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娘よ、大志を抱け  作者: 匿名社員
子育てをする
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第40話

これにて、間のお話は終了。

次回から

娘よ、大志を抱けが始まります。


ククク、今までの話はエピソード0だったのだよ。

早朝、山の下に2つの人影があった。

勿論、私達だ。



「先ずは、呼吸法から教える。」


「呼吸法?」


娘が質問をする。


「分かり辛いか……では、先ずは準備体操をしようか。」


「分かった。」


そう言って、準備体操をする。


〜〜〜


準備体操が終わり、娘に言う。


「準備体操をすると、身体が温まるだろう?」


「うん。」


「特定の呼吸をすると、常に身体を温めることが出来るんだ。」


「それが何かあるの?」


「身体が温まっていると、動きやすいんだ。

そして、この呼吸法をすると、息切れをしにくくなるんだ。」


「凄い!」


「最終的には、無意識下でやってもらう。」


別に、息を10分間吸い続けて、10分間吐き続けるなんてキツイことはしない。

矯正マスクもしない。

指を突っ込んで、肺の空気を1ccも残さず吐かせるなんて手荒な真似もしない。


「今日は、山を登る。」


「はい!」


登って降りてをひたすら繰り返す。

この修行では、高度順応をしない。

ただひたすら登って降りてを繰り返し、身体に呼吸法を叩き込む。


因みに、この呼吸法にはミトコンドリアの活性化と強化、効率化、増殖を誘発させる効果があるのである。


ミトコンドリアが強化されるので、常に身体が活性化しているというのである。

なので、自然治癒能力がグンと上がるのである。

しかも、若さを保てるのである。


デメリットとしては、沢山栄養を取らないとダメという事だ。


まぁ、他にも色々良し悪しがあるがカットで。


そして、この呼吸法をマスターすれば高山病にもならないし、ほんの少しの酸素で10分間息を止める事すら可能になるのである。


そして、この呼吸法の他にも色々な呼吸法があるのだが……全てにある奥義がある。

自分でやっときながら、これはヤバイと思った。


「はぁ、はぁ。」


「疲れたか?」


「まだ……大丈夫。」


足場の悪い山を延々と登っている。

既に高度3000メートルを超えたんだが、大丈夫だろうか。

魔法で娘の体調を確認する。


……おいおい、高山病になってんじゃねぇか。


「本当に大丈夫か?」


「だ、大丈……夫。」


本人が言ってるから、登るか。

出来れば止めてもらいたいが。


人間、死にかけると普段使わない所の脳が活性化する。

死にかければ、直ぐにでも呼吸法が出来るようになるだろう。

私の場合は直ぐに高度順応をしたせいで、この呼吸法には辿り着かなかったがな。


ま、この修行は比較的簡単な部類だからな。

なんたって、登って降りてを繰り返すだけだ。

登り降りを繰り返すだけで、呼吸法と体力をつける事が出来る。

そして、その活性化した身体と治癒能力によって、直ぐに身体の疲れと筋肉痛が癒される。

すごくお得な特訓だ。


ドサッ


「シュー、シュー。」


何かが倒れる音がし、後ろを振り返ると娘が倒れていた。

だが、呼吸法は出来ているようだ。


駆け寄り、状態の確認をする。


「ちょっと登りすぎたか。」


山を降り、家に帰る。


さぁ、この高度の変化に対応出来れば、呼吸法は会得したと言える。


だから……


「頑張れ。」


寝かせた娘に、そう応援する。

私は、死ぬギリギリまで手を出さない。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「今日は、武器を選んでもらう。」


「武器?」


「あぁ、今から武器庫へ行く。」


そう言って、娘と武器庫へ向かう。



武器と言えば、主人公はたいてい刀か剣である。


だが、ぶっちゃけ棍棒の方が楽だし、威力も高い。


槍の方がリーチが長いし、銃は引き金を引くだけである。


鞭は扱い辛いが、音速を超える。


スコップはとても便利だ。

釘抜きも結構便利だ。


土魔法が使えれば、即席で武器を作れる。


そう考えると、剣である事に意味は無い。


なので、


「さぁ、好きなのを選べ。」


「うわぁ。」


武器庫……それは、浪漫武器と、武器、それに本来武器として扱わないものを置いておいてある蔵だ。


「これ、どうやって扱うの?」


娘がトランプを持ってきた。


「こう扱う。」


トランプ……大抵の場合、切断目的で使うが、私の場合は違う。


トランプ全てに魔力を込め、宙に撒き散らす。


すると、


「うわぁ、キレイ。」


トランプの一つ一つが意味を持つ為、魔法陣を作ることが出来る。


まぁ、魔力糸で繋げていないと発動出来ないが、トリッキーな戦い方が出来る。


「好きなのを選べ。そして、自分なりに使い方を学べ。」


さて、私の娘は、何を選ぶのかな?


