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第32章:1990年という1年(その1)

 ・・・1990年という年も、ぼくにとっては、特別な一年となった。


 まぁ・・・結果からいってしまえば、読者の皆様も、よくわかってくださっているとは思うのであるが・・・


 美絵子ちゃんと「再々会」はおろか、ひと目すら、姿をおがむことは許されなかったし、親御おやごさんに、美絵子ちゃんへの『魔物事件に対する謝罪の意』を伝言していただくという最終手段すらも、頭に血がのぼってしまい、結局、意識の外になってしまった。


 でも、美絵子ちゃんのことだから、ぼくが何しに来たか・・・くらいは、きっとわかってくれていただろうと思う。


 それに、「会わせてくれ」と頼みはしたものの、ぼくが美絵子ちゃんとの関係修復をしたのちに、あらためて交際を申し込んでくる・・・こんなことまでは、さすがに考えていなかっただろう。


 もちろん、ぼくだって、そこまでは要求するつもりなぞ、最初からなかったさ。


 それに、スタイリッシュで美人女子高生の美絵子ちゃんのことだから、おそらく、あの時点で、しっかりとした「彼氏」だって、地元の高校あたりにいただろうしね。


 ・・・美絵子ちゃんが、ぼくをよく思っていないどころか、心底「思い出したくもない嫌なやつ」「正直、顔も見たくない男」と評価していることは、すでに1986年3月に、セツさんから美絵子ちゃんの小学校時代の遠足時の写真をもらったころには、じゅうぶん承知していた。


 でも、ぼくは・・・いってみれば、『究極のロマンティスト』だった。


 あの「1990年8月12日事件」で、「会いたくない」「もうこないでくれ」という、はっきりとした先方の2つの意思を確認したにもかかわらず、令和5年のいまにいたっても、まだぼくは、美絵子ちゃんとの『見果てぬロマンスの夢』というものに、日々、期待をかけて生きている。


 よわい50を過ぎたいま・・・残りの人生において、これに命を燃やしつくそうと、「最後の情熱」をそそごうとしている。


 男って・・・


 つくづく、「ロマンティスト」で、バカな生き物よね・・・。


 え・・・?  


 「それは、あーただけよん❤️」ですって??


 それわ、あんまりむごうございまする(泣)。


 なーんちゃって♪


 「立ち直りが思ったより早くて、なおかつ、女の子に、究極的に優しいしげちゃん」。


 コレできまりよねっ❤️

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