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『武士』

『武士』

水の音がする…。

その恐怖の音…。武は赤い光の中で目を覚ました。

ここにきてどのくらい立ったのだろう?口の中が血だらけで…頭がくらくらしてなにも分からない。

ここ何日、武の世界はコンクリートの世界…。天井に吊るされた腕が千切れそうに痛い。もう全てが痛くてしょうがない…。足の切り傷からも血が流れ出て行く。

一人の男が黒い鞭を持って部屋に入ってきた。

「いつまでも武士を出さない気か?武?」とカイキは彼にそう聞いた。

「武士なんて知らないって言っているだろ?」と武は怒鳴った。

「まだ分からないの?君の中にいる。もう一人の君をだしてくれってたのんでいるんだよ」と男は武の髪を掴んで言った。ずっとこの男は武士を出せと言っては鞭で武を叩きまくった。こいつは頭がおかしいんじゃねぇか?と思いながら武は彼を睨みつけ、彼に顔にもう血とあまり変わらなくなった唾を吐いた。彼の顔に血が噴きかかる。

彼は怒り、武の顔を思いっきり蹴りあげた。歯が2〜3本と治療した歯が折れたのを感じながら武はその歯を彼に向かって吐きだした。

彼がくそっ!!と言ってナイフを出したのを見て武は目をつぶった。

もう終わりだと思ったからだ。考えればつまらない人生だったな。と彼は思いながら死を覚悟した。

しかし、帰ってきたのは痛みではなく聞きなれた声だった。

「おい!!生きているか?待たせた」という早奈の声だった。

目を開くと早奈の顔がそこにあった。

さっきまで彼を殴っていた男は樹希翔のそばで気を失っていた。

名刀が武を見ながら呟いた。

「お前は本当に良く歯を折るな」

「あらま、見ないうちに男らしい顔になったね」と海聖が笑った。

「おい!!バカな話ししてないでこれ外すのを手伝え!!」と弥譜音の声が頭上から聞こえた。「はいはい」と名刀は武の後ろ側へと廻る。

「ちょっと痛いが我慢しろよ」と名刀の声が頭上から聞こえた。

次の瞬間、両手首に痛みが走った。「つぅ…」と武は叫び声をあげるのを我慢すると重たかった両手の枷が外されたようだ。突然、腕が楽になった。

がたんと体から力が全て抜け膝から床に落ちる。

そんな武に名刀は来ていた上着をかけると身長170cmの19歳の大学生をで名刀は軽々と持ち上げた。そして「もう大丈夫だ」と言った。

「良く頑張ったな」と俊が武の頭を撫でた。

真良輝が腕を組みながら名刀に言った。

「早くしろ!!敵が来る」

「早く行きましょう!敵が気付いたみたいです」と楓が叫ぶ。

「俺が足止めしてきますしょうか?」と紅黎の声が響いた。

「いや、面倒は避けよう。」と弥譜音がそう言っているのを聞きながら、武は名刀の腕の中で睡魔に襲われ目を閉じた。


目の前に灰色の天井が見えた

目を覚ました武は体を起こした。体のほうは不思議ともう動けそうだ。

武は立ち上がった。まだ、頭が少しクラクラしたが立っていられないほどではない。

廊下の壁に手をつきながら進むと廊下の向こうから弥譜音がやってきた。

彼に気づいた弥譜音は微笑んだ。

「体はもう良いのか?」

「ああ」と武は短い返事を彼に返した。

「助けにいくのが遅れてごめんよ」と弥譜音は彼に謝った。「俺も名刀も早奈も怪我をしてね、3日ほど寝込んでいたから君を助けに行くのがおくれてしまったんだよ」と弥譜音は心底申し訳そうな顔をした。

「いえ、いつか助けに来てくれると信じていました」と武。

なぜ、信じていたのかは分からなかったが捕まっている間、いつか彼らが来てくれると思っていた。いつの間にか武は身も心もこの組織の一員になっていた。

弥譜音はその言葉に心底驚いた顔をしたが、やがて笑って言った。

「いつの間にか成長したみたいだな、海聖(かざと)の診断だと君の怪我は全治1週間。海聖が公欠をだしてくれたから、学校の方は気にしなくて良いよ」と彼は武の頭を撫でた。

その手の感触に武は頭を抱えそうになった。この優しい手の感触も知っていた。しかし、思い出せない…。いや、彼の過去の記憶はある理由である人物によって抹消されているので武がどんなに考えても思い出せるはずはなかった。そのことを武はまだ知らなかった。「おっ!!武!目ぇ覚めたのか?」と早奈が廊下の先から武を見つけて駆けつけてきた。

「大丈夫か?」と早奈は武の表情に疑問を感じ彼の顔を覗きこんだ。

「あっ!ああ。大丈夫だ」と武は早奈に苦笑いを返す。

「そうか…?」と早奈はまだなにか引っかかっている顔で武をみる。

「本当に大丈夫だ。心配してくれてありがとう」と武は早奈の不安を消すように言った。

早奈はその言葉にいつも学校で見せてくれる明るい笑顔を武に返した。

「そういえば、早奈。おれあいつに武士を出せと言われたんだけど…」と武はずっと引っかかっていた事を早奈に聞いた。

「武士をだせ?武士って…戦国時代にでてくるあれか?」と早奈が眉をひそめ弥譜音を見た。

「カイキがそんなことを?」と弥譜音が考えこむ。

「なぁ?早奈。武士って誰のことなんだ?」と武は早奈に尋ねた。

「さぁ?誰って聞かれても私の知っている武士は戦国時代に刀を振りまわしているあの武士だけだぞ?」と早奈はそう苦笑いを溢した。

「そうか…」と武は腕を組んだ。

「武の聞き間違いじゃないの?」

「うん。かもしれない」と武は早奈にそう返すと笑った。

弥譜音だけが厳しい顔をして武を見ていた。



こんにちは!!

天海 聖哉です。

ここで第1章は終わりですよー。

書けば書くほど勉強しなきゃ!!と思ってしまいますよ。特に文章なんて、ひどいものですよね。こんなに苦労するなら文系に行けば良かったと思ったり…。いつもどうすれば人に伝わるのか必至に考えています。私は表現が少ないらしいので…これから少しずつ勉強していきます。


さてここからは第2章となります。

やっと、話が始まった!!って感じです。

さてさて、ここからどうなるやら…この頃、実習に追われて続きがなかなか書けていませんが継続は力なり!!始めたものは何が何でも書き終えなければ!!と思っています。徹夜しながら頑張ります!!


それでは!また第3章の始まりでお会いしましょう!!

第2章の始まりです。

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