のけもの日記
その日、1人の老婆がその寿命を全うした。
好きあった男と結婚し、子を成し、孫もいた。
そして配偶者を見取り、余生を楽しみ、子や孫に囲まれて息を引き取った。
ありふれているが十分に幸せな終わり
…な、筈だった。
人間は、今世でやり残したことがあると、それを覚えた状態で来世に生れ落ちるという。
彼の者がやり残したことは、少し遅かった「初恋」の告白。
記憶を持って新たに生を受けた彼の者の、その記憶は決して薄れることなく、
二度目の人生で彼の者は前世と同じ手に、同じようで少し違う恋に落ちるのだった。
好きあった男と結婚し、子を成し、孫もいた。
そして配偶者を見取り、余生を楽しみ、子や孫に囲まれて息を引き取った。
ありふれているが十分に幸せな終わり
…な、筈だった。
人間は、今世でやり残したことがあると、それを覚えた状態で来世に生れ落ちるという。
彼の者がやり残したことは、少し遅かった「初恋」の告白。
記憶を持って新たに生を受けた彼の者の、その記憶は決して薄れることなく、
二度目の人生で彼の者は前世と同じ手に、同じようで少し違う恋に落ちるのだった。