ダンジョンの中 2
リーク視点です。
「なんでこんな洞窟みたいなダンジョンに砂地なんてあるんだろうね?」
ハッと振り返った時にはもう無かった。俺が落ちた場所は既にゴツゴツとした岩があった。
どういう事だ?
「とりあえず、来た方向を戻ろう。皆と合流するべきだ」
「了解〜」
ライとしばらく来た方向へ戻った。かなり長時間歩いた気がする。一向に元の場所へ戻れそうな気配が無い。ダンジョンハンターも終わってもいい時間なはずなのに。
「なぁライ…なんかおかしくねーか?戻れてる感じがしないっていうか…」
「少し黙ってて。今気配探知魔法を僕らの周りでかけてるから」
「お、おう。ごめん」
風魔法で気配探知魔法を使えるのはシンプルにすごいな。と関心していると、おかしな点に気づいた。
……お前今、呪文を唱えていたか?
魔具でさえ起動する為の合図のような呪文が必要なのに、呪文なしで魔法を使っているとなると、応用とかのレベルじゃなくなってくるんだぞ?王族は魔法が得意な方が多く、魔力量もとても多いのにそれでも呪文無しで魔法を発動した人は今までで一人もいないはずだ。
ずっと隣で歩いてたし、何か言ってたら聞こえたはずなんだが、まさか…
「こりゃダメだリークサン。どこまで行っても洞窟だ。出口はおろか、ルイナ嬢達でさえ見当たらねぇ」
「お、おい待てライ…あの魔物の群れはなんだ!?」
俺が見たものは、ゴブリンの群れだった。ダンジョンハンターを考えると嬉しい事なのかも知れない。その事を考えても、あまりにも多すぎるゴブリンの群れに二人して言葉を失ってしまった。
今考えると簡単な話だったのかも知れない。ゴブリンは砂地に生息する事が多い。というか、ゴブリンが生息する所に砂地が増えやすいらしい。理由は知らんが。
「こっちは任せろ。かわりに背中は任せたぞ!」
そう叫んだ瞬間、その言葉を間違えたと思った。
ライの目がギラリと光り、口はイタズラっぽくニシシと笑っていた。
「必要ないですよ。代わりに、今からここで起こること、誰にも話さないでくださいね?」
真っ直ぐに魔物に歩いていく途中、くるりと振り返り、珍しく敬語で話す口元に人差し指を立てていた。
怪しく笑うライに不安な気持ちを抱きながらも、堂々と歩いて行く後ろ姿が頼もしくも見えた。




