表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
娘よ、大志を抱け  作者: 匿名社員
子育てをする
41/76

後日談、新しい物語の始まり

ここから始まるコメディー

シリアスなんて知らないぜ☆

あの後、こっちでスマホを使えるようにして面白い動画を見たり、ネット小説を1日中漁ったりして過ごした。


笑って、忘れたかった。

笑って、前を向こうとした。


結果、結構回復した。

やっぱ、漫画を一気読みしたのが良かったのかな。


そして、今日も神様として、潜入捜査をしている。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


ここは冒険者ギルド

『ディベル王国オスカー支部』

街の名前がオスカーの為、オスカー支部と呼ばれている。


バタン


ギルドの扉が開き、今日も誰かが依頼を受けに入って来る。


「冒険者ギルド、ディベル王国オスカー支部へようこ……え?」


受付嬢が困惑の声を発すると、ギルド内に居た者達の視線が、バナナを前に出された猿の様に、一気にギルドの一点を向く。


男達の視線の先には、腰に刀を差し、背中に大太刀を背負った、黒で統一した巫女装束の女が居た。

長い髪はポニーテールの要領で留め、目は前髪で殆ど隠れ、無表情でいたが、それでも男達はその美貌に目を盗まれていた。


そして何より、覇気が違う。

何の変哲も無いただの歩き、それでも男達は格の違いを本能で感じ取った。


女はそのまま一言も話さず、ギルド長が居る2階へと向かっていった。


「な、なぁ、あの人って……」


「分からん……が、世界最強だろう。」


静まり返ったギルド内で、声が木霊す。


「グランドマスターという可能性もあるんじゃ。」


「確かにそうだな、見ただけで分かった……格が違う。」


「あの人綺麗だな。」


「美人だったな。」


「俺、告白しようかな。」


「止めとけ、身体と首が離婚しちまうぞ。」


「ははは、正妻として迎えられるなら、それでもいいぜ‼︎」


「「「はははははは‼︎」」」


男達は、アホだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


俺……いや、私はギルドマスターを統括する、グランドマスターとして、冒険者ギルドで働いている。


女として活動する理由は簡単だ。

グランドマスターが女で、尚且つ強かったら男が沢山登録しに来るだろうし、邪神として活動する時は男だからだ。


まぁ、全然オシャレなんて、してないんだけどな。


バタン


「冒険者ギルド、ディベル王国オスカー支部へようこ……え?」


おい、なぜそこで困惑の声を出す。

何か変な事したか?

いや、変な格好か?

いや、巫女装束は武器とか隠しやすいし、いい服だよ。

ゆったりとして身体が見えないから、動きを察知出来ないし、結構いい服なんだけど……。


って、おい、なぜ一言も話さない。

……居辛いな。

さっさと執務室に行くか。


視線を無視して階段を登り、ギルドの中へと入っていった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


コンコン


扉を叩き、部屋に居るかどうか、入っていいかを確認する。


「どうぞ。」


了承の言葉を聞いたので、ギルドマスターの執務室へ入る。


ガチャ


いかにも男らしい、簡素な部屋だ。

書類と武具以外、何もない。


「何の用……でございましょうか?」


少し間があったがどうしたんだ?

