最初の面接グレイプさんと魔法の仕組み。
「はい、それでは面接を始めます。」
僕とリシアは今一人ひとりと面接をしている。
リシア妖精のままじゃ対面が悪い事もあると、元の姿に眼鏡とスーツで髪をまとめているOLルックだ。胸元と黒タイツの足がエロい。
ゴホンゴホンっそれはさておき、集まったのは15人。待っていたのが僕らと知り帰ったのが5人。残った人達はなかなか個性的だ。
髭を生やしたいかにも戦士な男性や、割れた眼鏡をかけた男性、元は綺麗なドレスをだったであろう女性と付き従っている執事のような男性。気の弱そうな男性と隣にいる気の強そうな女性は夫婦だろうか。そして、少女が3人。
最後に、他の9人が眩むくらいにボロボロな姿の男性。衣服は擦り切れ、茶色と赤と黒でまだらに染まり、髪も髭もボサボサで、見た目は間違うことなく浮浪者。だが、濁った瞳に隠れた強い光が気になる。
広場の一角でキキョウに机と椅子を用意してもらい
話を聞いていく。
まずはいかにも戦士な男性。
「城の偉い方だったらすまねぇが、ある程度の口の悪さは許して貰いたい。悪意があってするんじゃなく、出来ないという事を理解してくれるとありがたい。」
「わかりました。僕自身が役職に命じられているというわけではないので、口調については気にせずに話してください。」
「そうかい。ありがたい。俺はグレイプ。昔はさる国の部隊にいた。その国が先の大戦で滅んで、各地を放浪した。それから冒険者をして稼いでいたんだが、ある時仲間が俺の力足らずで死んじまったんだ。」
「・・・続けて下さい。」
「いろいろと嫌になっちまってよ。この国に流れついて、まだ規模が小さかったスラムにいついて腐ってたんだが・・・この間のゴブリンとの戦闘で久しぶりに剣を持ち、人の為に戦ってよ。それで気付いたんだ。俺は強い力があるわけでもない。それに魔法も使えない。でも、剣を持ち、人の為に戦うってのが俺のしたい生き方だって。俺が持っているのは、兵士、冒険者としての経験と、この強い思い。」
「あとは・・・そうだな、それなりに顔も広いんだ。腐っちまった後も気を使って顔を出してくれた奴もいるしよ。それに昔っから大抵の奴とはすぐ仲良くなっちまうってのも特技だな!ははは!!」
買いな人材だな。
相手の立場を考えた話が出来ている。話し方は粗いけど貴族を相手にするわけでもないから平気だし
何より、大抵の奴と仲良くなる能力と冒険者と兵士としての経験があって最低限身を守れる。今欲しいものを備えている。
「また冒険者をする事に抵抗はありませんか?」
「へ、あぁ無いけどよ。てっきり兵士の募集にでも紹介してくれるのかと思ったんだが・・・・」
「もし、これから頼む事が合ってなかったら兵士になれるように筋立てます。ですが、グレイプさんを見込んで頼みがあります。」
「頼みって・・・なんだい?」
「まず冒険者に戻ってもらい依頼を受けてもらいたいんです。出来れば、普段見ないような変わった依頼を。勿論、依頼中に危険があれば逃げてもらって構いません。というか、僕がしてもらいたいのは情報収集です。死なずに戻ってくる事が最優先です。」
「密偵・・・みたいなもんか?」
「そうですね。そう考えて貰って構いません。そして、何か違和感を感じたら教えて欲しいんです。」
「違和感つったって、なぁ。強大な魔物が出そうな違和感とかか?冒険者が依頼から一人も戻ってこないとかか?」
「そうです。それらの情報を報告して下さい。」
「うーん・・・1つ教えてほしんだがよ。それは人の為になるのかい?」
「なります。詳しくはお話出来ませんが、絶対にこの国の、いやこの世界の為になります。」
「そうか、ならいいんだが・・・この話を受けたとして、俺にはあまり旨みが無いように感じるんだが?冒険者をして、情報を報告するだけじゃないか。給料でも出るのか?」
「他の方には給料にする予定でしたが、冒険者をしてもらうんであれば、そのほうが稼げるのでこちらで用意するのは、当面の住居、装備、支度金です。元手がなく簡単な依頼をして貰うよりもちゃんとした装備で結果を出して貰いたいからでもあります。」
「それは有り難いんだが・・・もし成果をあげたら、騎士、、、いや、兵士として働かせて貰えないか?」
「・・・わかりました。」
「もし、相応の結果を出せば、騎士として取り計らおう。そして、功績によっては部隊を任せることも約束しよう。だが、並大抵の事では慣れないことは肝に銘じておけよ。」
キキョウがグレイプさんに告げる。
「お姉さんはこの国の姫さんに似ているなぁ。」
バレた?!
「姫さんに似ているあんたに言われると、本当になれるきがするよ!よし、決めた!その話を受けよう!」
よし!
「宜しくお願いします。では、今日は以上で後日使いを出すので、連絡がつく住所を教えて下さい。あと、荷物はまとめて動けるようにしておいて下さい。」
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「キキョウさっき、妖精の幻惑解いていたの?」
「いえ、解いていなかった。それでも彼は私の存在を認識しようとしていた。鉄血、彼は拾いものよ!魔法が使えないって言ってたけど、それで生きてこられた理由が分かった!魔法認識能力があるの!うまく行けば、魔王の情報本当に集めてくれるかも!」
「魔法認識能力?魔法を認識出来てるってこと?」
「魔法の見方が分かっているって事かしら。魔法は生まれや才能による所が大きいんだけどね、彼は魔法が使えないにも関わらず、魔法の見方。例えば・・・・」
ボッ
キキョウは小さな炎を手に生み出す。
「この炎は火の力があるんだけど、均一じゃないの。先端が一番熱いのよ。」
理科の授業で習ったな。
「例えばもっと強い力にするときは自分の魔力だけでなく、世界から力を吸収するの。」
魔力は例えるならガスだとして、世界からの力は空気中の酸素を取り込んでって事か?
って・・・酸素取り込んで?もしかして火の魔術を使うには、魔力があるだけではなく、風か何かを起こして酸素を供給させて持続させる必要があるのかな。
「世界からの力を取り込むってどういうふうに?」
「なに?興味あるの?いいよっ!教えてあげる。」
リシアの時とのこの愛らしさの違い。キキョウは素直可愛い。
外見で性格が変わるってこういう事か?
「いい?こう・・・周囲の力を巻き込んで、炎に混ぜるように・・・ほら、出来た!!」
うん、あんまり意味が分からなかったけど可愛いからいっか!
ニコってしてるし!素直可愛い!
「ありがとう、参考になったよ!」
「そう?なら良かった!」
こうして僕は割りと重要そうな事をキキョウの素直可愛さで流してしまった。




