光合成とスマートフォン
俺は『光合成マスター』として歩み出そうとしていた。
『光合成』は、光がなければ何もできない。
本当に草だ艸だ。
草に身を包み俺は目覚める。
苦痛に顔を歪めながらも俺は起き上がる。
さすがに2晩草原にいるのは疲れる。
いい加減ベッドとか欲しいところだな……。
「スマートフォンは……」
充電されてる!?
そうか! 空腹だったのは、光合成でためていたエネルギーをスマートフォンに送っていた、のか……!?
いつも通りに電源を入れる。
すると、複雑な古代文字をズラ――と浮かべた透明な円環が中空に表れて明暗を繰り返す。それはまるで鼓動のようで──……。
「なんでこんなに大がかりなんだよ……」
そして、同時に現れたのはロック解除の画面。
透明なガラス板の下の液晶画面に、ズラリと並べた文字列は俺のパスワード。
お、開いたぞ! そして、マップを開く。
なるほど!こっちの方向か。
どういう仕組みでgpsが働いているのかワケわかんないが、多分これがご都合主義というものだ。
さて、街に向かうか。
再度街の方向を確かめ、向かう。
街まで10km。
あと5km……。
方向はあっている。しかし街は一向に見えてこない。
「この世界には草しかないのか……」
そう思うばかりだ。
歩き出してからどのくらいの時間がたっただろうか。
小高い岡の上にでた。
見渡すと、草だけでなく、森も見える。
「あの中にモンスターが……!」
そう思うも、草しか見れてない世界に期待もなにもないが。
そして、俺の正面にはなんと、街が見える!
街は本当にあったんだ!
(「街に向かって!」)
そして、再びあの声が聞こえてきた、ような気がした。
向かうあてもないしな。
そうして俺は街に向かう。
街には門のようなものがあり、人が並んでいる。
この世界に来て最初の出会いか。どうせだし、話しかけてみるか。
そうそう! 言語がわからなかったらいけないし、翻訳機能つかいますか!
「すみません!」
「何?」
フードを被っているからわからなかったが、女の子のようだ。
「みんな、なにしに来ているんですか?」
「コロッセオ」
参考文献
LA軍, 勇者に妻を寝取られたドラゴン召喚士〜元最強は復讐を誓う~, 2019