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娘よ、大志を抱け  作者: 匿名社員
チートだけど異世界でスローライフを送るために死ぬ気で努力してみる(仮) 第3章ー終わり、始まりの為の始まりー
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第33話

多分これが

U☆TU展開


もしくは、

MU☆NA☆KU☆SO展開


なので、苦手な人は注意が必要な展開だと思われます。


まぁ、早めに軽い調子に戻りますが。

「ちょっと、また花を探して来るから、ちゃんと掃除しろよ……いや、お前は大丈夫か……ま、掃除するように、あいつらに伝えておいてくれ。」


以前、また花を探しに行こうとした時、麗那とアイラが手を組んで『おやつ一揆』を起こしたため、フィリスだけに伝える。


「荒れるだろうな……後、掃除しないだろうな。」


「諦めるしか無いか。」


「「はぁ。」」


フィリスと2人でため息を吐く。



「後は頼んだ。」


「無理だな。」


「じゃ、俺は行ってくる。」


「早めに帰って来てくれ。」


フィリスの懇願する声を聞か無かった事にし、俺は転移した。


確実に見つかる、地球に転移した。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「あぁぁぁ、今日の仕事終わり……って、ん?」


なんでこんな時に業務連絡なんだよ。ダリィな。


業務連絡の内容を確認する。


ーーーーーーーーーー

自然発生した世界を発見。

担当者〜〜〜が邪神に殺されたため、担当不可。文明レベル等、確認お願いします。高い場合、担当を願います。

ーーーーーーーーーー


業務連絡の確認を終えた。


早速、世界を探す。

…………………………あった。


「はぁ、よりにもよって何であいつが担当する世界が既にこんなに成長してるんだよ。

お前が邪神に殺されたせいで、

俺がお前の尻拭いをするんだぜ?

……はぁ。メンドクセェ。

取り敢えず、滅ぼそう。

これは残業手当が出ないと困るわ。」



……いや、一通り楽しんだ後、滅ぼせばいいか。

滅ぼせば、証拠なんて残らないしな。

やはり、世界の管理の仕事はいい。

たまにこういったイレギュラーが起きるおかげで、俺は楽しめるのだから。

久し振りだな。

今回は当たりだ。


俺は神術を使い、その世界に転移した。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


……空気はいいな。

やはり、魔法が進んだ世界のようだな。


……ちっ、この大陸に人は居ないようだな。

空から見た限りは居ない。


神術を使い大陸を観察する。


やはり、ここには居ない。

向こうの大陸か。


神術を使い、転移する。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


うわ……本当に文明が進んだな。

ここまで自然発生で進んだ世界、滅多に見ないぞ。

てか、見た事無いぞ。


はぁ、取り敢えずこいつらをどうにかしないとな。


「神術、『森羅吸魂』」


この世界の生き物の魂を抜き取る。

そして門を開き、冥界にポイする。


…………………………おし、これで終わりかな。あー怠かった。さて、ケーキとか食って、ゲームでもやるか……ん? なんで生命反応があるんだ?

ったく、メンドクセェな。

……行くしかないか……。


俺は、もう1度神術を使い、生命反応のある場所へ転移した。


……へぇ、ちょっとは楽しめそうじゃないか。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


おし、ヒマワリの種を買えた。


無事、花の種を買う事の出来た俺は、公衆トイレの中に入る。



さて、早く家に帰らないと、あいつらが怒るからな

……寄り道しないで帰るか……いや、美味いもん買って帰ればいいか。


そう考えた結果、俺は、麗那たちのいる世界の街の近くに転移する事にした。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


……ん?

どういう事だ?

街の近くなのに、生命反応を感じられない。

街へ入る。



「んな⁉︎」


俺は、思わず声に出してしまった。


なぜなら、

道に人は居なく、年中無休の店にも客はおろか、店員すら居ないからだ。


街がすっからかんになって、閑古鳥さえも居ない。


鉛の空の下、冷たい風が吹き、更に虚しく感じる。


……取り敢えず、家に帰って、あいつらに聞こう。

何か、知ってるはずだ。


俺は、自分の家の玄関に転移した。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


……? 何でだ? 生命反応を感じられない。

まさか、あいつらも居なくなったのか?


