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町を探して

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


結論から言おう


何もない


厳密にいえばあったことはあった

だが、使える物は何もなかった


「・・・マジですか・・・・

 あるのは、今着てるこの服と

 あの時のかにゃだらい(金盥)だけ。

 こんにゃんでどうすりゃいいって言うんだよ・・・」


言いながら、涼は自分が着ているロリータ風の白と水色のワンピースの胸元を軽くつまむ


「・・・・ホンットにゃんもにゃいね・・・」


同じくロリータ風の白と、こちらは少し薄い水色のワンピースを着た凛香が絶望したような顔で言う


「どうすりゃいいんだろ・・・」


涼も今度こそはガックリ落ち込んでいる


「・・・・えぇい!

 いつまでもショボショボすんな!

 にゃいものはにゃい!

 諦めて町に向かおうっ!」


ペチペチと自分の頬を叩きながら

自分自身に言い聞かせる様に言い、立ち上がる


「おねえ・・・・

 分かった!もう、あきらめようっ!

 そんでさっさと町に入ろうっ!」


涼が感慨深そうに言うと

サッと立ち上がり決意を新たにする


「んじゃ、まあ行きますか!

 出発しんこー!」


「おー!」


✧✦✧✦✧✦✧✦✧✦


「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」


「・・・マジですかー」


はい、また問題発生でーす


異世界に来てからうまくいった事ってあったっけ?


今回の問題はね。

もう、分かってると思いますけどあれですよ。


全ッ然見つかりません!

町どころかヒトっ子一人見当たらないのですよ


はい。疲れすぎて口調(心の中)

がおかしくなっちゃってるみたいですね

ちなみに解説役の私は現在凛香の方ですよー

皆さん間違えないでくださいねー


ふふふふふふふ


いもしない人間に話しかけるとかどんだけ

心が参ってるんですか

酷いですね。


なんですか、神は私達に天罰でも下したいんでしょうか


「もういいや。

 暗くなってきたし今夜はここで野宿しよう。」


「・・・そうだね。けど、こんにゃとこで寝るの?

 布団も寝袋もない土と草と石ころの上で?」


涼がげんなりした顔で今自分達が座っている石ころだらけの地面を叩いて聞いてくる


「・・・・・・まあ、そうにゃるね。」


それを聞いて凛香も思い出したようで、顔を引きつらせながら答える


「俺もうやだわ。

 にゃんとかして帰れにゃいのかよ。」


「・・・まあ、無理だろうね。

 あいつが帰さにゃいって言ってるうちは

 何やったって帰してくれにゃいよ。」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


それを聞いた涼が絶句する


「・・・・それよりも、もっと明るいことを考えようよ!

 建設的で絶対役に立つこと!」


凛香が励ますように提案する


「・・・・にゃに?」


段々と口数が減ってきた涼が短く聞いてくる


「ここを寝やすいようにするの!

 石をどかして草をひいて・・・

 そうだ!たらいの中で寝ればいいんだ!

 せっかく体が小さくにゃったんだから

 有効活用しないとね!」


凛香も心中は穏やかではないだろうに目に見えて落ち込んでいる弟を励ますために、わざと明るい声を出して笑顔で言う


「・・・・うん。

 そうだにゃ!いつまでもクヨクヨしてたって

 何の意味もにゃいんだから、

 それくらいにゃら、

 よっぽど体動かしてた方がいいもんにゃ!」


涼もそれに気づいたのか、立ち上がり自分自身に喝を入れる


「おっしゃー!じゃあ、さっそく始めますか!」


「おー!」


「んじゃ、柔らかそうにゃ草いっぱい集めよー!」


「おけー!」


そう言って走って集めにいく涼を優しい眼差しで見つめ、


「さて、じゃあ私は、食料でも調達してくるか!」


そう言って、別の方向に歩いて行く凛香だった


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