破戒天使のアシュタルテ
その日、秋城 裕司(あきしろ ゆうじ)は、幼馴染みである笹宮 蛍(ささみや ほたる)と昼食を摂りに屋上へ向かっていた。
高校に入学してから1ヶ月。少しずつ友達も出来てきて、明るい高校生活を満喫する裕司。
だが、特に幸せでもないが、かと言って不幸でもない。
そんな毎日に退屈していたのも、また事実だった。
「空から可愛い女の子でも降ってきてくれたら、楽しくもなりそうなんだけど」
平和な日常から出た一種のジョーク。
このたわいない一言が、彼の退屈だった日常を劇的に変化させる引き金となる。