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100万円

「な…」

私は驚きのあまり言葉を失う。あんな可愛い顔して騙して脅すなんて。

あの子、幽霊じゃなくて悪魔か。


「福丸、まさかその写真とメモ、買う気じゃないよね。」

福丸はもう散々落ち込んで考えた後なのだ。

開き直ったように言う。


「買うしかないよ。親父、警察官だし。」


「100万円なんて払えるわけないじゃない。払う必要もない。訴えられてもすぐ無実ってわかるわよ。」


「ストーカーで訴えられたら、事実だろうが捏造だろうが町中に噂が伝わっておしまいだよ。」


情報網を自慢していたみやこさんと母親の顔が浮かぶ。


「華、そこでさ、親に内緒で100万円用意するとしたら、どんな方法があるかな。」


「おじさんとみやこさんに話して美々の両親に話してもらえばいいじゃない。」


「親父とおふくろが僕の話を信用しなかったらどうするんだ。写真だけじゃなくてメモだってあるんだぞ。」


ミミは我関せずといったようにあくびをしている。


「ワンピースが似合う、くらいのメモでしょ。大丈夫よ。」

そんなメモがストーカーの証拠になると思えない。


「そんなのは序の口メモだよ。」


「他に一体何書いたのよ。」


「思いの丈を、何枚も。」


私は大きくため息をつく。



「だからさ、100万円用意するしかないんだよ。

とは言っても重罪じゃない方法がいいんだけど。なんか思いつかない?」


そんな方法ないに決まっている。

でも福丸がストーカーで訴えられたら、おじさんはどうするだろう。

町中に噂が広まったらきっと、どこか離れた町に引っ越すのではないか。それは嫌だ。


「どこかで借りられないかな。」

無理を承知で言ってみる。

「高校生だぞ、無理だろ。」


「借りれなかったら、盗むしかないわよ。」

これも無理なのはわかっている。


「誰かのお金盗ったら重罪すぎるだろ。」


「じゃあやっぱり無理よ。」

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