……まぁ、いいか。


「座って良いか?」


「ど、どうぞどうぞ。お茶淹れてきますね。」


なんて気が効くいい奴なんだ。

私、感激して泣きそう。


しばらくして、お茶が運ばれてきた。


コト


「お熱いので、お気を付け下さい。」


「ありがとう。」


そう言って、ニコリと笑う。


「……ッ⁉︎」


ズズズ、とは音を立てず、普通に飲む。


あー、いい具合に熱くて美味いな。


「ありがとう、美味しかったよ。」


「きょ、恐縮です。」


何が恐縮なのか分からんが、気にしなくていいか。


「そ、それで、一体何のようでこちらオスカー支部へ来たのでしょうか?」


ギルド長が聞いてくる。

お、そうだった。

言っておかないとダメだった。


「街の見回りと、生態系の調査だ。」


「そ、そうですか。ありがとうございます。」


「身体に気をつけろ。」


そう言って、ギルド長の居る執務室から出る。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


街をプラプラ周る。


「おー嬢ちゃん、ワイルドボアのタレ焼き食うか? 美味いぞ?」


人差し指を1本立てる。


「1つな、毎度。」


陽気なおっさんに金を払い、串に刺さった肉を食べ始める。


はむ


このタレのしょっぱさ、肉の持つ本来の味、外はカリッ、中はジューシー。

うん、美味く無い訳が無い。


簡単に1本食べ終わった。


さて、街をプラプラ散歩しますか。

よく晴れた日は、散歩か昼寝に限る。


〜〜〜


うん、孤児院が建ってるね。

よかったよかった。

奴隷になる子が減って良かったね。


一通り街を散策したので、外へ向かう。


まぁ、魔法ですぐなんだが。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


森に出た。

人も居ないので、やはり森の方が空気が美味い。さて、生態系の調査をしますか。


天眼通(てんげんつう)』を発動させ、この森一体を確認する。


天眼通(てんがんつう)は、過去視未来視が出来る千里眼を想像してくれればいい。


要するに、超ハイスペックな人工衛星みたいなもんだ。


天眼通を発動させ、確認する。


……ん?

山火事?


行ってみるか。


〜〜〜


うわ、これは酷い。


火事のあった場所へ行くと、沢山の人だった物が転がっていた。


……⁉︎


「エルフか……。」


エルフ

長寿で、魔法を使うのに長けた種族。

森の維持を神に任されている。

美男美女が多く、

髪の色は主に緑、金、銀色で

目の色は主に緑、碧色だ。


美男美女が多く、魔法を使うのに長けているので、奴隷として不正取引をされる事が多い。


エルフは森の奥に住んでいて、エルフの国は1つだけある。

50人程で暮らす者達も居るので、そこを狙って奴隷にされる。


「はぁ、やっぱり奴隷狩りか……。」


犯人達は過去視で視た。

さて、グランドマスターとして働きますか。


でも先に、墓を作らないとダメだな。

可哀想だ。


1人1人を村の広場に集める。


そして、木属性魔法を使い、1本の木にする。


死んだ者を木にするのが、エルフ流だ。

木葬と言う。


「さて、生き残りの1人はどこだ?」


すごく小さいが、遠くに気を感じる。なので、気がある方向へ走って向かう。


〜〜〜


あった。

そこはとても大きな洞窟だった。

洞窟の最奥地に祭壇があり、その上に赤子が乗せられていた。

赤子の目の色は黒。


……やはり、生贄にされたのか。


で、何の生贄だ?