俺の中に、焦りが生まれる。


どういう事だ⁉︎ 街に人は居ない。

魔物も居ない。家にも誰も居ない。

何があったんだ。この世界で、一体何が起こってるんだ⁉︎


焦りが、激流の如く俺に押し寄せる。

落ち着け落ち着け、焦った時は絶対失敗する。

だが、遅くてもダメだ。

どうすればいい⁉︎


考えがまとまらない。

俺は居ても立っても居られなくなり、家の外に飛び出した。


空は、まるで夜のように真っ黒になっていた。

もうじき、雨が降るのだろうか。


普段なら、そう考えていただろう。

気がついていただろう。


だが、焦りは判断力を鈍くする。


俺は、ひたすら走った。


「〜〜〜〜〜」


……⁉︎


物音が聞こえた。


人か?


そちらへ全力で向かう。


「あ〜〜〜き〜〜〜。」


声がする場所へたどり着いた。


そこで、俺は見てしまった。



「あー、やっぱり、死体オナホが最高に気持ちいいな。生きてる奴は煩いが、死体はなにも話さないしな。生き物すべて滅ぼせば証拠も消せるし、最高の性玩具だな。まぁ、神からすれば、みんな玩具みたいなもんか。あー、これだから世界の管理担当の神は辞められないんだよな。世界を滅ぼせば、バレずにコレが出来るからな。」


神々しい見た目とは裏腹に、汚い言葉を羅列し、ひたすらに腰を振る男を。


「〜〜〜‼︎ あー、スッキリした。」


そう言い、男は腰を振るのを止め、腰のあたりにあったナニカを投げ捨てた。


ナニカはゴロゴロと地面を転がり、俺の方へと転がってきた。


「ッ⁉︎」


そのナニカは、四肢を捥がれ、魚臭くなり、全身が白濁とした液体にまみれた麗那だった。


「ッ‼︎、ッ‼︎、ッ⁉︎」


へたり込む。

声が出ない。

思考が停止する。

意味が分からない。

いや、分かる?

? なに? え? どういう事だ?

へ? 死? レイ? 玩具? 皆殺? は?

神? 管理? は? え? ん?


頭の中で、単語がグルグルまわる。


へ? 死? 玩具? 滅ぼす? 世界? 神?


「ん? あー、生き残りが居たのか。

まあ、いいか。どうせ人間だ。すぐに死ぬし、放置だ。どうせ俺には勝てないし。んなゴミにかまってる暇があったら、昼寝するわ。男じゃ、性玩具(おもちゃ)にもならないし。」


ナニカを言っているが、まったく聞こえない。


男は、元からその場に居なかったかのように、一瞬で消えた。


あ……あ……あ……あ……あ。


思考が活動を再開する。


嫌でも高速で推理を始める。


……あぁ、そういう事か。


この世界は滅んで、麗那は四肢を捥がれた状態で強姦され、死んでも強姦され、性玩具になったのか。


胸に、ポッカリと穴が開いたような錯覚に陥る。


あぁ、あいつらにはもう会えないのか………


「…………………………………。」


俺は、ただ呆然としていた。

涙は、流れなかった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


あぁ、人が死ぬと、こんなにも悲しいのか。


胸に穴が開いた感覚は、消えなかった。

親しい仲間が死んでも、俺は泣かなかった。

何もしようと思わない。


生きる気力が無い。


あぁ、生きていても、つまらない。


楽しくない。


もう、死んでもいいだろ。


俺はある場所へ向け、のそり、のそりと歩き出す。


「死ぬなら、思い出の場所の桜の木の下だな。」


木の下にたどり着いた俺は、思わず呟く。




「何がルーン魔術だよ。お守りとしての効果も無いじゃ無いか。脳だって、増やしても、改造しても、意味無いじゃ無いか。俺は、仲間を守れなかったじゃ無いか。」


溜まっていた感情が、溢れ出す。


ポツポツと、雨が降り出す。


「あぁ、本当にゴメンな。俺が強かったら、あいつをボコボコに出来ただろうな。」


懺悔する。


「ゴメンな。俺、生きる意味が分からない。お前らが居ないと、寂しくて、つまらなくて、ダメだ。」


諦める。


「俺はもう、ダメだ。」


ついに、ザーザーと、雨が降り出す。


「もう、生きるのは無理がある。」


土砂降りになり、雷鳴が轟く。


「こんな俺を、許してくれたら、嬉しいな。」


俺は、生きる事を止めた。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


ドン


「これより、此奴の処罰を決定する。」


……?

