3話 できるかな♪
顔に傷痕の女 ナナシ
「まともになりたいので平和を金で買う!この子が安心して暮らせるお家かったるでー!」」
少年 ムッチャコ
「本当か?寒くないのがいいな!あと暖炉は必須!」
顔に傷痕の男 ヒトロクマル
「フッカフッカのやつもー♪むふふー」
少女 アソナヤ
「わっちもーふかふかあまあまにょー」
全員、旅路を楽しそうに歩む
青い空
帰還兵達は、人を淘汰してでも奪った金で「もう人を淘汰しなくていい生活」を手に入れようとしていた。
矛盾: 誰かを淘汰すればするほど、手は汚れ、心は壊れ、「まともな人間」から遠ざかっていく。
「まともな暮らし」に近づくたびに、「まともな人間」ではなくなっていく地獄…
アル
「ナナシという名前が、すでにまともな人間としてのアイデンティティを失っていることを示唆している。名前すらない人間が、どうやって「まともな誰か」になれるのか」
食事が祈りになる。
それは、戦場では「餌」だった食事が、日常では「人間としての喜び」
泥水をすすってきた男女達が、安酒と硬いパンを「人間らしく」味わおうとする。
その一口にこそ、彼らの「生きたい」という執念が宿る。
「敵」もまた、鏡である
敵対する元戦友も、根っからの悪党ではない。
「この金があれば、病気の母に薬を飲ませられる」
「この金があれば、焼かれた教会を建て直して神に許しを請える」
「この金があれば、もう人を殺して食わなくて済む」
「この金があれば、神に裏切られた人生をやり直せる」
お互いの「まともになりたい理由」を知りながら、それでも一人分しかない「出口」を奪い合って淘汰し合う。
だからこそ、その一太刀一太刀、一撃一撃が重くなる。
地獄で獣に成り下がった男が、少年という『まだ人間であるもの』を守りながら、再び人間としての尊厳を奪い返すために、かつての仲間(獣)たちを屠っていく物語。
この戦争帰還兵達にとって、一番の絶望は帰る場所がない…。
ナナシ
「帰る場所作っちまえばいいんだ!」
彼らは狂ってでもいないと正気を保てないのかそれとも元から狂ってないと淘汰からは逃れられないのか…
<133X年イゴリオ戦争 98戦線>
指揮官
「突撃―!!」
兵士たちの声
「うおぉぉぉぉぉ!!」
群衆が突撃するが天へ連れ去る雨粒により先頭から崩れていくが歩みはとまらない。
昨日まで一緒に笑っていた数百人の戦友が、一時間後には肉塊となって斜面を埋め尽くし、その体を盾にして進まなければならないほどの地獄
狂っていなくても狂わないと進めない。
最初から狂っているものでも更に狂わざるを得ない、それほどの地獄の環境。
それを数えたらもはや狂う事すらできない日数…。
もうどれほどの朝日を見たのか、明日も見れるのか…。明日も見るのか…。
狂気地獄の向こう側にある【無】
———
続く
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