状況確認中
「っ!にゃんにゃんだよ!
ふざけてんじゃねぇーぞ!コラー!」
「もう!一体どういうことよ!
出てきにゃさいよ!じしょー神っ!」
二人が落ちてきた見覚えのない草原で、空に向かって口々に叫んでいる
・・・だが、何かおかしい
「あれ?にゃんだこれ?
俺、こんにゃ喋り方してにゃいのに・・・」
「おかしいよ。
にゃんで『な』だけ『にゃ』ににゃるの?」
二人もそれに気づいたようで叫ぶのをやめ、二人で顔を見合わせる
そして・・・
「にゃっ!?
にゃんでおねえが小さくにゃってるんだ!?」
「あんたこそ!にゃんで小さくにゃってるの!?
それに・・・あんたおんにゃのこににゃってるわよ!?」
「「にゃ・・・
にゃんだとーーーーーーっっっ!!!!!?????」」
二人は幼い女の子の姿でお互いを指さしながら絶叫する
「っ!ぜぇぜぇはぁはぁ!
お、おかしいでしょっ!?
にゃにこの短い手っ!足っ!
意味わかんないんですけどっ!?」
その叫びに全ての空気を使い果たした凛香が荒い呼吸をして、自分の短い手を目の前に掲げて見ながら再び叫ぶ
「にゃ、にゃんで、
おんにゃのこに、にゃってるんだよ!?
俺は男だぞっ!ふざけんにゃっ!」
すっかり変わってしまった自分の顔を、同じく短い手でペタペタと触って確認しながら憤り叫ぶ
「「やだやだやだやだーーーっっっ!!!」」
二人はさらに声を張り上げ同時に叫ぶ
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「っ!フゥフゥフゥ・・・・・
と、とりあえず落ち着こう。
そんで、これまでのことを振り返ろう。」
しばらく叫んで暴れ回った後、凛香が胸に手を当てて息を整えながら提案する
「そ、そうしようぜ!
えっと、突然盥が頭の上に落ちてきて、
『暗闇』に連れてかれて、
『神』が現れて、穴に落とされて、
体が子供ににゃってて、
俺がおんにゃの子ににゃってて・・・」
そこまでを一息で言うと
「そんでここはどこだ?」
本来最初に気にするべきことを思い出し聞く・・・というよりも独り言のように呟く
「・・・・・どこ・・・にゃんだろね・・・・」
「・・・・神は、異世界って言ってたよにゃ・・・」
「そう・・・だね・・・」
「これからどうしようか・・・・」
「・・・・・・とりあえず町目指そうぜっ!
大体こういう時はそうするもんだと
相場が決まってるからにゃっ!」
暗い雰囲気になろうとしていた所を、涼が笑顔を作り肘を曲げグッと拳を握り明るく宣言する
「・・・うんっ!そうだね!そうしよ!」
その凛香を励まそうとして無理矢理作った笑顔を見て凛香は救われたような気持ちになった
「じゃあ、その前に持ち物検査しようか!
にゃんか役に立つ物があるかもしれないし、
こういう時は、大抵、
神様からのチートがあるものでしょっ!」
そうやって先程自分を救ってくれた
涼の真似をして笑いながら言う
涼はピッと敬礼の真似をしながら
子供らしい高く可愛らしい声で返事をする
「おうっ!了解っ!」