ここはどこだ?


目がさめると、裁判所のような場所に居た。


俺は、裁判所の被告人が居る場所に座っているようだ。


俺の目の前には怒った顔をしたおっさんが座っていて、孫の手に似た棒を右手に持っている。


おっさんの右と左に、使えてる感じの人がいる。


そして、裁判所の頭上には大きな鏡がある。


あぁ、そういう事か。


ここは閻魔様に裁かれる場所なのか。

情状酌量とかあるのかな。


「映し出せ。」


「はっ‼︎」


使えてる人がそう言うと、頭上の鏡……いや、

『浄玻璃の鏡』に映像が映り出した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「はーい、よく出来ました。」


「えへへへへ。」


どうやら、画面に映っている子供はリンゴの皮を剥いているらしい。


身長的に、3歳ぐらいだろうか。

3歳で包丁を持つのは流石に危ないと思うぞ、そこの女性。


というか、誰だ?


ピンポーン


「はーい。」


女性が駆けていく。


子供は、包丁を眺めている。


ドッドッドッドッという音が近づいてくる。


子供は、台所の壁に隠れる。

どうやら、隙間から様子を伺うらしい。

脅かすのか?


部屋に入って来た者は、女性では無く、黒づくめの不審者だった。


そいつは、ガチャガチャと部屋を荒らす。


強盗か。


「ちっ、何もねぇじゃねえか。ったく、殺した意味もねぇじゃねえか。」


声の高さ的に、不審者は女のようだ。


そして、女性は殺されたらしい。


子供は理解しているのか、ハッと息を飲む。


「っくそ‼︎ 何もねぇ‼︎ とっととずらかるか。」


女は玄関へと向かう。


が、


ガチャガチャ


「……?」


きっと、困惑した表情なのだろう。


部屋へと女が戻ってくる。


ガチャガチャ


女は、台所へと近づいてくる。


ガチャガチャ


そして、扉を開け……








ザクッ



「グッ‼︎」


ズブズブと言う音と共に、包丁が女の右の胸に沈み込む。

血が、とめどなく溢れ出す。


「ガッ⁉︎ キッ⁉︎」


女は、仰向けに地面に倒れる。


そして、困惑顔のまま死んでいった。


無理も無い。

3歳程度の子供に殺されたのだ。


そこで、映像は途切れた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「今の映像は、お前の過去だ。」


「……そうなのか?」


「そうだ。」


「……そうか、俺は、人を殺していたんだな。」


「ああ、そうだ。」


もう、あの時に血も涙も捨てたのか。



「じゃあ……あ、あの人が……俺の、産みの親……なのか?」


「そうだ。」


そうか、俺は引き取られたのか。


ドン


閻魔様が、机を叩く。


「判決を下す。」


「そうか、決まったのか……。」


やっぱ、そう簡単に天国には行けないよな……。


「罪状……「この裁判、ちょっと待って下さらないかしら?」……」


女の人が、後ろにある扉を開けて入って来た。

黒髪黒目で、ゆったりとした白色の服を着ている。手に紫色の扇子を持ち、それで顔を隠している。


「イザナミ様、どうしてここに?」


あっ、やっぱ神様なんだ。


「この裁判に口出しするからよ。」


「そうですか、つまり、何かあるのですね?」


「ええ、そうよ。」


なんか、勝手に話が進んでるな。


「さて、そこの君……」


「……なんだ?」


「復讐……したくないかしら?」


「復讐しても、何も戻らない。」


「あなたと一緒にいた3人……特に麗那さんが、自分の代わりに一発殴ってくれ……そう言っていたわよ? 」


「そうなのか。でも、俺はもう死んだ。」


「なんで前世の記憶が無いか、知ってるかしら?」


「……?」


「地獄が辛くて、廃人になるからよ。

廃人になって、感覚だとかを無くして、地獄の辛さから逃げるためよ。」


「そうなのか。」


「でも、本題はここからよ。」


「……?」


「地獄を耐えれば、記憶を持ったまま転生……というか、やり直しが出来るわ。まぁ、あなたが死ぬ直前に時間が戻る事になるけど。」


