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魔法学校




 少し迷いながらも辿り着いた魔法学校は立派な建物だった。建物以外にも広い敷地でグラウンドもあり、そこで魔法の練習をするのかもしれない。


 同じ新入生らしき人達はほとんどが上等な服を着た裕福な子ども達だ。年齢も通常は十一歳で入学だから、まだ誕生日の来ていない私達とは六歳も離れてる。ちなみに地球とこの世界との暦の違いも正確には分からなかったから、私達の誕生日は二人でこの世界に来た日にする事にした。


 突き刺さる視線を潜り抜けて入学式が行われる講堂に向かう。ひそひそと交わされる会話を聞くに、五歳児の双子が飛び級で入学したのは既に多くの生徒に伝わっているらしい。


 涼と顔を見合わせて同時に肩をすくめる。こうしていると本当の双子みたいだ。大丈夫。私達はこんな逆境、何度も経験して乗り越えてきた。祖国、ディバインヘルツ王国にたどり着くまでは何があっても私が涼を守る。父さんが亡くなる前に頼まれたから。


 やがて入学式の開式が告げられ、すぐにざわめきは収まる。校長の短い挨拶の後、新入生の名前が呼ばれていく。返事をしたら校長の前まで行って学用品を貰うみたいだ。


「……リカ・アマミヤ……リョウ・アマミヤ……ルーシー……ロンリー……」


 次々と名前が呼ばれて受け取って、すぐに入学式は終わった。この後はクラスに別れて説明があるようで、渡された学用品の中にあった学生証には名前や住所の他にクラスも書いてあった。


「一緒だな!1-Aか。行こうぜ!」


「一緒で良かった。行こっか」


 教室に入ると私達を含めて10人分の机が用意されていた。新入生は約30人だったから三クラスあるんだろう。聞いていた通りの超少人数制だ。


 隣同士の席に座って、他の生徒が揃うと担任もやって来た。簡単なお祝いの言葉が贈られて、すぐに魔法学校の説明が始まる。


「知っての通りこの魔法学校には適性検査で魔力の多かった者が入学を許可された。魔力は親から子に引き継がれる性質があり、ここには兄弟姉妹で通う生徒も多くいる。兄弟で過ごすのも良いがせっかくなら他の生徒とも交流を持て。魔法は多くの者と切磋琢磨する事で磨かれる」


 先生に言われて私達に視線が注がれる。彼らの兄弟は学年が違うし、私達は双子だから目に見えて分かりやすい。


「明日からまずは魔法の使い方などの座学が始まる。それまでは魔法を使ったりしないように。今から配布物の確認を行う。石版、石筆、ローブ、杖が長短二本(追加の可能性あり)。全部あるか?」


 石版と石筆は初等学校でも使ってた筆記用具で、黒いローブと杖っていかにも魔法使いな感じだけど、何に使うんだろうか。涼はファンタジーゲームとかが好きだから目を輝かせて喜んでいる。


「明日からローブを着て来い。杖はしばらく使わない。筆記用具は毎日必ず持ってくるように。明日は午前中のみで給食はない。この朝教室に集まって点呼を取ってから合同授業になる。質問が無ければ終わりだ。また明日会おう」


 こうして説明会はすんなり終わった。説明会は……






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