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そういえば

評価ありがとうございます。

とっっても嬉しいです♪

投稿遅くなってすいません。

どうぞ、読んでやってください♪


6月月19日修正しました




「おーい!おねえ!

 草いっぱい取ってきたぞー!」


そう言って、その草を掲げながら向こうの方から歩いてくるりょうを見て凜香りかは、


「おー!さんきゅー!

 こっちは食料調達してきたよー!」


重そうに運んでいた盥をその場に降ろして手を降る


「おっ!マジー?にゃににゃに〜?」


涼は、興味深そうに言うと、盥を覗き込み


「ほえー!魚か〜・・・」


その茶色の瞳を細めて少しテンションの落ちた声で言う


「大丈夫だよー。

 魚苦手でも獲りたては美味しいからね。」


その様子を見て苦笑しながら涼を安心させようとする


「そういうもんか?」


まだ、怪訝そうに言う涼に凛香は、


「おう!そういうもんさ!」


胸を張ってトンッと胸に拳を当て威勢よく言う


「そっかwそんならいいけど。

 てか、どうやって料理すんだ?

 にゃんも道具なくね?」


不思議そうに聞く涼に凛香は、


「じゃっじゃじゃーん!

 手作りナイフ〜!」


効果音をつけ、先程作ったナイフを取り出しドラ○モン口調で言う


「うおーっ!にゃんじゃそりゃー!

 かっけーっ!!!!」


涼が興奮して飛び跳ねて全身で喜びを表現すると物欲しそうな目でこちらを見てくる


「んー?欲しい?」


凛香が首を傾げてそう聞くと


「おう!くれ!」


涼はすぐさま手を出してそう答える


「んー・・・危にゃいからダメ〜。」


凛香は、そんな涼を見て少し考えるもやっぱり首を横に振る


「え〜!にゃんでだよ~!

 ちょっとぐらいいいじゃねーかー!」


そう、眉根を寄せて不満そうに言う涼に


「えー!でも、振り回して遊びそうじゃない?

 だからダメ〜!」


と、のんびりした口調で、しかし、明確に断る


「えー、じゃあせめて

 ちょっとだけでも触らせろよー!」


涼は出したままの手をさらに前に出し催促する


「ったく、しょうがにゃいなー!

 ほら、ちょっとだけだよー!」


そう言うと、凛香は、左手を腰に当てて右手でナイフを渡す。

勿論、その時ナイフの刃の部分を持って涼に柄の部分を向ける事を忘れない。


「さっすがおねえ!分かってる〜!」


涼は、調子良く持ち上げながら、すぐにナイフをパッと凛香の手から取り、触ったり眺めたりして、


「すげーなー!」


興奮気味にそう呟く


「へっへーん!いいでしょー!

 使ってるとこみせたげようか?」


「お!頼む〜!」


涼は、凛香が無い胸を張って言うのを見てナイフを凛香に返してせがむ


「よっしゃー!じゃあ魚さばくぞー!」


そう言うと、すっと何の気構えも無くすっと魚に手を伸ばし慣れた手つきで頭の後ろにナイフを入れてから、鱗を取る。


そして、肛門から切っ先を入れてアゴの下まで切り、手でエラと内臓を取り出す。水をかけながら腹の中を洗い背骨に残った血を取り除く。そして、エラのあった部分から削った木の枝でできた串を刺し涼に渡す。


「へー!そんな風にしてやるのか〜!

 なんかすげーなー!おねえ!」


「ふっふっふー!すごいだろー!

 ほら、それちょっと持ってて。」


凛香は、ニコニコと笑って言うと、さらに他の魚も同じように処理していく。そして、暫く作っていくと全てを作り、涼に渡し終え、

「涼、ちょっと待っててね。

 今、火起こすから。」


そう言うと、どこからか乾いた木の板と棒を取り出し板を地面に置き、木の棒を力を入れてくるくると回す。


「ん、大丈夫か?おねえ。」


涼は、そんな凛香を見て、

力が余り無い凛香を心配して聞く。


「ん、だいじょぶ!

 これ、コツが分からないと難しいしね。」


凛香は、そう言いながら、木の棒を回し続けている。


すると、おっ!という声を上げ


「火ついたよー!」


涼にそう言いながら周りに先程拾った薪を集め火を移す。


「よしよし、いい感じになった・・・っと!」


凛香は、薪に燃え移りメラメラと


燃え上がる火を、暫し見つめると涼の方へ向き直る。


「うっほー!すげーじゃん!」


「涼、その魚、周りに刺して。」


興奮している涼を尻目に冷静に指示する。


「おう!オッケー!」


涼も軽く了承し、言われた通りにぐさぐさと火の周りの地面に串を刺す。


「よしよし!じゃー焼けるまで見ててくれる?」


凛香は、満足そうに魚と火を見つめると、涼にそう告げてまた、盥を持って森の中へ入って行こうとする。


「ん?何しに行くん?

 もう結構暗いんやぞ。」


涼は、凛香引き止め、怪訝そうな、心配そうな声と顔で言う。


「あ〜。水汲みに行くのよ。

 これじゃあ、飲めないからさ。」


「んー、一人で大丈夫か?

 てか、俺が代わりに行こうか?

 それ、重いだろ。」


涼は、そう言うと、ヒョイッと盥を持ち上げ・・・ようとして、それ程軽く持ち上げられない事に気づきチッと舌打ちする


「あ〜。そう言えば俺今(おんにゃ)の子なんだっけか。」


涼が、はぁと、ため息をついて言うと


「あ〜。そうだったねー。

 ごめんねー。すぐに男の子に戻してあげるから。

 もうちょっと我慢してね。」


凛香が少々申し訳無さそうな顔で言う


「それは、いいんだけどよー。

 にゃんでおねえが謝ってんだよ。

 おねえのせいじゃにゃいだろー。

 それに、どうやって戻すんだよ。」


涼が、呆れたような声で言うと、


「まー、それもそうって言えばそうなんだけど・・・

 私の方が『神』と付き合い長いわけだし・・・

 止められなかったから・・・さ。

 まぁ、戻すのは多分大丈夫だと思うよ。

 『神』がこんな事するって事は、

 この世界ににゃんかあるんだろうからさ。

 それさえ、にゃんとかすれば戻してくれるよ。

 男にも、元の年齢にも、・・・元の世界にも。」


凛香は、最後の言葉だけ、他とは少し違ったニュアンスで言う。


「そっか・・・にゃら、いいんだ。

 そんじゃあ、一緒に運ぼうぜ!

 その方が効率良さそうだしな。」


涼は、これ以上暗くならないようにと、努めて明るく、ピッと親指を立てて笑顔で言う。


「・・・うん!そうだね!

 じゃー、片側よろしくっ!」


その、健気な姿に凛香も感動して、自分も明るく元気な声で笑って言う


「おうっ!まかせとけっ!」


涼は元気よく頷き盥の片側を持ち上げ、凛香と一緒に持ち上げる。


そして、二人で仲良く下手な鼻歌を歌いながら森へと入って行った。





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