1話 伊藤 茂 後編
この物語はフィクションであり登場する人物・地名・団体名は架空のものです
車の運転は交通ルールを守り、安全運転を心がけましょう。
注意:登場する人物の会話は「」、考えていることは『』で表現いたいますので、ご了承ください。
二人は教室の前についた。
ガラガラガラ
茂は教室のドアを開けた。
その瞬間実は慌ててこう言った。
田中 実:
「あっ!ちょっとまて。そこで止まれ。」
伊藤 茂:
「何だよ。」
実は慌てて教室に入った。
田中 実:
「ふぅ〜危ねえぇ〜。一年間教室一番乗りの計画の邪魔をされるところだった。」
と言いながら、自分の席についた。
伊藤 茂:
「あ〜久しぶりだから忘れてた。」
と言いながら、茂も自分の席についた。
いつも二人が教室についた時にはまだ誰もいないのである。
そして、茂と実は隣の席なのである。
伊藤 茂:
「はいこれ。」
茂はカバンから弁当を取り出して実に渡した。
田中 実:
「おっサンキュー」
実は弁当を受け取った。
そして、実は財布をポケットから取り出し、チケットみたいなのを取り出した。
田中 実:
「茂。昨日鈴鹿サーキットのチケット買ったんだ。」
伊藤 茂:
「ふ〜ん」
田中 実:
「最近一般の人達が自分の車を持って行って足回り以外はほとんどいじってはいけないっていうほとんど無改造状態でするレースが流行ってるんだけど、今度それを見に行こうかなっと思って。」
実は同じチケットをもう一枚取り出した。
そして茂に渡した。
伊藤 茂:
「何だこれ?」
茂は受け取った。
田中 実:
「これはお前の分。」
伊藤 茂:
「はっ?何で俺の分があるんだよ?」
田中 実:
「いや、だっていくら近いとはいえ歩きはちょっときついし、それに、一人ちょっとねぇ〜。」
茂は「呆れた」という顔をして言った。
伊藤 茂:
「つまり、それは俺に車を用意しろと?」
田中 実:
「え〜まあ、俺車持ってないし、S2000に乗りたいなぁ~というか、鈴鹿サーキット連れてって欲しいなぁ~。」
伊藤 茂:
「俺が運転するのかよ。」
田中 実:
「S2000を運転させてくれるのか?」
伊藤 茂:
「却下」
田中 実:
「と言うわけでお前が連れてってくれる以外に方法がないんだよ。それにチケット二つ買っちゃったし。」
伊藤 茂:
「俺の130(イチサンマル)をタクシーと勘違いしてんのか?」
因み130と言うのは、茂が持っているS2000の車体番号が「130」で始まる事からそう呼ばれている。
S2000を持ってる人の間では発売されたモデルによって車体番号の頭3ケタが共通なので、その3ケタで「130型」とか呼ぶのが有名である。
田中 実:
「いやだってぇ〜」
伊藤 茂:
「分かったよ。連れてけばいいんだろ。」
茂は呆れた顔をしてため息をついた。
田中 実:
「えっやった‼今日の放課後が楽しみだ‼」
伊藤 茂:
「えっこれ今日なの?」
田中 実:
「うん。じゃあよろしく。」
そして実が笑顔のまま放課後が来た。
田中 実:
「家いくの面倒いからそのまま茂んちいくよ。」
伊藤 茂:
「はいはい。もう何か疲れた。」
田中 実:
「大丈夫か?」
伊藤 茂:
「お前のせいだ。」
田中 実:
「ゴメン。」
伊藤 茂:
「まあ別にいいけど。」
茂はすっかり疲れ切った顔をしていた。
次回に続く。
次回予告
伊藤 茂:
「はぁ〜 何でついてくだけだったのにこんな事になってんだか はぁ〜」
田中 実:
「茂 頑張って優勝してくれよ。」
伊藤 茂:
「やだよ面倒くさい。適当にながすからな」
田中 実:
「おいおい、主人公がそういうこというなよ。主人公がしょっぱじめから負けてたらカッコ悪いだろ。」
伊藤 茂:
「知らねーよ。んなもん」
次回 「白魔術師」
伊藤 茂:
「まあ、期待しないで待っててくれ」




