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竜殺しのガブゼット 序章7

竜の倒れるのと同時に

起き上がった頭首は

あまりのことに唖然とした。


長い年月をかけて

親兄弟さえ騙し打ち

積み上げてきた全てが

一瞬のうちに瓦解した。


力の象徴を失えば

脆いの一言に尽きるほど

栄枯盛衰とは儚いもの。

盛者必衰の(ことわり)そのままに

豚は全てを失った。



まさか子供が救われるとは

夢にも思っていなかった母親は

どうして良いのかわからなかった


子供の前に跪き

我が子を抱き締めようとして

雲を掴むように逃げられた。


子供は剣士の手を握っていた。

我が子をあたかも当然のように

町の主に差し出した親に

ついて行こうという気はなかった。



ボウズ、俺と来るか?

笑顔で握り返した手は

いなくなった父親より大きかった。


子供は膨れた面をして

ボウズじゃない

ミッチェルだ

と言い返した。


剣士はニヤッと笑って

子供を抱き上げて

民衆を鼓舞した。


俺の名前を言ってみろ!


剣士が叫ぶと


屁殺しのガブゼット!


と、野次馬の誰かが答えた。


ガブゼットは子供を抱えたまま

派手にずっこけた。


ただ助けられた子供だけが

「竜殺し、だよね」と

剣士を憐れむように

こっそり耳打ちをした。



こうして

ガブゼットの伝説が始まった。



竜殺しのガブゼット


序章


屁殺しのガブゼット



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