〜〜〜


「これがいい。」


そう言って、娘がある物を持ってきた。


ほぅ、いい眼を持ってるじゃないか。


「それの使い方を教えてやる。」


ククク、楽しみだなぁ。


〜〜〜


「これから、力について教える。」


「ん?」


力……そう、力である。

筋肉とかでは無い。

ベクトルだとかの方である。


「まぁ、見ていろ。」


そう言って川の真ん中、岩の上にいるカエルの前に立つ。


そして拳を振り上げ……


「……え?」


カエル目がけて振り下ろす。


メメタァ


一見、カエルは潰れるように見えたが、元気に生きている。

つまりどういう事かと言うと。


バゴン!


カエルの下にあった、岩だけを砕いたのである。


「どうやったの?」


「世の中には、鎧通しという技がある。その技は、鎧の外から鎧の中にいる人を攻撃できる技だ。」


「つまり……どういう事?」


「鎧通しの応用が肉体の内部破壊。

そして、その応用が力を操る事だ。」


「……凄い。」


驚きで、口が開きっぱなしになっている。


あぁ、本当にこの技を習得するのは大変だった。


ジョ○ョみたく波○が使えたら楽なんだろうが、使えないから一から試行錯誤を繰り返したのだ。

うん、余裕で200年はかかった。

だって、鎧通しが限界だったんだもん。

そこから力そのものを操るとか、マジでどこぞの学園の第1位目指してると言っても過言では無いからね。

まぁ、流石に反射とかは無理。

衝撃とかを完璧に受け流せるようになっただけだ。熱とか電気は無理。


「最終的に目指すのは、今みたいに力を操る事だ。目標としては、鎧通しだ。」


「……頑張ってみる。」


〜〜〜


「今日は、平衡感覚を鍛えてもらう。」


「はい。」


比較的小さな湖の上に舟を浮かべ、その舟の中で娘が返事をする。


……ん?

あぁ、私は水面に浮かんでますよ。

所謂、仙法って奴を使ってるけど。

生身で浮かぶには、裸足になって足を改造しないと無理だね。


「平衡感覚は、戦う上で重要だ。」


「なんで?」


「これは実際に体感した時によく分かる。」


「……分かった。」


拗ねちやって可愛いなぁ。


「では、舟の上で体勢を整えろ。」


湖上で大きく右足を高く上げ、湖の水面を思いきり踏み締める。


本来は、攻撃時の威力を上げるのに使うが、今回は違う。


「……⁉︎」


文字通り、湖の水面が震えるのだ。


いや、震えるというよりも荒波に近いが。


「体勢を整えろ!」


「くっ……分かった。」


ちょくちょく震脚を行うので、波は不規則に、かつ大きくなるので苦戦してるようだ。


「日暮れまでに合格と判断したら、今日の夕食は刺身だ。」


「っ⁉︎……頑張る!」


……誘拐とかされないだろうか。


〜〜〜


あれから、約7年の月日が流れた。

光陰矢の如しと言うが、とても濃密な7年だった。

例えるならば、こってり豚骨醤油ラーメンと精進料理ぐらい違う。

……いや、ヤマアラシとウーパールーパーぐらい違う。


うん、しっくりくる。


つまり何が言いたいかというと、死ぬ寸前ギリギリを7年間ほぼ毎日繰り返したという訳だ。


なので、娘が凄い勢いで強くなった。

……うん、ちょっとやり過ぎたかもしれない。


まぁ、いい。

弱くて後悔するよりかはマシだ。


さて、今日はカグネの15の誕生日だ。

私からのプレゼントは『冒険』だ。


この美しく、理不尽で残酷な世界を満喫してくれれば、私はそれで満足だ。


私は裏ボスらしく、裏方から優しく見守ってあげようか。

道を踏み外しそうなら、私が引き戻そう。

世界に絶望したなら、希望を見せてやろう。

現実から目を背けたら、私が見直させよう。


カグネはまだ、この世界で生きる意味を考えていない。


なら、私はこう言って送り出そう。


(カグネ)よ、大志を抱け!


ここまでお読み頂きありがとうございました

誤字脱字指摘、アドバイス、評価感想等

お待ちしております。


主人公がカグネに変更されます。


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