ババ抜き
遅れてしまい、申し訳ございません、
この勝負は白熱した。ライ様が一位でクリアしてから、それを待っていたかのように続々とクリアしていった。二位はプラチナ殿下。三位は私。四位がテリーナ様とクリアしていき、残りはルイナ、オニキス殿下、リーク様の三人になった。
ちなみにオニキス殿下はものすごくババ抜きが弱い。何故なら全て顔に出てしまうからだ。右から左へと手を動かす。五枚のカードのうち、右のカードはにっこにこ。他のカードは不安そうな悲しそうな顔をしたので、左のカードを取った。ルイナのカードはラスト一枚。揃った!
「やった!」
そうして私はかなり軽々とクリアした。
真剣にカードとにらめっこするルイナ。残っているオニキス殿下のカードから一枚を選び、引き抜く。そして、嬉しそうな笑顔を浮かべながら言った。
「あがりましたっ」
途端に二人の表情が急に険しくなった。それもそのはず。次負けた方が語尾にゃんなのだから。
次はリーク様がオニキス殿下の残った二枚のカードから当たりを探す。リーク様の残りも一枚。リーク様は人の表情を見るのが苦手なのだろうか。驚くほど顔に出るオニキス殿下と勝負をしている。とても悩んで、一枚のカードを引き抜いた。その結果は、ジョーカーだったようだ。
「なぜ揃わないっ」「よしっ!」
チャンスを逃したのを悔しがるようにリーク様が、再び戻ってきたチャンスを逃さまいとオニキス殿下が言った。
そしてまた沈黙の時間が訪れる。今度はオニキス殿下がリーク様のカードをじっくり選ぶ。「……こっち」
しっかりと悩み、選んだカードは、はずれだったようだ。「なんでぇっ」
勝つと気合いを入れ直すようにリーク様が深呼吸をする。
カードとにらめっこ。勝つのはリーク様か、または、オニキス殿下なのか……
「けっかはっぴょーーー!!」
陽気に元気に明るくシアラ嬢が言った。
言わなくても分かっている結果を、盛り上げるためにこのような場をつくるのか。
「一位は…ライ様でした!そして罰ゲームを受ける最下位は……オニキス殿下でした!」
「なんで負けた……っ」
「いぇーい一位〜」
ずっとしている表情と全く変えずにニコニコとライ嬢が言った。少しムカッとなったが、負けたのは僕の実力不足だから我慢した。トランプでさえ兄さんに勝てなくなってしまったのか…っ!
「という事でこれからオニキス殿下は罰ゲームの『語尾にゃん』になります〜」
「ぅぅぅぅ〜」
悔し〜い!次は、次までには絶対に勝つ!
「次は勝つ!次は勝つからもう一回しよ!」
「オニキス殿下、罰ゲームは受けましょう?」遠慮気味にルイナ嬢が言ってきた。罰ゲームって語尾にゃん……!?
「やだやりたくないっ」
「それはずるいんじゃないかな、オニキス?」
「兄さぁん…」
うぅぅ…仕方ない、覚悟を決めるしか…
「仕方ない…にゃん」
「うぐぅっ!」
「シアラっ!?」
恥ずかしさで顔が赤くなっているのを自覚するくらいに自分の顔があつかった。そして言った瞬間胸を抑えながら後ろ向きに倒れたシアラ嬢。心配そうに支えるルイナ嬢。
「へぇ〜。可愛いじゃん」
はずかしぃ…語尾にゃんだなんて。過去の自分を殴りたい。少しくらい恥ずかしがっている皆の姿が見れるかもしれないと思ってしまった僕の考えが甘かったんだ…
「へ、部屋に戻るにゃん!」
「それ、いつまでにするの?期限決めといた方が良くない?」
き、期限?長時間やらせる気なのライ嬢は。
「も、もう終わりで良くないかにゃん?」
「そういう訳にはいかないよね。今日一日でどう?」
一日!?今お昼くらいだから、半日もこれで過ごさなきゃダメなの!?
「賛成です!似合っていますし」
「いやにゃぁ」
「オニキス殿下!」
バッとシアラ嬢が起き上がって言ってきた。
「今から皆でランチにしませんか?ちょうどそろそろ食堂が空く時間ですし」
え、えぇ…
「それはちょっと、遠慮しとこうかと」
「行きましょう皆さんが大丈夫であれば是非」
「兄さん!?…にゃん」
行く気なの!?僕このままなんだよ?行く気なの?絶対面白がってるじゃん!
「行こーぜ」
「いーよ。行こ〜」
「是非とも!」
リーク、ライ嬢、ルイナ嬢…
「仕方ないにゃん、行くにゃん」
「やったー!」




