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聖女とは、

遅れてしまい、申し訳ございません。

そして何事もなく時間は過ぎてゆき……


終礼の時間になった。

「では明日ですが、集合が大魔法広場になります。親獣を召喚したところですね。それから…いえ、今日は帰りましょうか。」

先生が今言おうと思ったのはおそらく聖女の事だろう。


聖女候補は約十年の間に数人、体のどこかに聖女候補である証の宝石のような印が出てくる。しかし発見がものすごく難しい。なんたって何時に何人なのかも分からないからだ。

私は平民から聖女候補かもしれないということでこの学園に来れた訳だから、三年の間に聖女候補の証が出なければ、平民に逆戻りどころが、戻った村の中で役たたず扱いを受けることになる。

聖女候補の中から四人の攻略対象者から最も契約した人数が多い聖女候補が聖女となる。

そのまま聖女が契約した攻略対象者の中から一人選びその人と婚姻することになる。

ちなみに聖女候補と契約出来るのは王子殿下、騎士団長第一候補、魔法成績第一位の人のみであり、契約とは、ものすごく簡単に言うと、投票だ。特に何かが変わる訳では無いが、契約相手のお願いなどを物凄く叶えたくなる衝動に駆られる程度だ。

そして明日、攻略対象者に投票権が渡される為、大魔法広場集合である。

「では、帰りましょうか。解散です。」

途端に周りが騒がしくなった。

リュックを持ってすぐに教室から出ていく奴、友達とゆっくり話しながら荷物を片付ける奴、仲間と情報交換する奴などなど。

私達はその中で情報交換をする奴に含まれた。


「シアラー、帰りましょう?」

いつも一緒に帰っていたかのようにルイナが話しかけてきた。

「ルイナ、一つ伝えとかなければならない事があるわ。」

「何?かしこまって」

「明日、体に痣みたいな何かが出てきたら、落ち着いて私に伝えて。」

「よく分からないけど、分かったわ。」

そう、明日はルイナの聖女候補の証が浮き出る日なのだ。ちなみにその一週間後にシアラの聖女候補の証が浮き出るのだ。

「じゃあ寮に戻りましょうか。反省文も書かなければいけないし。」

「そうだ、反省文もあるんだった…」

明らかにがっかりと肩を落とすルイナ。

「なら、殿下達に挨拶してから戻りましょうか。」

ワイワイと騒がしく会話していたプラチナ殿下達の元へ向かう。

それに気づいたオニキス殿下が声をかけてくれた。

「シアラ嬢にルイナ嬢。ちょうどいい所に。話したいことがあったんですよ。」

「僕も居るのに気づいてくれないなんて酷いな〜オニキス殿下。」

後ろから思いがけない声が聞こえて驚く。

「「「うわぁぁぁあ!」」」

「そんな驚く?」

にらめっこに勝った少女のように明るく微笑んだ。

「まさかリークサンでも気づいて居なかったなんてー皆サン酷いですねー」

「この上ないほど棒読みだな…」

「居たのですね、ライ様。気が付きませんでしたよ。いつの間に?」

「いつの間にって言っても、さっきだよ?丁度二人がこの席に近づいてきた時くらいかなー。」

全く気配が無かったような、まぁ良いか。

「それで、ご要件とは?」

「そんな大それた話では無いのですが、」

少し緊張したかのようにプラチナ殿下が言った。

「二人は先生が最後に言おうとした言葉、なんだと思う?」

何だ、ただの予想大会か。安心したぞ。

「なんでしょう…大魔法広場に集まる理由とかじゃないでしょうか。」

まさかの一発で当たりを引くルイナに心の中でびっくり。

「明日の授業内容とか持ち物とかじゃないのー?」

ありきたりすぎるライ様の回答にも同じくびっくり。

「ありそうー」

ニコニコと二人の意見に頷くオニキス殿下。

「シアラ嬢はどう思いますかー?」

「えぇっ、私には想像もつかないですね。」

その言葉を少しがっかりしたかのような表情を浮かべた。

「やはり難しいですよね。僕にも分かりませんでした。」

同情の瞳を向けながらプラチナ殿下が言った。

「お二人とも、あまり長く皆さんを引き止めては困られますよ。」

赤子をなだめる母親のようにテリーナ様が言った。

「た、確かに。長い間ごめんなさい。また明日答え合わせをしましょう。」

ニコっと微笑んだオニキス殿下に心を奪われそうになりながらも理性を保った。

「では、お先に失礼します。」

礼をして教室を出た。かなり残り人数が少なくなった教室には静けさが訪れた。

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