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プロローグ
「リゼ」
名を呼ぶ彼――ルーファウスは、まるで壊れ物を扱うかのようにリゼに触れる。彼と重ねた両手は、シーツに縫い付けられており、この場から逃れることはできない。
熱を帯びた、ルーファウスの金の瞳に射抜かれる。リゼが羞恥のあまり目を閉じると、途端に唇が重ねられた。
「んっ」
長く深い口づけを何度も交わしたかと思えば、彼の口づけは耳、首筋へと移っていく。
「リゼ」
首筋に唇が触れたまま彼が声を出すものだから、刺激が強くて仕方がない。リゼはここ数日、これまでに経験したことがない快楽を与えられ続けていた。
「ルーファウス、さま……。ん……あっ……」
耐えきれない快楽に涙が滲む。
彼と体を重ねるのは、これで何度目だろうか。彼に嫌われて、この城から出ていくつもりだったのに、今は毎夜のごとく求められている。
(どうしてルーファウスさまは、こんなにも、私のことを……)
そんな思考が一瞬脳裏をかすめたが、絶え間なく訪れる快楽によって、リゼは何も考えられなくなった。




