魔力と魔法と学園と
大変お待たせさせてしまい、申し訳ございません。
「おはよう鈴菜。シアラになった感想は?」
リーシャは輝く瞳でこちらを見つめた。
このゲームの神リーシャ。少女のような外見をもつ神様。
「まぁ楽しく暮らす未来に向けて頑張ってるよ。で、どうして私がまたここに来てるの?」
リーシャは驚いたような素振りを見せたあと、落ち込んだように言った。
「ぼくに感謝はしてくれないんだね。せっかく褒めてもらおうと来たのに…」
「質問に答えてくれる?」
「魔力不足だよ!魔力不足でシアラは寝てるの!!」
なるほど。私が魔法を極めようと魔法を使い過ぎたのだな。それなら問題は無い。
「ねぇリーシャ。貴方神なんでしょ?なら私の我儘を聞いてくれないかしら?」
「当たり前だよ!何か言ってごらん?」
私はまっすぐな目線をリーシャへ向けた。
リーシャもにこやかにこちらを見ていた。
「言葉がまともに喋れて、聞き取れるようにして。」
そう、シアラは言語を話せるようになったのが8歳なのだ。まともに聞き取れて、まともに喋っているつもりだが、相手にどう伝わってるかは私には分からない。
「それだけ?簡単な話だね!おまけも付けといてあげる!」
「ほんと?ありがと。じゃあね。」
私はそう軽く言い、出口へ向かった。
「まだ居てよ!もっと話したい!」
「ごめんだけど私にはルイトという可愛い弟が待ってるから。またね。」
「わかった。また来てね?」
重そうな扉を押した。ギィと音を立ててドアが開いた。その向こうには現世に戻れそうな光の世界があった。
しかし驚いた。リーシャが想像以上に私に懐いていた。リーシャが私に懐く理由は分からないが、今は考えても何にもならないだろう。
眩しい朝日が私の部屋を包む。
その眩しさに、目を覚ました。
急いで部屋から出て、リビングに座っていた母に尋ねる。
「ママ!今日何曜日?」
「今日は水曜日よ。急いでどうしたの?」
あれ、一日しか経ってない…?
「ううん、なんでもない!」
「朝ごはん出来てるわよ。出かけるなら食べてからにしてね。」
朝ごはんわ口に詰め込み、すぐに家から出た。
「いってきます!」
今日はひたすらに魔法を打つ。
これを毎日のように続けていれば魔力も増えてくるだろうという考えだ。
まずは身体能力を高めるために、少し走ろう。
魔法もある程度使えるようになってきた。
演習魔法とやらを試してみようか。
葉を想像して、土魔法をとなえる。
「ใบไม้!」
手から葉が溢れ出した。
ある程度の演習魔法も使えるようになった。
あとは入学までにどれだけ身体能力と魔力と魔法センスを高めれるかだな。
それとお気に入りのキャラクターをどのように攻略するかも考えなければ。
6年後…
私は今日、決戦であり、これからの3年間が今日決まる。今日は…
ホークー学園の入学式だ!