表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
娘よ、大志を抱け  作者: 匿名社員
冒険その2
53/76

第7話 そろそろ本気出す

イェーイ久し振り!

話のクオリティは、8話9話と行くにつれて、段々と上がってると思うよ!

だから、許してくれると……嬉しいなぁ!


本当にすみませんでした!


『嘘だ!』


『おぉわっ⁉︎ なんだ⁉︎ どうした⁉︎』


『い、いや……何でもない。』


『あ、そう、ならいいや。』


目がさめると、隣にコウヤが寝て居た……嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ! なんでコウヤが隣の寝袋で寝てるの⁉︎ 絶対に何か秘密が有ると思ったのに何で⁉︎ なんで隣で普通に寝てるの? 絶対邪なこと考えてたでしょ! だってコウヤは男なんだよ⁉︎ どういう事⁉︎


『ふわぁ〜あ、よく寝た。』


の、呑気に欠伸までして……

いや、気にしちゃいけない……でも気になる……よし。


『……コウヤ。』


『ん? 何?』


ならば、コウヤに聞いてみよう。


『私に……何か隠し事してる?』


『い、いや、別に何もぉぉわぁ⁉︎』


コウヤが結界から弾き出された。

フフフ、この結界は嘘も許さないからね……ニヤリ。



『さぁ……キッチリ話してもらいましょうか?』


『あ、ハハハハハ……ハハ。』



━━━━━━━━━━━━━━━━━


『ふーん……異世界。』


『どうだ! 驚いただろ! 俺、異世界から来たんだぜ? 』


『はぁ……期待ハズレ。』


『……え?』


『異世界に魔法は無し……はぁ。』


魔力を吸収しやすい、特殊な技能か体質かと思ったけど、突然変異か何かなのかな……はぁ。

異世界に魔法は無し、それじゃあ魔法について分からないのも無理は無い……はぁ。


『そ、そんなに頭を抱えて、どうしたんでしょうか?』


『……別に。』


異世界の魔法、興味あったんだけどなぁ……はぁ。

仕方ない、本題に移ろう。


『コウヤは……私を犯さないの?』


この結界の中では、嘘はつけない。何故なら、弾き出されてしまうから。

さぁ、キリキリ吐いて貰おうか。


『お前……年幾つだよ。』


『……15歳。』


『俺は17歳だ。』


『それが……どうかしたの?』


『俺の居た世界では、15歳以下の娘と恋愛をすると、変態紳士ロリコンと言う、とても(ある意味で)栄誉ある称号を送られるのだ。だから、必然的にお前よりも年上が恋愛対象になる。だから、お前は俺の好みの範囲外だ! 俺は、年上のグラマーで妖艶なお姉さんが好きなんだ!』


瞬間、世界が凍りついた。


あ、ヤベ……といった表情で、青年はその場に凍りつく。

無理もない。目の前に、お前の事好きじゃないから! と、堂々と言われた少女が居るのである。

目の前で、好きでも無い奴に遠回しに嫌いと言われたのである。


『う……うぅっ……』


少女の瞳から、ポロポロと大粒の涙が零れだす。


『あ……いや、その……』


不安そうな顔の青年に向かい、少女は歓喜に満ちた声で、言い放つ。


『好みの範囲外で、ありがとう!』


『……へ?』


『ありがとう……お陰で、これからは夜に気を付けなくて済むわ。』


『へ? ……あ、いや、俺は強姦とかしないからね? 俺を何だと思ってるの?』


『男はね……みんな、発情期のゴブリンと同じなの。』


『カグネ……いいか? よく聞けよ。』


『……? 何?』


コウヤが、珍しく真剣な表情で語りかける。


『確かに、男は年中発情してるゴブリンと同じだ。だが、人間には理性がある。性欲を抑えているんだ。皆んなが皆んな、直ぐに強姦しようとするわけじゃ無いんだ。それに、女が男を犯す場合もあるんだ。』


『う、うん。』


『だから、男というだけで目の敵にする様な事はやめた方がいい。俺の世界の女は、皆んな男を誑かし、奪えるものを全て奪ったら逃げるような、ある意味で残虐さが男以上の生き物なんだ。』


『そ、そうなの⁉︎』


初めて知った。なにそれ怖い。異世界怖すぎる。生きていける気がしない。


『でも、俺は女だからって目の敵にする様な事はしない。何故なら、カグネみたいにいい奴も居るからだ。』


『……て、照れる。』


『俺はお前の事、裏切らないからな。』


『……嘘じゃ、ないよね……』


『あぁ……』


『……』


『でも、』


『……?』


『今嘘ついてなくても、いざという時に裏切るかもしれないからな。しっかりと対策練っとけよ?』


……よく言う。


『……フフッ、対策を練るまでもない……裏切れない様にすればいいだけ。それに、コウヤじゃ私には勝てないから。』


腕を組み、胸を張ってコウヤを見下す。


『ハンッ! 俺より背が低い癖に生意気だな。俺は直ぐにお前を抜いてやるよ。』


『フンッ……ほんの3センチぐらいしか違うのに、デカイ口を叩く。そんな事言える暇があるなら、さっさと筋トレした方がいいわよ?』


『……明日から本気出す。』


『フフフ、ゴメンね。今日は、言語を沢山教えてあげるから、ドンドン神経をすり減らしてね?』


『げ、げぇ……』


カグネは、初めて女性らしい笑顔で、そう言い放った。



━━━━━━━━━━━━━━━━━



『ほら、手と口両方動かして!』


『モゴォ! モゴォォォ!』


『口にパンを含んだまま喋らない! さっさと手を動かして字の練習をして! 詰まったら水で喉に流し込んで! 時間は有限よ! さっさとこっちの世界の言葉が話せるようにならないと、私に捨てられた後、生きていけないわよ!』


