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攻略対象と学園ライフ!

一部改稿しました。

遅れてしまい、申し訳ございません。

6年後…

私は今日、決戦であり、これからの3年間が今日決まる。今日は…

ホークー学園の入学式だ!



私はヒロイン。特に何か警戒するべきな事は無いわ。

しかし!私が狙うのは、ラスボス(推し)とのハッピーエンドのみ!つまり、

私がなるべきなのは、悪役令嬢の方なのだ!

だからといえ、恋愛対象から外されて仕舞わないようにしなければならない。

ホークー学園は貴族や王族のみが通う事が許されている。聖女として建前だけでも平民から貴族へ成り上がった私を良く思わない人も居るかもしれない。

目を連れられないようにもしないと。


入学式では、名前を呼ばれたら前に立ち、1人ずつ魔法量を魔道具で調べる。

今までの努力がここで出るわ!

「シアラ・リオリス」

「はい。」

前まで行き、そっと水晶のような魔道具に触れる

浮き上がってきた数字は、37。MAXが100だからそこそこ多い方かな?と思っていながら席に戻った。


「リーク・アレイド」

「はい。」

ガタイが良く、青髪の男性。攻略対象のリーク。

魔力値は31。そこそこいい方ね。流石攻略対象。


「プラチナ・レオ・プレイド」

「はい。」

光を反射する美しい銀髪。スラリと細く高い背。サファイアのように輝く瞳。第1王太子殿下だ。

魔力値は54。かなり凄いほうね。


「オニキス・レオ・プレイド」

全てを吸い込むような漆黒の髪。エメラルドのような光を放つ瞳。いたずらに笑うピンク色の唇。第1王太子殿下に次いで美しい容姿を持つ。第2王太子殿下だ。この人がラスボスで、私の推しである!

魔力値は27。私の魔力値を渡せるならいくらでも渡すのに!なんだか申し訳ないなぁ。


「テリーナ・アクバンド」

「はい。」

長い髪を後ろで1つに結った、眼鏡をかけた男性。たしか魔法研究員だったかしら?

魔力値は48。凄い不満そうにしていたけれど、そんなに不満になるかしら?


そして本命。

「ルイナ・シラクト」

「はい。」

透き通るような声が式場中に響き渡った。

その後出てきたのは綺麗な銀色の瞳をしたふわりとした桃色の髪をまとわりつかせた気まずそうな顔の少女。

魔力値は…86!?

会場がいきなり騒がしくなった。彼女本人も信じられないとでも言うかのように自分の手をじっと見つめていた。

それも仕方がない。80を超える数値を出したのは10年ほど前きりなのだから。これで皆彼女を恋愛的攻略対象として見るだろう。


時が経てば記憶は薄れていく。私も忘れていたのかもしれない。今私は、絶対に遭遇したくなかった1つ目のイベントの現場にいるのだ!


入学式後、第2王太子であるオニキスは、中庭の噴水の前で自分の魔力値の少なさに絶望する。そこに第1王太子であるプラチナが来て、釘を刺されてしまい、揉める。

その状況を目の当たりにしたヒロインは、2人の喧嘩を止めに入る。というイベントなのだが、今私の前で2人が喧嘩してる。そしてルイナが来ない!どうして?

「兄さんはいいよね、跡継ぎもできるし、皆に人気じゃん。魔力もあって。僕には何も無いんだよ!」

「魔力があったとしても使えなければ意味無いだろう?お前の方が周りから人気じゃないか!」

まずい、ヒートアップしてる…

「あの!横から挟んで申し訳ないんですけど…」

お互いが向けあっていた鋭い目線が同時に私の方へ向いた。

プラチナは私の顔を見るなり、ハッとしたかのように我に返った。

「なんだ、用か?」

不機嫌そうにオニキスが言った。

「えぇっと、あの…用事という訳では無いのですが…」

「用ないなら邪魔しないで欲しいな?僕達今大事な話してるの、分かる?」

怒ってる。オニキスの言う事否定しなくないんだけどな…

「喧嘩は、やめて欲しいです。どんな理由があっても、どちらも素晴らしいことには変わりないので…」

上手く言葉で伝えれない。冷や汗が頬をツツーと伝った。

「私は凄いと思います!魔力値を1から20まで上げるのでも私は5年もかかりました!それを生まれつき維持出来ているオニキス殿下も、それ以上の魔力を持つプラチナ殿下も…」

「僕が兄さんに負けてる事に変わりないだろ?」

にこやかに出てけオーラを放っていらっしゃる…!

「…勝てないなら、勝てるように努力すれば良いんじゃないでしょうか?私なら、完璧は望みません。だって何でも出来たら暇じゃないですか?」

「…!!」

「悪かったよオニキス。」

「兄さん?」

オニキスはようやく落ち着いたかのように、プラチナに向き直った。

「冷静になって考えると、私の行動が軽率だった。すまなかった。」

「良いよ別に、僕も言いすぎた。ごめん。」

良かった。何とか仲直りしてくれたみたい!

「迷惑をお掛けしました。聖女様。ありがとうございました。」

プラチナが私の前で膝をついた。

「ちょ、兄さん!?」

待ってよ、どうしてそうなるの!?聖女は私じゃなくてルイナよ!きっと!

「私が聖女と決まった訳ではありません。きっともう一人の方が…」

「美しい容姿に美しい心の持ち主は聖女だと俺は思います。また何処かで会えることを楽しみにしています。」

私は悪女なのに!間違った認識をされては困るわ。どうしよう。

「授業あるから行かねぇと、先いくぞ、オニキス」

「待って!兄さん!」

校舎に向かって走り出したプラチナをオニキスが止めた。

「同じクラスだと良いね。」

満面の笑みで言ったオニキスに、ニコリと笑って言った。

「そうだな。」


なんとか一段落。この場から離れたくないけれど、そろそろ初授業だから遅れてはいけないわ。

「じゃあ私、行きますね。」

「あの、次の時間、またここで会いませんか?」

……ん?これは良いのか?平民だから貴族や王族のマナーやルールは分からないが、初対面の異性の人を誘うのは良いのか!?2人きりでお話出来るなら夢のまた夢だけど、そんな事をしたらこれからの私の平和な学園ライフがどうなるか分からない!

しばらくの間、私の頭の中でさ、理性と欲望が争っていた

しかし、首を傾げて聞いてくるオニキスを目の前に、欲望が勝ってしまった。

「…分かりました。ここで約束ですよ。」

するとオニキスは幸せそうな笑顔で言った。

「良かったです!ではまた後でお会いしましょう。」

ぺこりと体を少し曲げて礼をしたあと、駆け足でプラチナを追いかけていった。



初めての授業では、自己紹介をしなくてはならないらしい。

内容を考えながら、クラス発表紙の所へ行っている最中、後ろから声をかけられた。

「兄さん!」

「どうした?オニキス。」

追いかけてきた弟のオニキスの顔を見た。

「熱中症か?」

「別に。どうして?」

「顔が赤かったから。」

「…えっ」

赤かった顔が更に赤くなり、リンゴみたいになってしまった。

「本当に大丈夫か?」

「気にしないで!」

オニキスは恥ずかしそうに顔を隠してしまった。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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