第27話 クラス転移編 終戦
本日2話目。
一気に時間が飛びます。
そして、戦闘終了。
これでクラス転移編、殆ど終了。
「すぅぅぅぅ、はぁぁぁぁ。」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
「ハァッ‼︎」
百鬼 玄道あだ名ヒロ
永遠の16歳
半年で元の身体能力と魔力、気力を取り戻したが、邪神を殺すための己の肉体と、
正拳突きに限界を感じ、
悩みに悩み抜いた結果
彼がたどり着いた結果は
光を越えることだった
自分自身を育ててくれ、身を守ってくれた正拳突きを、光を越える事によって、進化させる事
だが、人は光を越えられない
質量がどーたらで無理らしい。
ならば、質量があって無い様な魔力ならどうなのだろう?
魔力は、火になったり、雷になったりも出来る、不思議万能物質だ。
光の速度を越えてもおかしく無い。
そして、俺は考えた。
魔力と気を合成した『魔気力』で作った手での正拳突きを、
1日1億回やる事によって、自然と出来るようにし、慣れで速度を上げる。
「すぅぅぅぅぅ、はぁぁぁぁぁ。」
魔と気を整え
魔気力で手と腕を作り
更に魔気力で腕を纏い
構え
「ハァッ‼︎」
突く
一連の動作をこなし、調整するのに
当初は頭をフルに使って3〜4秒
1億回を突き終えるまでに、当初は24時間以上を費やした。不眠不休で正拳突きをした。
突き終えれば、死ぬように寝る
起きてまた突くを繰り返す日々
「ハァ、ハァ…………」
1年程過ぎた頃
異変に気付く
「ハハハッ…………眩しいな……」
1億回突き終えても
日が暮れていない
数年の時を越えて
努力の結晶が完全に羽化する
魔気力で作った手での正拳突き
1億回、10時間を切る‼︎
かわりに、瞑想する時間が増えた
そして、
「これはきっと、俺が一生使う事になる技だろう。最初はただの拳だったんだ。それがどうだ。
今じゃ、とんでもない速度だ。
名付けるなら、『空掌』かな?」
初めて、必殺技の名前を付けた。
でも、安直だよな。
見えざる手なんだし。
『空掌』
一生使うことになるであろう技。
無駄を極限まで省き、極限まで威力と速度を求めた結果出来た、なんの変哲も無い拳だ。
だが、空掌は更に進化した。
だから俺は、
「リベンジだ、クソ野郎。」
魔王城に向かって、歩き出した。
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「相原、いよいよだな。」
「あぁ、遂に、邪神の居る大陸にたどり着いた。」
「まさか、
邪神が操っているとは思わなかったな。」
「あぁ、そうだな。だが、」
「やっと、終わりが見えて来たね。」
「あぁ……………終わらせよう。」
「俺の聖剣で……。」
懐の相棒が、キラリと輝いた。
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夜、俺は再び魔王城に侵入した。
以前と違うのは………………
「来てやったぜ、ぢゃ……。」
「「………………………………。」」
「来てやったぜ、邪神。」
「まさか、正面から来るとはな。」
正面突破と言う事だ。
やはりラスボス戦は、正面突破だ。
断じてTAKE2では無い。
無いったら無い。
「前みたいな小手調べは無しだ。
今度は最初から本気だぜ?」
「どの道お前は死に、我の代わりの肉体となる。
降伏すれば、楽にしてやる。」
「やなこった。」
アカンベーをしてやる。
「ならば、なぶり殺しにしてやる。」
「以前の俺とは違うぜ?」
両者構……
ドン‼︎
「ウグッ⁉︎」
「こーゆーのを、『開幕ぶっぱ』
って言うらしいぜ?」
構える前に、先制攻撃。
光の速度で動く?
こっちは、光より速く攻撃出来るんだぜ?
攻撃させずにノックアウトさせてやんよ‼︎
「……なっ⁉︎」
その時、邪神は初めて見た。
阿修羅像と言う存在を。
「ヒャハハハハハ‼︎ 貧弱貧弱ゥッ‼︎
どれだけ足掻こうが、無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァァァァァ‼︎テメェじゃあ、俺には勝てねぇんだよォォォォォォォォ‼︎」
説明?
んなもんする暇があったら、ボゴボコにするのを優先だ‼︎
空掌で、ひたすらラッシュ。
絶対に反撃させない。
ボゴボコボゴボコボゴボコボゴボコボゴボコボゴボコボゴボコボゴボコボゴボコボゴボコボゴボコボゴボコボゴボコボゴボコボゴボコボゴボコボゴボコボゴボコボゴボコボゴボコボゴボコボゴボコボゴボコボゴボコボゴボコボゴボコボゴボコボゴボコボゴボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコ
無心で、ひたすら殴る。
床を貫通して落ちていこうが、邪神の身体を掴んで固定し、殴る。
殴る
殴る
ひたすら殴る
しばらく経った時、
「このくらいでいいかな?」
邪神を見る。
「ふぅ、なんか、呆気なかったな。」
邪神は、肉塊としか言いようが無いナニカになっていた。
地味に再生していて、気持ち悪い。
「神って、食えんのか? なんか、神食ったらレベルアップ出来そうだな。よし、食おう。」
そうと決まれば即実行。
見た目が悪い為、味覚を無くしてから丸呑みする。
うん。
………………………………ん?