『モゴォォォォォォン!』


『ほら、さっさと水飲んで喉を通しなさい! え? 違う? なら泣かないの! 気合い入れなさい!』


コウヤの頬から、乾いた音が鳴る。


「殴ったね!」


「殴ってなぜ悪い! コウヤはいい、そうして喚いていれば、勉強の時間も終わるんだからな!」


「ぼ、ぼくはそんなに演技が下手ですか!」


再び、乾いた音がダンジョンの大広間に木霊する。


「2度もぶった! ゴブリンにすらぶたれたことないのに!」


「それが甘ったれなんだ! 殴られもせずに一人前になった奴がどこにいるものか!」


「も、もうやらないからな、もうこんな茶番なんてやらないからな! カグネが割と本気で殴るから、くちの中が鉄の味でいっぱいなんだぞ! 朝食と一緒にべんきょうとか、イかれてるとしかおもえないからな!」


『なんだ……喋れるじゃない。』


『いや……なんか、今はメッチャペラペラ話せた。うん、気合いで。』


『……でも、茶番だとかなり覚えられたじゃない。』


『それな……てか、痛いから治してくんない?』


『じゃあ、回復魔法の練習を……』


『あ、やっぱいいっすわ、自然治癒に任せます。』


『……そう。』


『いや、なんでそんな肩落として、メチャクチャ落ち込んでんの? 目とか光が消えてるけど大丈夫? ねぇ、大丈夫だよね? 俺、ちょっと心配になってきちゃったけど、本当に大丈夫?』


『……』


『返事がない、ただの屍のようだ。』


『……生きてる、元気。』


『……で、朝食も食べたし、勉強もしたし、今日は他に何やるんだ?』


『……模擬戦?』


『やっぱ、強くなるには実戦に近い形が一番なのか?』


『……そうね、お母さんと模擬戦した後に暗殺すると、実力の違いがよく分かる。』


『……で、カグネの母さん、何者?』


『……そういえば、何者?』


『年齢は分かるだろ?』


『……全然分からない。』


『ま、まぁそういう事もあるよな。

……じゃあ、何が分かるんだ?』


『オムライスが美味しい。すごく強い。武器とか防具を作ってくれた。耳掃除がすごく気持ちいい。あと……』


『あ、もういいっす。』


『……そう。』


『……で、なんて名前なんだ? 英雄だったりするかもしれないぞ? 』


『名、前……』


『ん? どうした?』


『お母さんの、名前……知らない。』


『……え?』


『私……お母さんの名前、知らない。』


『マジか……』


『……』


言葉が出ない。私のお母さんなのに、名前も年齢も、誕生日すら知らない。どう考えてもおかしい。だって、私はお母さんの娘なのに、名前すら知らないなんて、よく考えたら、おかしい。娘なら普通、そういう事を知っている筈なのに……本に出てくる人たちは、みんなそうだった。じゃあ、なんで私は気づかなかったの? なんで?なんで?


『もっしもーし。大丈夫ですかー?』


『ハッ⁉︎』


『おう、気が付いたか。』


ちょっと、トリップしてたみたい。


『カグネの母親がそれだけ強いなら、冒険者やってんじゃねぇの? 』


『……確かに、そうかもしれない。』


『ならさぁ、ギルドマスターみたいな、お偉いさんなら知ってるかもしれないぞ?』


『……確かに。』


『では、ここで問題です。』

人差し指を立てながら、コウヤは言った。


『ギルドマスターみたいなお偉いさんと話すには、どうすればいいでしょうか?』


『……注目される事をする。』


『正解正解大正解! では、ここでもう一つ問題です。どうやったら注目されるでしょうか?』


『一気に……Sランクまで昇級する。』


『ピンポンピンポン! という訳で、これからは迷宮で修行だ!』


『……そうだね。』


『修行するには、やっぱり健康体である事が必須事項だと思うからさぁ……コレ、治してくれない?』

そう言って、コウヤは自分の口元を指差す。


『……それとこれとは別。』


『チッ、ダメだったか……』


『その代わりに……』


『……ん?』


『生存方法を、教えてあげる。』


『いよっ! 流石カグネさん! それでこそ!』


『それじゃあ……』


『……え?』


コウヤの頬が薄く切れ、血が出る。


『逃げてね……もしも、走るのが遅くなったら攻撃が当たるから。勿論、息が長続きするように工夫しないと、直ぐにへばっちゃうからね? 足捌きも重心移動もしっかりしてよ? 後、何処を攻撃するかこっちの言葉で宣言するから、言語も学習しないと、本当に死んじゃうよ?』


『死にたくないっ!』


普通なら準備と休憩をする階層、ボス部屋の前で、血と汗と涙を流す修行と勉強をするという、普通ならあり得ないことを、二人は始めたのだった。


「腕を切るから……避けてね?」


『やべぇ何て言ってるか分かんねぇ!』


「大丈夫……切れたら血がドバドバ流れて、池が出来るだけだから。」


『不吉な予感!』



……なお、この命を賭けた実践練習ヒヤリングは数日間続き、コウヤは話す事は出来ないものの、聞き取りと逃走術を身に付けたのであった。


「次は、目を抉るからね?」


『抉るな! 捥ぐな! 切り落とすな! もう死にかけるのはウンザリだから!』




ここまでお読み頂きありがとうございました

誤字脱字指摘、アドバイス、評価感想等

お待ちしております。


明日も投稿するよ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