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平民のともだち

「シアラー!どこー?」

シアラは授業の半分を参加せず、教室に来なかった。


30分前…

私はシアラを少しからかった後。

「教室戻ろう。次の授業が始まるわ。」

チャイムが後3分でなる事を確認したから、シアラに言うと、

「そ、そうだよね!先戻ってるね!」

と一人で先に走っていってしまった。

半分の授業時間、帰ってこないので授業中だが私が探しに行くことになった。


「学園内にはいなさそうだし、少し外を見て回ろう。」

学園は外部の者が入らぬようにぐるっと塀で囲まれている。出入りが出来るのは北門と南門、それから教員用の東門のみ。シアラなら…

まだ会って時間の無いシアラの事を一生懸命考えて、私は小走りで北門へ向かった。


門の外は森のようになっていた。門を出た後、しばらく西側へウロウロと探していると、キャッキャっと少女の笑い声が聞こえた。

私は一目散に声のする方へ走った。



からかってくるルイナから恥ずかしくて逃げてしまった。その勢いで学園の塀にもたれた時、少女らしきうすいすすり泣きが聞こえた。

「ここ、どこぉ…」

不安そうに震える少女の声を頼りに私は走り、その声の元を見つけた。

「どうしたの、迷子?」

灰色のセミロングの髪、少し古そうな茶色のワンピースを着た8歳くらいの女の子が立ち止まって泣いていた。

かがんで優しく話しかけると、小さく頷いた。

「パパとさがしものしてたら、いなくなっちゃった。」

涙目で私を見つめる少女の小さな手を離さないように繋いだ。

「一緒に探そっか。お名前は?」

「わたし、リリア!おねぇちゃんは?」

「リリアちゃんか。私はハル。よろしくね。」


私はリリアちゃんを笑わせる為に色んな話をした。

リリアちゃんは泣き止むと私が何を言っても笑ってくれた。

「リリアちゃんは何を探していたの?」

「あかくて大きくてきれいな石がついたネックレスだよ。」

「きっと綺麗なんだろうね。それは無くすと悲しいね…」

しばらくしてから、ルイナが私の前に現れた。


「あ、いた!シアr」

「あら、ルーナじゃない。私を探していたの?」

ルイナは驚いた顔のまま固まってしまった。

私はルイナのそばまで行き、小声で言った。

「私達元平民だけど今貴族でしょ。この子リリアちゃん。平民だから。私ハルって名乗ってるから」

「じゃあ私がルーナという事だよね。任せて。」

リリアちゃんが不思議そうにこちらを見つめて言った。

「ハルおねぇちゃんのおともだち?」

私達は深く頷いた。

「とても仲の良い友達よ。ルーナと言うの。仲良くしてあげてね?」

少し自慢げに言った。すると意外にも目を輝かせながらこちらを見つめてきた。

「いいなー。わたしもいつかおねぇちゃんたちみたいな仲のいいともだちほしい!」

少し引っかかったところはあったが、何に引っかかったのか分からなかった。

「リリアちゃんならきっと出来るよ。私達より仲の良い友達が出来るかもしれないね。」ルイナが優しく微笑んだ。


「見当たらないね、何か覚えてない?」

「えっと…ひろくて、空がいっぱい見える葉っぱがいっぱいあるところではずした!」

……草原か?草原ならかなり遠い。

「まだ歩ける?もうちょっとがんばろっか。」

「うん。だいじょーぶ!」


しばらく歩くと、開けた場所に出た。そこで1箇所だけきらりと光った。

リリアちゃんはその光る所へ走っていった。

「あった!これ!」

リリアちゃんはきらきらと輝いた瞳で嬉しそうに首につけた後、気が抜けたのかすやすやと眠ってしまった。

「あちゃー寝ちゃったか。」

ルイナが微笑みながら、リリアちゃんをおぶった。

「見つけたなら保護者探そ。」


「リリアー!何処へ行ったんだー」

声が聞こえた時にぶるぶると震えながら私の手を握っていたリリアちゃんがピクリと反応した。

「お父さんかな?行こっか。」

リリアちゃんは嬉しそうに大きく頷いた。

「うん!」


リリアちゃんを探す声の方へ行くと、小さな村に出た。

「おう、リリア。どこへ行っていたんだ?心配したんだぞ。」

リリアちゃんはお父さんに会うなりギュッと抱き合った。

「パパ!あのね、おねぇちゃん達がいっぱいおはなししてくれたんだ。」

リリアちゃんは誇らしげに私達を指さした。

「私の友達!」

お父さんはサッと立ちあがり、私たちに深々と頭を下げた。

「娘がお世話になりました。せっかくならお名前を伺っても良いですか?」

私は慌てて言った。

「そんな名乗るような者では…」

「こっちがハルおねぇちゃんで、こっちがルーナおねぇちゃん!」

元気よく言うリリアちゃんの言葉に、お父さんは頭を傾げた。そしてボソッと何かを呟いたが、聞こえなかった。

「娘が世話になりました。本当にありがとうございました。」

私達はリリアちゃん達に手を振りながら別れを告げた。

「またねーー!」

「またどこかで会おう!」


2人になった時、ルイナがハッとしたかのように言った。

「そうだ。シアラ、授業!ずっとリリアちゃんの親探してたの?」

あ、忘れてた。

「そうだよ。外だからチャイム聞こえなくて。授業始まっている気はしたんだけど、放っておけなくて。」

途中で一度思い出したんだけど、親探しに集中して忘れてた。

「授業の半分の時間帰ってこないから授業中だけど探して来いって言われたの。これじゃ終わっちゃったかな。」

ガーンとでも言うようにあからさまに肩を落とすルイナに申し訳なさを感じ、謝った。

「ごめん!サボる気は無かったのよ。」

「いいよ。知ってるし。説明すれば先生も許してくれると思う。」

「ありがとう!」

私達はお互いの顔を見合って笑いあった。

「シアラ顔に泥ついてるよ。泥遊びでもしたの?」

「ルイナは頭に葉っぱのってるよ。タヌキみたいになってるわ。」

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