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天破戒  作者: 森岡慎二
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天の戒めを破る者。

 

  秋の夜空はまさに奇跡である。星達が広い宇宙の空で、個々に美しい光を放つ様はどこか地球とは遠いような印象を持たせる。昔のバンドに「写真には写らない美しさ」などというフレーズがあったが、この景色は見事にその通りである。 そして、澄み渡るような秋の空気や匂いなどが、さらに夜空の美しさにスパイスを加えている。秋など季節には関係ないが、空というものには色々な表情がある。にっこりと笑った”晴れ”や、不安の色をした”曇り”。哀愁漂う”雨”に、怒りを見せる”雷雨”といったように空には人間に通ずるものがある。ならば、”恋”の天気は何なのだろうか?


これは、青春の物語。天気の物語であり、恋の物語である。





春。鳥が鳴いている。リュージは目覚ましが鳴る前に起き、事前にアラームを止めておき、そして二度寝に入る。いつもなら、だが。

小学生という大人のオの字も知らないような歳から、大人にだんだんと移り変わる日がやってきた。中学校の入学式である。いつもなら二度寝に入るリュージも今日ばかりは緊張で目が早く覚めてしまった。

二階の自室から転がるように階段を降りると、リビングの冷蔵庫から牛乳を取り出し飲んだ。そして、日課である朝の散歩にいつもより少し早く着替えて出ることにした。

玄関のドアを開けると、春の朝の静けさとスッキリとした空気が脳内にズルズルと流れ込んでくる。明るい春の音楽が耳の中で響いている。綺麗な朝を一人で堪能できる幸せを噛みしめながら歩いていると、公園に差し掛かった。

公園の中で休憩をしようとベンチに腰掛けた時、まさに目が奪われた。

中学生の女の子だった。透き通るような肌に、艶々の黒髪。若さがわかる健康的な体に整った顔立ちが、リュージの本能に訴えかけてきた。


一目惚れをしたのである。


これがリュージと、とある女の初めての出会いである。ここからの天気の行く先は二人が行く未来で変わっていくのであった。






 


 

 

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