あぁ、そういう事か。


「グルルルルルルルル。」


後ろに巨大な竜がいる。

高さが二階建ての家ぐらいで、長さが電車3両ぐらいだろうか。


鱗の色は黒で、目は赤く、ギラギラと光っている。口からは鋭利な歯が見え隠れしている。


竜は、最強と言われている生き物だ。

その自信からか、


「小娘、今なら我の奴隷にしてやる。ありがたく思え。」


ふふふ、ふざけた事を言うね。

久し振りに暴れたかったんだよ。


グチャァ


「誰が小娘だって? 俺、最高神で邪神だけど?」


「グギャアァァァァァァァ‼︎」


左眼が潰れた痛みからか、絶叫する。


「うっせぇ! ガキが起きるだろ‼︎」


ゴン‼︎


死なない程度に頭を上から殴りつける。


まぁ、防音の結界等を張ってるから起きないだろうけど。


「で、何だって? よく聞こえなかったから、さっきの言葉、もう一度聞かせてくれないかな?」


神力を解放し、邪神として活動する。


「わ、私は……」


何か言いたそうなので、天眼通を使い、過去視を行う。


……よし、大した情報も無い。

シリアス展開にならないようだ。

こいつは殺してオッケーだ。


「じゃあな、ゴミ屑。」


「し、死にたくな……⁉︎」


ザシュ‼︎


気と魔力、魂を刈り取る。


よし、いい素材ゲット。

アイテムボックスに詰め込む。


さて、取り敢えず赤ちゃんを安全な場所に連れてって、奴隷狩りを潰すか。

いや、それは神がやるべきじゃ無いな。

人で対応すべきだ。


神は辛い。

人じゃ到底出来ない様な事しか、手伝う事が出来ないからだ。

なぜなら、努力する事をやめ、何でも神頼みする様なゴミ共が増えてしまうからだ。


取り敢えず、ギルドに報告するか。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


バタン


ギルドの扉を開け、一直線にギルドマスターが居る部屋に向かう。


ガチャ


「エルフの村が襲撃されていた。早急に奴隷狩りに対して対策を練れ。」


バタン


簡潔にそう伝え、戸を閉める。流石にこれは酷いと思い、下からサッと紙を入れる。

紙には、奴隷狩りの組織名を書いておいた。

たぶん、少しは役に立つだろう。


でも、

名前だけじゃ捕まえるのは無理な気がするな。


ま、いいか。

きっと何とかしてくれるさ。

今は背中の赤子をどうにかしよう。

知り合いのエルフに任せるか。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「まさか、グランドマスターが来るとは思わなかったが、何とか無事に1日を過ごせた。あぁ、今日は普段以上に疲れた。」


凝った身体を解すため、伸びをする。


ポキポキといい音が鳴る。


「アァァァァ……。」


思わず声が出る。


ガチャ


「エルフの村が襲撃されていた。早急に奴隷狩りに対して対策を練れ。」


バタン


何だろう。一瞬グランドマスターが見えた気が……しなくもない。


立ち上がって扉へと向かい、開けようとする。


ツン


……ん?


何か足に当たったようだ。

下を見ると、紙が見えた。

拾って紙を裏返す。


「んなっ⁉︎」


紙には、奴隷狩りをしたであろう組織の名前が書いてあった。


調べるの早すぎでしょ‼︎


いや、ここまで調べたにも関わらず自分で解決しないのは何故だ?


……ハッ⁉︎

まさかこれは、冒険者の中に裏切り者が居て、そいつを炙り出す為の策なのか⁉︎ そうか! そうなんだな!

つまり、これは私の手腕にかかるのか‼︎


グランドマスター、何て聡明な方なんだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


ゴンゴンゴン


「はーい。」


キィィ


扉が開き、中から若々しい女性が出て来た。

こいつ、実年齢……


「要件は何かしら?」


おっと、顔に出てたみたいだ。

自重自重


「この子を頼みたい。」


そう言って、抱きかかえていた赤子を渡す。


「この子は?」


「竜の生贄にされていた、黒髪黒目のエルフの子供だ。」


「珍しいわね。」


そう言って、赤子をマジマジと見つめる。


「で、何で私に頼んだの? もっと優秀な方々が居るでしょう?」


拗ねた様に言う。


「アリィ、頼む。」


頭を下げる。


「仕方無いわね……と、起きたみたいよ。」


赤子が目を擦っている。


「可愛い……。」


思わず呟いてしまう。


「じゃあ、最後にもう一度だけ抱くかしら?」


「あ、あぁ。」


どもりながら、そう答える。


アリィから赤子の手を渡される。


今になってマジマジと見つめるが、何この子メッチャカワイイ。


ホッペをツンツンする。


ギュ


小さな手で、私の指を握る。


「………………………ハッ⁉︎」


私は何を⁉︎


「ずーっと子供の顔を見てたわよ。ほら、私に任せるんでしょ。」


無意識にギュッと子供を抱き締める。


「あなた、さっき私に頼むって言ったばかりじゃない……。」


「う……。」


「ほら、もういいわ。それより、もう少し緩く抱いてあげなさい。窒息するわよ。」


「……ッ⁉︎」


急いで緩く抱く。


「はぁ、全く。困ったら頼りなさい。」


「助かる。」


そう言って、私は家に帰った。


「はぁ、頼れって言うのは、今ここで子育てを教えてあげるって意味だったのに。」


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「おぎゃー、おぎゃー、おぎゃー」


「あぁぁぁ、何で泣いてるんだ?

ええっと、オシメか? おっぱいか?

なんだ? どうすればいいんだ!!!?」


早速困ってしまった。




ここまでお読み頂きありがとうございました

誤字脱字指摘、アドバイス、評価感想等

お待ちしております。


次の更新

一月後かもしれない。


だってー、

年末年始はダラダラしたいもーん。


もしかしたら、

他の小説を書くかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