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『藍鼠の鮮やかな大空に』
18/06/01にAmebaに掲載したものを抜粋。
「偽りの晴天」
昨日の天気予報で
〝明日は雨が降るでしょう〟
なんてね 言ってたんだ
でも 翌朝
起きてみれば
聞こえてくるはずの
雨音が聞こえない
そっと 窓を開けて 空を仰いだ
こんなに天は晴れて
〝なんだ御天道様は泣かないじゃないか〟
分かってたんだ
実は
これが
偽りの大空だと
さらりとした
風が
僕の髪を弄ぶ
ただ僕は ぼうっと
空を見上げてた
太陽の無い晴天
雲は流れて
ただ一面青色
分かっているんだ
本当は
この空が偽物だと
それは、己が心の魅せる幻影。




