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相棒の親獣

クラス全員の自己紹介が終わった。

そして私達はまた次の難関へ取り掛かる。

「次は親獣(しんじゅう)の召喚をしますので大魔法広間へ移動してくださいね。位置は配られた地図を見るように。」

先生が教室を出ると授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。

途端に教室は明るく騒ぎ出した。

「シアラ様。大魔法広間へ一緒にいきませんか?」

ルイナ様が遠慮気味に話しかけてきた。

「ええ、そうしましょう。」

「シアラ嬢。僕達も同行してもよろしいですか?」

優等生風に着こなした制服とビシっとした立ち回りでオニキス殿下が声をかけてきた。

「逆によろしいのですか?私たちで」

オニキス殿下はきょとんと首を傾げて言った。

「一緒が良いので声をかけているのですが…ダメですか?」

恐らく無自覚だろう。後ろでプラチナ殿下が少し焦っているのが見えた。上目遣いで物をねだるのはずるい…!

「では一緒に行きましょう!」


「ルイナ様。私の事はシアラと呼んでくれて構いませんよ?」

「なら、私のこともルイナ、と呼んでください。」

「分かりました。ルイナ、よろしくね。」

はにかんだ可愛らしい笑顔を私に見せてきたシアラ。

「お二人。確認しますが、親獣との契約方法はご存知ですか?」

横からヒョコっと顔を出してプラチナ殿下が言った。

「申し訳ないですが、親獣についてもあまり知りません。」

「同じくですわ。」

「では先に親獣について説明させてもらいます!」

明るく優しくオニキス殿下が言った。

「親獣とは、自分の相棒です!初めに契約するんですが、相性が悪ければしばらく経ってから召喚のし直しなどがある場合もあります!」

「基本は初めに契約した親獣が永遠の相棒になります。契約の仕方は簡単です。大魔法広間へ着くと、大きな魔石と魔法陣があります。順番になるとその前まで行き、魔法を打つのみです。」

「長くても契約は1年。獣は出てきた時に契約は済んでるよ!」

オニキス殿下とプラチナ殿下が仲良く全てを説明してくれた。

親獣か…自分の相棒も気になるけれど、周りの人も気になるわ!


しばらく世間話をしながら歩いていると、広い部屋に入った。

「ここが、大魔法広間!」

思わず声を出してしまった私にシアラ嬢は微笑んだ。

「うふふ。楽しそうですわね。私は少し怖いです。」

「私楽しみです。周りの人の親獣見てみたくて。」

少しでも和んでくれればと思い明るく言ってみる。

「確かにそうですね、ルイナの親獣見たいわ。」

「ルイナ嬢ー?」

遠くでリーク様が私を探しているのが見えた。

「呼ばれていますよ、ルイナ。」

「すみません!行ってきます。」

凄く申し訳なかったけれど、背中からオニキス殿下とシアラの微笑みが聞こえたから、これで良かったと思ってしまった。


「親獣の召喚。始まりましたよ。」

プラチナ殿下が興味津々に輝く瞳を押し込めたように言った。

「あ、あの方!私たちと同じクラスでしたわ。」

Sクラスは15人しか居なく、そのうち6人は私たちヒロインと攻略対象。メンバーは全員簡単に覚えれるわ!

「アレイド家の次男、リーク・アレイド。土魔法を使う剣士だな。」

リークは深呼吸をし、魔石の前に立った。

そして握りこぶしサイズの土の玉を作った。その時、魔石が光輝き、光が引いた頃にはリークに巨大な蛇が1匹巻きついていた。茶色く太い大きな蛇だ。リークがその蛇に触れるとたくさんの光の玉となってリークに吸い込まれていった。

「あれは土魔法の妖精ですね!流石。」


順番はどんどん進んでいった。

テリーナ様はクリオネを召喚。

プラチナ殿下はたてがみが炎で包まれたライオンを召喚。

オニキス殿下は人間サイズのフクロウを召喚した。

そして、ルイナが前に出る。

ルイナは濃い光の玉を出した。召喚された獣は…

光輝く金色の髪を纏い、ミントグリーンベリルをはめ込んだかのような目をした手のひらサイズの女の精霊だった。

獣じゃ…ない?

恐らく光の精霊だろう。非常に珍しい。

周りが大きな歓声をあげた。

ルイナは恥ずかしそうに降りていった。


次は私の番。前に立ち、先生に小声で聞いた。

「魔法が数種類使える場合はどうすれば良いですか?」

先生はギョッとした表情で固まってしまった。

しばらくしてから

「それぞれの魔法を混合させて貰えれば大丈夫です。」

と穏やかな顔で言われた。

全ての魔法を同じ量で混ぜて、玉にする。

とても上手くいき、光が溢れた。

ようやく見えた先には…二本足で立つ小さな竜が出てきた。

……竜?

周りが驚くほど騒ぎ出した。私は急いで降りた。私にはこの竜が何者かが分からなかった。

向こうから走ってくるルイナと合流した。

「ルイナすごいじゃん!光の精霊なんて!」

ルイナは驚いた表情で返してきた。

「すごいのはシアラだよ!竜を親獣にするなんて。もしかして、竜の意味分かってない?」

私は遠慮がちに頷いた。

「なんでなのよー。竜は四種類の魔法が使える人のみなのよ。しかも上級者用なの。」

驚くしか無くなってしまった。上級者向け。つまり四種魔法の精霊だったのだ。あまりにも驚き、声が出なかった。


次のイベントはダンジョンハンター。チームで協力してダンジョンの敵を時間以内に出来るだけ多く倒し、倒した敵の数で競うゲームだ。たしか勝利チームには景品が与えられたはずだ。

次のゲームに勝てるために頑張るぞ!

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