「でも、それじゃあ意味が無いんだよ。みんなが居ないと、この虚無感は無くならない。代わりに殴ってくれって言われても、やる気なんて出ないよ。」


「はぁ……ったく、しょうがないんだから。この際教えてあげるわ。」


「……なにを?」


「あなた、私を見てどう感じたの?」


「美人さん。到底貴腐人には見えない。まぁ、神様だから、これがデフォでしょ。」


「はぁ、自信無くすわ。……いい? よく聞きなさい。」


呆れ顔でそう言われる。


「はぁ。」


「常人なら、私を見るだけで発情するの。それが起きないって事は、どういうことか分かるかしら?」


「元々、性欲が大して無かったからだろ。」


「違うわ。」


「じゃ、何なの?」


「それはズバリ、恋よ‼︎」


扇子を閉じ、俺に向かって指して、ドヤ顔で言い放つ。


「友愛感情しか抱いた事が無い。」


「まず、それが間違いなのよ。」


呆れた顔で言われた。


「は?」


「あの3人といた時、楽しかったかしら?」


「そりゃあ、楽しかった。」


「じゃあ、アイラさんといた時は?」


「そりゃあ、楽しかったさ。研究の事で盛り上がってさ。」


「じゃあ、麗那さんといた時は?」


「そりゃあ、楽しかったさ。だって、反応がいちいち面白くて、おちょくりたくなるんだもん。一緒に居るだけで楽しいし、思い出しただけで、笑いそうになるもん。」


「ふっ、それが証拠よ。」


「は?」


「友愛と親愛は、長い間居ると、どっちがどっちか分からなくなるものよ。それに、一緒に居るだけで楽しいって言ったわよね。」


「あぁ。」


「私もイザナギと一緒に居るだけで、楽しいと感じたわ。まぁ、もう昔のはなしだわ。」


「で?」


「つまり、あなたは麗那さんに恋をしたのよ。」


俺と麗那が結婚……


「あり得ないな。」


「……。」


「……。」


「ま、いいわ。なら、教えても良かった方を教えるわ。」


「なんだ?」


「あの神ね……いろんな異世界で、強姦したり、虐殺したりして楽しんでるのよ。妊娠してる女性の腹を引き裂いて、お腹の赤ちゃんを取り出して、その子が女の子だったら即座に強姦しちゃうド変態で、キチガイなのよ。」


「クソ野郎だな。」


「そのクソ野郎が最後、あなたになんて言ったか、教えてあげるわ。」


『ん? あー、生き残りが居たのか。

まあ、いいか。どうせ人間だ。すぐに死ぬし、放置だ。どうせ俺には勝てないし。んなゴミにかまってる暇があったら、昼寝するわ。男じゃ、性玩具(おもちゃ)にもならないし。』


「クソ野郎だな。」


「……はぁ、もう、しょうがないわね〜。」


イザナミがそう言うと、パチンと音を鳴らす。

指ぱっちん上手いな。


ガチャン


「……え?」


「それじゃ、地獄ライフ頑張ってね〜。」


俺の足元の床が無くなる。


あっ、観音開き。

熱湯風呂とかでよくやるアレか。


俺は、座っていた椅子と共に奈落の底へと落ちて行った。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「……イザナミ様、宜しかったので。」


閻魔大王は、思わず口に出す。


「可愛い子には、旅をさせよって言うでしょう。」


それに対しイザナミは、狂気的な笑みを浮かべながら、そう返した。


「……耐えられるでしょうか。」


閻魔大王は、地獄の辛さを知っている。

彼も、地獄を耐えた、1人なのだから。


「あの子みたく、神様になれる資質を持つ人間は、よく見るわ。でも、あそこまで狂った子は、中々見れないわよ。きっと、耐えるわ。これで耐えなかったら、私の見込み違いね。」


「……。」


閻魔大王は知っている。

どれだけの人間が、いとも簡単に壊れてしまうか。

どれだけ地獄が辛いという範疇に収まらないのか。







ここまでお読み頂きありがとうございました

誤字脱字指摘、アドバイス、評価感想等

お待ちしております。


次回、地獄ライフだよー。

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