そして、俺の意識は暗転した。
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真っ白な世界に、1人の男が居た。
「フフフ、勝ったと決めつけたのがお前の運のツキだ。この身体、悪くない。我が貰い受けよう。」
そいつは、邪神だった。
「ククク、馴染むぞぉぉぉぉ。」
誰も居ない空間に、狂気的な笑顔を振りまく。
空間が、黒に染まっていく。
「身体を取られるのは困るなぁ。」
黒い空間に、もう1人男が現れた。
ヒロだ。
「何故貴様がここに居る?まぁ、いい。
もうすぐ我の身体になるのだ。直ぐに意識が無くなるだろう。」
俺は、邪神に話しかける。
「よく考えてみろよ邪神。」
「俺がタダで死ぬ様な奴か?」
「ほら、考えてみろよ。」
「「「「「「なんで俺が、
こんなに居ると思う?」」」」」」
「なっ⁉︎
何故精神がこんなにも居るのだ⁉︎」
「教えてなーい。でも、」
「まだまだいるぜ?」
俺が、1億人程奥から出てくる。
「勝ったと決めつけたのがお前の運のツキだ…………その言葉、そのままお前に返してやるよ‼︎」
「1億人で、1人をリンチだぜ‼︎」
「野郎共‼︎ 奴をボコボコにしろ‼︎」
「「「「「「「「「「オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ‼︎」」」」」」」」」」
「ギャァァァァァァァァァ‼︎」
その日、邪神が人間にリンチされた。
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目が覚めた。
うん、ちゃんと邪神を体内に封印出来てるね。目的は達成出来た。
さて、何故俺の身体が奪われ無かったか、何故阿修羅像が出てきたのかを説明しよう。
まず、阿修羅像の方から。
元々、空掌は
①大量の魔力を体外に放出する
②魔力を圧縮して具現化
③操る
という工程を踏む。
まぁ、関係無いのだが。
重要なのは、『魔力の具現化』だ。
人は光を越えられないってのは、
前も説明しただろ?
だが、魔力でなら越えられる。
なら、魔力で作った人形なら?
やってみた所、成功。
後は操作に慣れるだけ。
操作も魔力糸を繋げるだけ。
操作するのに、腕は6本が限界だった。
繋げなくても操作は可能だが、慣れるのにはまだ時間がかかりそうだった。
邪神戦では魔力糸を繋げて操作していた。
理由としては、魔力糸を繋げないとないと阿修羅を動かせない、そう思わせて不意打ちをするためだ。
次に、なぜ身体が奪われ無かったのか。
沢山出てきた俺、
あれば全て俺の予備人格と副人格だ。
指示していた奴が副人格だ。
……え? 二重人格ならまだ分かるが、1億は流石に多い?
俺も思う。
でもな、細胞の一つ一つにちっこい脳を埋め込んでたら、あんくらいになるさ。
まぁ、小さい分簡単な事しか出来ないが。
え? 何故そこで脳?
それも説明するさ。
SF物とかでよく、機械とか、人造人間が感情を持ったりする展開があるだろう?
それを参考にしたんだよ。
脳、もしくは似たようなのがあれば、心、もしくは感情が生まれる。
そう考えて、実行した結果。
ー脳内ー
俺「スク水に1票‼︎」
副人格「メイド服に1票‼︎」
副人格「いや、ナース服だ。」
副人格「いやいや、バニー…」
俺たち「それは無い‼︎」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
なんてことが、いつでも可能になった。
ちなみに、分裂体に副人格を憑ける事も可能だ。
あの阿修羅像にも憑けておいた。
魔力糸で繋がっている間だけは、自律的に、自由に行動が可能だ。
魔力糸が切れると、俺の元に戻ってくる。
ここがデメリットだな。
本体である俺は、副人格をナビゲーションとして使ってるかんじだ。
それでは、副人格達を紹介しよう。
「これから毎日家を焼こうぜ?
『俺ッド』」
「予備人格の雑務はまっかせなさい『俺ブルー』」
「主に演算担当。『俺グリーン』」
「拷問なら任せろ‼︎『俺イエロー』」
「身体の活性化、回復等やってます
『俺ホワイト』」
「KILL MODEって言うか、戦闘担当
『俺ブラック』」
「「「「「「「6人揃って‼︎
『脳内戦隊俺ンジャー』」」」」」」」
デデン
「決まったな。」
「あぁ、絶対ビシッと決まった。」
欠点としては、
「やっぱ……………………みんな俺の脳内に居る訳だから、なんか虚しいな。」
「みんな俺と同じ顔でも、中身は違うのにな。」
「なんか虚しいな。」
こうなる。
さて、魔族の洗脳も解けただろう。
魔族無視して魔方陣を探すか。よくある展開としては………地下だな。
本当、アレは疲れる。
阿修羅像で戦う欠点としては、
すごく疲れる。
めっさ体力と魔力食いまんねん。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ドォン‼︎
「おい、相原、聞いたか?」
「あぁ、魔王城で、誰かが戦っている。」
「でも、音がしたのはほんの一瞬だけだよ?」
「野原で休憩してる場合なんかじゃ無いね……………急ごう。」
俺たちは、走り出した。
ここまでお読み頂きありがとうございました
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お待ちしております。
ついに神を越えた。
だが、上には上って言いますしねぇ?