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第30章

 1990.9.24 P.M. 11:58 記


 回尖塔かいせんとうについて


 美絵子ちゃんに追いかけられて、校門近くにあった遊具の「回尖塔かいせんとう」まで逃げてきたぼくは、塔をはさんで右まわり、左まわりに少し逃げていたが、そのうち、わざと美絵子ちゃんに捕まって、美絵子ちゃんにくすぐられた!

 ぼくたち、幸せだったんだ。


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 1990.9.24 P.M. 11:53 記


 のぼりぼうでのできごと


 小学5年のときに、美絵子ちゃんに追いかけられて、逃げてきたぼくが、のぼりぼうまで走ってくると、そこに美絵子ちゃんのクラスの「ふるかわ」という色黒で歯っ欠けの、うすぎたねえブサイクな男子児童がいて、あとからきた美絵子ちゃんに、にやつきながらいきなり抱きついた。


 するといままで、「うふふ」といって、うれしそうに追いかけてきた美絵子ちゃんが、とつぜん怒った顔(= 嫌な顔)をして、ふるかわをにらみつけた。


 はじめてみる、美絵子ちゃんの、本気の怒りの顔だった。


 ・・・が、それを強引にふりほどいて、ぼくのほうに向き直ると、もとの明るい笑顔にもどった。


 そのあとすぐに、ふたりは追いかけっこを開始したのであった。


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 1990.9.24 P.M. 11:47 記


 花壇かだんでの追いかけっこについて


 小学5年のとき。


 中やすみか、昼休み。


 起点は、どこだったか思い出せないが、どこからか美絵子ちゃんと追いかけっこをして(= もちろんぼくは、いつでも逃げる専門だった)、花壇の円いブロックのところまで逃げてきた。


 そこで円いブロックをはさんで、右まわりか左まわりに逃げて、そのうち、わざとスピードをにぶらせて、追いついた美絵子ちゃんに捕まって、背中をポカポカやられたと思う♪


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 1990.9.24 P.M. 11:34 記


 東階段でのやりとりについて。


 (話題は、ねこ。)


 正確な日付けはわからないが、1981年の初夏のある日だったか。


 学校帰りにぼくは、セツさんちのブロックべいから狭いすきまに、いたずらで入り込んで、そこからブロックべいをよじのぼって、セツさんちの緑色の屋根を見たら、そこに白いねこが1匹いた。


 そのねこをつかまえようとして、屋根にのぼったが、家の中で人の気配がしたので、あわてて降りた。


 誰かが中から出てきたようだったが、ぼくはいちもくさんに逃げた。


 (・・・実は、これが美絵子ちゃんだったのだ。)


 次の日の休み時間、美絵子ちゃんといつもどおり遊ぼうとして、美絵子ちゃんを探しに東階段をのぼっていったら、階段の上のところに、2年生の女の子の誰か(= 鈴木さとみちゃんあたりかな?)といっしょにいて、ぼくをみるとこう言った。


 「あぁ~、きのう、うちの屋根でねこつかまえようとしてた人だぁ。」って。


 ぼくと美絵子ちゃんは、仲が良かったけれども、普通のカップルみたいに、まともに会話したことがなく、いつも、どちらからともなく(ぼくのほうがいつもしかけて?)、ふざけるのが習慣になっていたから、このような、一見、他人行儀的な言い回しになるときもあったのだ。


 ・・・これもふたりにとっては、まだまだ「いい時期」だったんだ。

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