八色の魔女

【簡単なあらすじなどなど】
人族や獣人族が住まう国の最北の街で、人に紛れて暮らす魔女と彼女を取り巻く人々が織りなす、“日常”の物語。

基本はシリアステイスト日常＆恋愛もの、ときどきバトルも入ります。
一話二部構成です。タイトルの後ろに入っているのは語り手です。
※カクヨム、pixivにも投稿しています。
　R15は保険です。


以下プロローグ、各章のあらすじ
【プロローグ】
―第０章　或る語り部の詩―
――――昔々の世界には、八の色を持つ魔女がいました。
赤、青、黄色に紫、橙、緑色。残りの二色は白と黒。全ての魔女は欲深く、強い魔法を持っていました。自分勝手な魔女たちは、人を壊して昼を過ごし、夜の遊びに人を殺しました。
魔女の尽きることなき欲望と、終わることなき残酷に、人々は怯え隠れて生きるしかありませんでした。
あるとき人族の勇敢な青年は五種の獣人と共に立ち上がり、魔女と戦うことを決意します。
けれども魔女はあまりに強く、恐ろしかった。勇敢な青年は死に、青年の子も仲間も皆死んでしまいました。
誰もが諦め俯く中で、青年の孫は決して折れず諦めませんでした。ついには魔女らを打ち破り、偉大な祖父の名を冠する国を作り上げたのです。
こうしてアグリア王国は成り、悪しき魔女は姿を消しました。でもね、これだけは覚えておいて。人に味方した魔女がいたことを。その魔女が、『白』を持っていたことを――

誰もが知る、物語。終わったはずのこの物語は、とある街でまた、紡がれ始める。
世界がそれに気付くのは、もう少し先の話……。


【第一章あらすじ】
アグリア王国最北の街、アトーンドに暮らすラウラは、人を破滅させるが故に「人類の敵」と呼ばれる魔女だ。ラウラは己が望みを叶えるために、人族の薬師に身をやつし、日々を過ごしていた。
季節は長く厳しい冬の終わり。魔獣が街を襲うことこそあれど、着々と春の訪れを祝う祭りの準備が進められていた。
ひょんなことから祭りの主役に選ばれてしまったラウラも、祭りに向けて稽古を重ねるが……。