしたんだが、それはさせまいと堂口に止められた。



「いや十分だわ。相談する相手をもうちょい考えてこい。少なくとも俺は適任ではない」

「その結果がお前なんだよー!頼むからよー」

「……」



 これ以上ピーチク喚かれても面倒だな……。変な視線も集ましそうだし。全く好きでもないインコの世話でもしてるような気分だ。




「ひとまず落ち着け。なんで相談相手が俺なんだ」

「女子に話すのが何か辛いから!」

「尚更わけわからん」

「良いじゃないかよー」

「普通そういうことは女子に相談するのがセオリーってもんだ」



 女子の恋愛事情なんだから、同じ女子に聞いてこい。俺は男だ。ましてや同性愛者じゃねぇんだぞおい。



「そういうことを気楽に話せるクラスの男子ってのがお前なんだよー」

「よくわからん理屈だ」

「いいじゃねぇかよー。それにお前今は色々と美味しい思いしてるんじゃねぇのかぁー?」

「そんなもんでもないだろ」




 確かに今。関わりのある女子こそ増えてはいるが、堂口の言う恋愛対象とはまた違うと俺は思っている。


 まずは凜。結構話してる機会が多いって言うのと、何より同居しているって広まったもんだからあれだけど、大衆の認識は遠い親戚というところに何とか収まっている。その事情が持ち込まれることはない。


 橋本は橋本でそれなりに話しかけては来るが、その関係はあくまでも親睦会が終わるまでのこと。終わったら終わったで、会話の機会は自然と減っていくことだろう。


 堂口や谷内は、凛や橋本と仲がいいと言うのもあって、話す機会はそれなりにある。がしかし、そういうのとはまた違う。


 でもって最近となると黒羽になる。どういうわけだか気が合うらしいんだ。それをつい最近知ったよ。でもやっぱり恋愛が絡むことはない。



 あれだと思う。友達以上恋人未満ってやつ。いや違うか。

 友達。それ以上では無い。って感じ。



 さてどうしたものか。面倒だから適当にあしらってさっさとこの場を立ち去りたい。


 そんな時、救世主が現れる。



「祐真さーん」


 向こうの方から俺のことを呼ぶ声がした。あの声は間違いない。



「凛か。どうしたんだ」

「教室で京子ちゃんと話してました」

「私は帰りながらでいいと言ったんですが、ゆっくり話したいからというので」


「それで、祐真さんは明莉さんと何を話していたんですか?」


「あぁーなんでもねぇよ。ちょーっとこいつと適当にだべってただけだからさー。そんな大した内容じゃないって」

「堂口の奴が彼氏欲しいと喚いてる」

「架谷ぁぁぁぁー!?」



 その後ポカポカ叩かれたが、ひ弱なもんなのでほとんどダメージなし。

 その後観念して、凛と黒羽の二人にも話すのだった。



「まぁ聞いてみるが、あんたらだとどうなんだ?」

「彼氏ですか……あまり出会いというのがありませんでしたので……」

「そもそも興味が無いです」

「……」



 言葉に出さずに忠告しておくとな。堂口。この二人に聞くことはおすすめしない。聞けるのは人間の恋愛事情じゃないからな。



「そっかー。難しいもんだわー」

「すみません。力になれなくて」

「いいっていいって。架谷よかまともに受け答えしてくれっからさか」

「まず俺に聞くのが間違ってるからな」



 そうだよ。最初から変なプライド張らずに女子に聞いた方が早いんだっての。



「でしたら……そのあたり詳しそうな人に聞いたらどうですか?」

「詳しそうな奴?」

「はい」

関わるのが面倒。

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